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飛行機プラモデルの製作

 SIAT223フラミンゴ (PMモデル 1/48)

  by 加藤 寛之




 まあ、なんて可愛らしいのでしょう。こんなプラモデルがあったのね、みたいなキットだ。PMモデルはお粗末な製品が多いのだけれども、機種選定のユニークさと価格の安さで生きぬいてきた。このメーカーはレベルやエアフィックスにも製品供給をしたことがあるので、知らずにキットを購入して驚いた人もいることだろう。このキットも、10数年前だろうか、レベルの美しい箱で売られていた曖昧な記憶がある。初期のプラモデルかと思うような大雑把さと単純さで出来たキットだけれども、そこがまた魅力だ。 私はずいぶん前にも1度、このキットを作ったのだが、また作った。塗装もまったく同じ。作りたければ作る、そういうこと。PMモデルは、ここで値段が上がったうえに流通値段も上がったが危ぶまれる事態がおきているとも聞く。ちょっと心配だ。
 キットは白いプラと赤いプラで成形されている。胴体と水平尾翼は白い。そこで、白は必要な部分だけ塗り、全体は塗らないことにして手を抜く。主翼は赤い成形だが、これは表面がクタクタに歪んでいて、ヒケの大穴もある。翼端もヒケだらけでグニャグニャなので、どちらも滑らかにしないと見られない。これを基本において組み進める。




 まず、主翼を組む。固定脚だから内部塗装がないので、接着面を均してすぐに上下と翼端の片側計3パーツを接着、乾燥を待って表面を削る。削り粉がヒケに詰まるので、そのまま瞬間接着剤を固めてパテ代わりにする。「削る」⇒「粉が詰まる」⇒「瞬間接着剤で固める」⇒「削る」⇒「粉が詰まる」⇒「・・・」、まあ3回もやれば完全OK。パテで穴を埋めると時間の経過とともに凹むが、これならば大丈夫、かつ早い。表面を削るついでに、前縁と後縁もきれいにしておく。削って消えた凸スジ彫りは、カッターの刃でキュ~と引けば、それで充分、超お手軽に終了。 その間に胴体も組む。機首に錘を入れ、それが見えないように板を入れる。床と座席は1パーツで、これは後で上から落とし込んで組める。これは便利。計器盤は貼らない方がマシな印刷なので、貼らない。機首上面があまりにもお粗末なので、それっぽく加工しておく。表面仕上げが粗くても紺色で塗るので、どうせ見えない。計器盤も機首上面も、ちゃんと作ったところでだれも気にしないので、どうでもよいのだ。それは胴体下面も同様で、上から見ただけで胴体下面も見える日本人はいないだろうから、それなり整形で終了とする。




 全部がテキトウなのではない。胴体と主翼、水平尾翼との接着は隙間がないように面を整形して、ちゃんとする。キャノピーと胴体との隙間も見栄えを良くする。こういう場所がマトモだと、ちゃんと作ったかのように、ごまかせるのだ。
主脚は折れそうなので、補強した。外側からプラの小片を貼るという強引な方法で補強が丸見えなのだが、塗装してしまえばほとんど分らない。そもそもこの完成機をだれも気にしないので、どうでもよい。丈夫がなにより、である。




 塗装は白で手を抜くので、赤と紺をそれなりに塗り分ける。パネルラインは、白の無塗装部分にだけ、ウッスラと灰色を入れる。それ以外は、特にナシ。デカールは黄変しているし、赤はボ~っとしているし、フィルムはボロボロにちぎれる。しかもだ、主翼の「TC-EAN」ときたら、大きさが半分しなないし、「-」がない。“あ~ァ”だ。上面だけは塗装選択で余るデカールから切り抜いて「-」を足しておくが、下面は無視、理由は既述のとおり。大丈夫、だれも気にしない。 こうして無事に終了、“まあ、なんて可愛らしいのでしょう”で完成である。




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