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九六式四号艦上戦闘機 (ニチモ 1/72)
by
田口博通 Hiromichi Taguchi
飛行機プラモデルの製作
ずっと以前のことですが、MA1974年5月号の写真ページに
工作ガイド「日本の航空技術を一挙に世界水準まで高めた、記念すべき戦爆コンビを、モデルで再現!!」として、このニチモ九六式4号艦戦と、LS九六陸攻11型がペアで掲載されていました。
本の通りにペアで形にしてみたいと思ったものの 果たせず、いつのまにか40年が経過、現在に至りました。
九六艦戦だけは、一度 作ったものの、主翼のリブの太さやシート、キャノピーなどが気になって、思ったように完成せず、結局、ジャンク箱に。
正月休みに、LS九六陸攻11型を作り始めたのですが、九六艦戦とペアで並べて1974年の夢を果たしたいと思い立ちました。
現在はホビーボス(童友社)の九六式4号艦戦もありますが、ここは やはりニチモの傑作キット九六でなければなりません。
模型店ではニチモの製品はもう入手できなくなっているため、ジャンク箱から取り出して、レストアすることにしました。
久しぶりに取り出してみると、両脚をはずして、主翼はリブを削り取ってありました。今回は、そこから開始。両脚にはピンを打って再び主翼に取り付けます。そして、機体全面にペーパーをもう一度かけて、均します。
気になっていたシートは 頭当てを切り離し、プラ板で機体に頭当てを自作します。
全面をガイアカラーのNo.9ブライトシルバーで筆塗しました。このシルバーは 昔のMrカラー8番シルバーと同じようなアルミドープの雰囲気の銀で気に入っています。
尾翼はMrカラーの3番赤で塗り、尾翼マークは手書きです。日の丸は大きさの合うデカールをトレードしてきました。
ニチモのキットの第12航空隊機では 胴体や主翼は報国140の文字と 白に赤フチの胴体帯 があるはずですが、今更 ニチモの九六のキットもデカールも入手できるはずもないので、 ここは「想像で補う」こととしました。
長い年月の中で、プロペラもどこかに紛失してしまっていたので、フジミの九六艦戦からのトレードです。 キャノピーは塩ビで自作しようとでも思ったのか、フレームを削り取ってやすり跡でギザギザになっていたので、再度 磨き直し、クリアー塗料で透明度を修復。フレームを塗り直して再生しました。
一番気になっていた主翼のリブですが、航フ傑作機の図面を見ながら、0.5mmプラ板の細く切ったもので、主翼上下に取り付けます。
長いアンテナ支柱は、シンチュウ線から削り出し、照準眼鏡は、シンチュウパイプで作り直しました。ピトー管もパイプと洋白線で自作です。
最後に、ハセガワの日本機キットからパイロットをトレードして搭乗させます。ここで、戦闘機乗りのシンボル、白いマフラーを首に巻くことを忘れてはなりません。
これで40年の月日を経て、本当に完成です。
ずっと気にかかっていた九六艦戦が 形になりました。薄い主翼がすっと伸びて綺麗です。この美しい主翼がニチモのキットが傑作と言われ続けてきた所以ですね。リブを作り直したので、それが更に強調されました。
同時に完成したLSの九六陸攻と並べると、なんだか九六艦戦が喜んでいるように見えるのが不思議です。
プラモデルを完成させるには、確かに少し時間が必要ですが、一機づつ完成させることで、少年の頃の夢や、社会人になって諸般の事情から保留にしていた夢が実現していくことは 本当に楽しいものです。
その意味では、プラモデルは作ることで 夢が一つ一つ実現できる稀有な趣味で、改めて 幸せな趣味を持ったものだなと感じております。そして、大好きなプラモデルと これからも死ぬまで付き合っていきたいと思います。
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