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誌上個展

 <スター・ウォーズの世界 Vol.3>

by Windy Wing 2013


 今回は前回までの優等生たちとうって変わり、ノンスケールの玩具系キット2種をご紹介いたします。


<バンダイ ビークルモデル001 スター・デストロイヤー>




 そもそも、今日の「スター・ウォーズ」ブランドを確立したのがepisode4冒頭の<スター・デストロイヤー>のワイド・ショット・シーンであることに異論はないと思うのですが、それにしては本艦のモデルキット上の冷遇はあまりに酷すぎます。
本艦船のデザインを決定するにあたっては、ルーカスに4種類のコンセプト・スケッチが提案されていますが、そのいずれもが基本的に単純な三角形であったのは、あのショットの絵コンテから本艦の形状を逆算したためです。その結果、模型的には極めて地味で、メーカーとしてのセールス・ポイントを見いだしにくかったことが、以降の悲惨な状況を作り出してしまったものと想像されます。




 そんなふうに模型界では継子扱いされ、劇中ではウドの大木的ザコキャラに貶められた悲運の艦船を、このキットは完璧なスタイルで再現しており、決してノンスケールのオモチャと侮るべきではありません。ただ、せめてこの全長が30cmあったれば、と惜しむのは、本艦のファン全員の偽らざる想いでありましょうが、まずは「世界初の正しい形のスター・デストロイヤー」の登場を素直に喜びたいと思います(ドイツレベルのイージーキットは胴体断面の上下幅が低く、本キットのような迫力には欠けました)。 この造型とディテールを見れば、今後も<バンダイ・ビークルモデル・シリーズ>への期待は高まるばかりで、<エグゼクター>や<リデンプション>、そして前人未踏の<完成/建造中コンパチのデス・スター>などがラインナップされれば、たぶん私は泣いてしまいます。


<mpc Bウイング・ファイター>




  mpc社製の本キットは実際のプロップと比べると、縦横比がまったく異なるとんでもない造型にもかかわらず、そこを勢いでそれらしく見せてしまう典型的なアメリカン・トイです。この点、同社の<ミレニアム・ファルコン>や<インペリアル・シャトル・タイドリアム>などの大きなキットを買うときには、かなり勇気が必要だったことを思い出します。
しかしながら、多少玩具的であったとしても、mpc社がスター・ウォーズ関連のキットを連綿と発売し続けてくれたからこそ、今日のシリーズの隆盛がある、と思えば、どのキットもあだやおろそかにはできません。いずれはきれいにスジボリをしなおして、すべて完成させてあげたいものです。




 映画としての「スター・ウォーズ」は第一作のepisode4からすでに脚本が破綻しているので、作品そのものに対する興味はほとんどありません。episode7からは製作会社が脚本を非常に大切にするディズニーに移ったので、多少の期待をもって劇場に臨んだのですが、前作までの悪しきご都合主義を引きずったまま、若い監督の拙い演出ばかりが目立つお粗末な内容に変わりありませんでした。映像自体は非常に上品で、極めて高い完成度を持つものであることは否定しませんが、今や特殊効果の評価は「技術」から「センス」に重点が移行しつつあり、CGだけについて語るなら、ハスブロやマーベルにもっとすごい作品がいくらでもあります。
このように「スター・ウォーズ」の世界観に格段の思い入れがない私にとっては、このサーガはすでに時代の遺物となった感が強く、今後ますます神モデラーたちの出番が少なくなることも考え合わせれば、あるいはepisode7は私が劇場に足を運んだ「最後のスター・ウォーズ」になるかもしれません。


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