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特集 水上機&飛行艇

日本海軍水上戦闘機&偵察機
(SWEET&エフトイズ 1/144)

by Windy Wing 2013

今回は帝国海軍の水上戦闘機と偵察機を3機種ご紹介いたします。

<SWEET 1/144 三菱 二式水戦>



 「強風」までのつなぎとして零戦に零式水上観測機のフロートを付けてみたら、世界一優秀な水上戦闘機になってしまった、というのですから、この零戦という飛行機の潜在性能は計り知れません。作製した「佐世保航空隊」所属機については、灰白塗装と二色塗装が比翼する鮮明な写真が残されており、本機の派生型とは思えないその美しさを今の世に伝えています。
 キットは今回紹介する製品の中では唯一の「プラモデル」で、その正確な造型と繊細なモールドは1/144の老舗SWEETの面目躍如です。
 しかしながら、価格が高い、外箱なしの吊し売り、不親切な塗装解説、座席だけのコックピット、ピトー管もなし、そしてなにより、デカールに日の丸が付属しない(別売り)、というコストパフォーマンスの悪さに、一般の方にはとてもオススメできる商品ではありません。やはり「プラモデル」というのは、とりあえず購入したキットだけで最低限の完結を見うるべきものでありましょう。それでも、どうしても1/144で二式水戦を、という方には、3種類ほどあるフィギュア既製品の中では<エフトイズ ウイングキットコレクション Vol.15>の二式水戦がいちばんスッキリしていて、よろしいのではないかと思います。


<エフトイズ 1/144 川西 強風一一型>



 二式水戦とは対照的に、その「強風」では期待された性能はほとんど得られず、ダメもとで陸上機型に改造してみたら、紆余曲折の末に海軍有終の美を飾る343空の誕生につながった、というのですから、世の中なにが幸いするか分かりません。 写真は<水上機コレクション Vol.2>のリペイントで、二式水戦と同じ佐世保の951航空隊所属ながら、その海軍標準塗装のあまりの色気なさに、作っていてもほとんど高揚感が得られませんでした。独特のフィレットや大きなスピナなど、造型自体は決して悪くないので、ここへ「紫電」と「紫電改」を並べてやれば、それなりの「語り」の材料になるかもしれませんが、今のところ、1/144でマスプロダクトされた「紫電」はないようです。


<エフトイズ 1/144 愛知 瑞雲一一型(初期生産型)>



 この小さな機体に不釣り合いな分厚いフィレットを見ると、これが零式三座水偵と同じ会社の航空機とはとても思えません。「フロート支柱へのダイブブレーキ装着」という無茶ブリを見ると、性能の主眼は偵察よりも急降下爆撃におかれたようで、その意味では、本機は零式三座水偵よりは九九艦爆の後継として考えるべき機体なのかもしれません。 塗装は海軍航空技術廠領収機として、黄橙色でリペイントを行いました。ただし、本機体は以降の量産型と比べて、ダイブブレーキ穴の有無以外にも後部座席周辺の形状などに相違があるため、正確な初期生産型とするためには多少の加工が必要です。




 2ヶ月間に亘って、計6種類の日本海軍水上機をご紹介してまいりましたが、それぞれに歴史に裏付けられた深い味わいがあり、いずれも捨てがたい魅力を持った航空機ばかりです。 個人的には、さらに「九三中練」や「九五中練」、そして「晴嵐」と、1/144で揃えたい機体がまだたくさんあります。メーカーさんもがんばって、引き続き「九五水偵」や「零式小型水偵」、そして幻の「紫雲」など、是非ラインナップの充実を図ってください。



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