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飛行機プラモデルの製作

  プラモ進化論
~エアフィックス零戦21型~

  by  松戸のタカ




こんにちは松戸のタカです

今回は「プラモ進化論」と称してエアフィックス新旧2つの零戦21型を作ってみました。
旧品は1960年台半ば、現行品は2010年以降の製品であり、およそ50年の開きがあります

 さて旧作はご存じの方も多いと思いますが、箱詰めではなくビニール袋に包まれて店先などにぶら下げられて販売されていました。(箱詰めバージョンも存在しますが)


旧版エアフィックス製零戦 アヤシイ塗装ですね


私も子供の頃模型店の中でぶら下げられて販売されているのを見たことがありますが、そこは舶来品、国産品の倍の価格(といっても200円位)で販売されていましたので購入には至りませんでした。

 この品はネットオークションで入手したものですが、それほど高価格ではなく、比較的すんなりと入手できました。
 新作は2012年1月号にすでに製作記事が掲載されていますが、何と言っても組み立てやすく、しかも価格も国産品よりも安い!という非常にオトクな製品となっております


新版エアフィックス零戦 イラストではなくCGですね


旧版パーツ一式 シンプルです。スタンドが付属しています


新版パーツ一式 この充実ぶり


 さて実際に組み立ててみると、旧品は合いがよくない、ガタはあるはで、まずはまともに組み上げことが課題となります。ディテール云々などよりも完成させることが目標となります。 組んでいると、あららカウルフラップは無いし排気管もありません。キャノピーもなんだかズングリして巨大です。尾輪はとても引き込み脚とは思えません。でもリベットやモールドは一応きちんと表現されているんですね。おまけに燃料注入口なんてはっきり分かるくらいモッコリと表現されています。


モッコリした表現です。いい加減なようで案外良くできていました


キャノピーの枠もいい加減だったので自作デカールを貼り付けてごまかしています。ついでにピトー管、機銃口もないので後から穴を開けて自作したりでした。 ついでにアンテナもバットのような太いパーツだったのでランナーで自作しました


あれ?排気管はおろかカウルフラップもありません。


とても引き込めそうもない尾輪。着艦フックは造形はともかく可動式です


 どうにか組み上げてみると、まあ「零戦以外の機種にはみえない」といった具合です。せっかくなので新作のデカールを利用して新作で提示されているカラーリングとしてみました。
 塗装をしてデカールを貼っていきましたが、途中までデカールを貼っていたら「このモデルに細かいデカールは似合わない」ことに気が付きました。
 大雑把なモデルには大雑把な仕上がりでよい。これでいいのだ。ということでデカールも最小限のものしか貼っておりません。フラップ上の赤線なども引いておりません


 今度は新作ですが、これは結構よく出来ています。すでに指摘されているようにタブなどは省略されていますが、まあ気にしない人は気にしない(私は面倒だったので無視しました)
 当然ながらカウルフラップも排気管もあります。21型の特徴であるカウリングの「おちょぼ口」様の形状も再現されています。スジボリは深めで、結構省略されている部分もありますが適度な省略であり気になりません。
 それより感心したのは多くのパーツがランナーから切り離さないままの状態で塗装できるパーツが多いことです。特にプロペラがランナーに取り付けたまま塗装できるのはラクチンでした。これがタミヤとかファインモールドはランナーから切り離してきれいに整形し無くてはならないので意外と面倒。

組み上げていくのが楽しい感じです。組み立てにもゆとりができて、あそこをこうしたらもっと良くなる、ここをこうしたらこれができるのではないかと色々考えてしまいました。けれどそうしたことを実行すると永遠に完成しなくなるかもしれないので今回はスキップしました


  さて完成しました。新作は細かいデカールはオリジナルを使用し、日の丸や所属番号などは余りのものを流用しました。手を加えたのは翼端灯をクリアパーツで作成したくらいです(ちょっと大きすぎた)。 アンテナはポッキリ折れて紛失してしまったのですが、ちょうどマークがラバウル仕様で、確かアンテナを切断した機体なので、アンテナは無しでいいやということになりました。


旧版 巨大なキャノピーがモッコリと存在感を感じさせます


新版 うん!良くできてる デカールは寄せ集めですが


旧版もこの角度から見ると悪くない



新版。ちょっと細身かしら?でもかっこいい




単に並べてもいかに新版が「それらしく」できているかがおわかりでしょう


新旧のモデルを並べると違いは一目瞭然!果たして同じ機種かと思うくらい違います。簡単に言えば旧モデルは「おもちゃ的要素が強い。零戦以外の機種には見えないレベル」。それに対し新モデルは「きちんとしたスケールモデル」と言えるのではないでしょうか?言い方を変えれば旧版は「子供をターゲットにした製品」であるのに対し、新版は「子供というより少年から成人までをターゲットにした製品」とでも言えるのかもしれません。
 以前から指摘されたようにモールドは深めでリベットはありませんが、ペーパーがけをしてもモールドが消えることなく、リベットも気にすることなくすみます。これはこれでとてもありがたいとも捉えています。


上が旧版、全体的にもっさりしています。下が新版モデル。深いがシャープなモールドです




エンジン表現、脚柱、脚カバーの精密化?これはすごい進歩です



旧版にはスタンドが付属しています。そういえばこの頃のモデルってスタンド付属が多かった気がします(新版はオプションであるようです)



 新版は細部も結構良くできており例えば胴体側の脚カバーにはアームが表現されていますが、このスケールでアームまでパーツとして存在するのは私の知る限りタミヤ製くらいです。 しかも脚カバーと一体成型されており、カチッとはまるのがなんともニクイ(ただし折れやすいの欠点)。コクピットも簡略化していますが決して手抜きには見えません。


胴体側脚カバーのアームも表現されています!
でも折れやすいので注意が必要(折ってしまいました)


 細かいラインはアヤシイところもありますが、気にしないでおきましょう。いやすばらしいなと感心してしまいました。

エアフィックスの新旧モデルを比較すると、本当に50年と言う歳月の流れを感じてしまいます。精密になり、かつ組立も難化しておらず、さらに価格はむしろ下がっている、なんと理想の進化ではないでしょうか?





 もしプラモデル初心者がこのスケールでの零戦を組み立ててみたいと言うのであれば私はこのエアフィックス製零戦をお勧めするでしょう


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