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飛行機プラモデルの製作

 ダグラス AD-6 スカイレーダー
(ツクダ  1/72)

  by 加藤 寛之




 正確にいうとツクダホビーというツクダの子会社の製品で、いろいろなプラモデルを発売したものの2003年に消滅、事業はツクダ本体に吸収されたのだという。飛行機プラモはOEMのような方法で何度か国内販売していた。このスカイレーダーはオリジナルかと思っていたが、その後に韓国メーカーでスカイレーダーのキットを見かけたので、もしかしたらオリジナルではないのかもしれない。  このキットは、長年作ってみたかった。それは『航空ファン』の新製品紹介でよいキットであると書いてあった記憶があったからだ。ただし当時、店頭で見かけなかった。




 キットを開封する。胴体側面のエアブレーキは開閉選択できるので、これは閉じた状態で接着。開けるとデカール貼りが面倒だからだ。ちょっと隙間ができたので、軽く表面をやすって出た削り粉をその隙間に詰め、瞬間接着剤を流して埋める。これ、超お手軽な隙間埋めの方法。コックピットは床板と計器盤、それにL字形の簡単な椅子の計3点。椅子は上から入れるとして、塗装もせずに床板と計器盤、尾輪を挟み込んで胴体を合せる。 色は後から筆を突っ込んで塗ればよい。これで組み立て時間を大幅に短縮できる。機首のガタガタした造形は前方からの一体パーツで、これもこの段階で接着しておく。形を眺めると、どうにも垂直尾翼の前部分が太すぎる。まあ、いいか。胴体下面の丸み表現が怪しい、まあいいか。ラダーの筋彫りもナナメで不自然、まあいいか。




 今度は主翼。とりあえず上下を仮合せ。ウわッ!後縁が厚い!それも楕円形断面で厚いので、外側から削らないと解消できない。とりあえず上下を接着し、上面はエルロンの幅くらいの範囲で削って丸みを取り、下面は削り上げでごまかす。まあOK、の範囲に収まる。これは垂直尾翼、水平尾翼も似たようなもので、これらもちょっと削っておく。それぞれの平面形に多少は思うことがあるが、許容範囲。  カウリングは筋彫り不足。いくら何でもナ、と思うので、3本入れる。カウルフラップも筋彫りナシなので、入れる。風防の高さは高く、透明度は低いけれども、気にしない。主脚はしっかりと接着できるので、まあイイや。翼下に爆弾を付ける趣味はないので、胴体下に1本、燃料タンクを提げる。




 さて、塗装だが、今回は塗装嫌いの私には珍しいベトナム迷彩とした。子供の頃に横田基地に行くとベトナム迷彩の機体が並んでいたが、大体の塗装パターンは同じでも機体の差は歴然で、それもはみ出しが汚らしく、「プラモデルの塗装よりも酷いや」と思ったものだ。よって、気楽に塗る。例によってその辺りにある似た色で済ませる。それだって、だれがどう見てもベトナム迷彩塗装である。 ところが、南ベトナムマークの右翼上面を完成間際の塗装事故が原因で損傷、しかたなく米軍マークの似たようなものの袖を黄色く塗って代替した。そのため、ここだけちょっと寸法が大きい。読者の皆様は気付かなかったことにして欲しい。そんなこんなで、無事に(では、ないが)完成である。




 さて、冒頭の「よいキットであると書いてあった」は、どう考えてもヘンだ。あらためてその記事を探して読んでみた。『航空ファン』1983年10月号だった。あれ?本文のどこにもそんなことは書いてない、ではどこに・・・? それは完成見本写真のキャプションで「1/72スケールでは最も正確なスカイレーダーと言えるタカラのAD-6」とあった。ずいぶん限定している。 フジミは1/70、モノグラムは型も違う。エアフィックスは難儀なキットだったからな。しかも数ページ誌面をめくると、そこにこのキットの半ページ広告があるじゃないか。・・・そうか、そこに「大人の事情」があったのね、おそらく。いいんです、いいんです、それで。おかげでキット紹介から30年以上たちましたが、楽しく作ることができました。感謝、感謝です。


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