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特集 ザ リジェンド the legend

100式司偵3型 (Ki-46-3 DAINAH) ( LS 1/72)

by  田口博通 Hiromichi Taguchi

 


 この数年は、エルエス全機作りを目指して、ぼちぼちと作っていますが、今冬は100式司偵3型を作りました。実機は薄い主翼と流線型胴体が極めて美しい飛行機です。
キットはエルエスから金型を受け継いだアリイから発売が続行されていて現役の長寿キットです。  
 オリジナルのリリースは70年代の昭和キットですが、素性がよく、できあがってみると素晴らしいフォルムです。また胴体と翼のバランスも秀逸で伝説の名キットと言われてきた所以がよくわかります。

エルエス版箱絵



 特徴であるキャノピーは形もよく、エルエス特有の盛り上がったキャノピー枠はこれも好みが分かれる所ですが、マスキングもしやすくて、筆塗には好都合でした。カウリングとプロペラまわりの造形も綺麗です。
 胴体主翼とも成型表面は軽い梨地になっているので、好みが分かれますが、筆塗りするには好都合でした。
 製作に際し、今回は積みプラから80年代に購入した旧LS版を取り出し、資料として 丸メカと航空ファン傑作機をひっばりだしてきました。


製作

 胴体は機首形状が違う2型、3型を作り分けるため、金型は前後分割になっています。
組み立て説明書の順とは違い、片側の胴体前後ずつを先に接着して、形にしてしまいます。この方が、機首に接着段差ができにくいからです。
 胴体にコクピットを収めますが、シートの位置関係が残念ながら実機とはかなり違っています。今回の製作はエルエスのオリジナルキットの雰囲気を味わい、楽しみつくすのが目的なので、もちろんこのまま組みます。
キャノピーをかぶせると内部はほとんど見えなくなるのですが、シートベルトだけ追加しました。 前席に計器板が付属していないのが、昭和のキットらしい所で残念ですが、これもこのままで進行しました。




 胴体は左右を合わせた後、前後席間のカバーを接着します。カバーの合いは良く、これで胴体が筒状になり強度が増して、歪まず丈夫になる構造です。
 主翼は長いほぞで左右翼を互い違いに支えるようになっています。確実に上半角がセットできるようになっているのが、このエルエスのキットの偉い所でした。
主翼上下にエンジンナセルを接着しますが、これも合いは抜群でしたとはいうものの、下面は少しパテを使っています。翼後縁は薄いのですが、イメージの中にある100式司令部偵察機の翼後縁はもっと薄いので、しっかりと削って薄くしておきます。
 3型の特徴である流線型のキャノピーは丁寧に胴体に削り合わせます。

胴体と翼を接着し、士の字に。
主翼上半角がばっちりと決まり、気持ちが良い。
キャノピーはしっかりと胴体に削り合わせます。

塗装

 キャノピーをマスキングゾルでマスキングして枠を胴体内部色で一度塗っておきます。
 そこから、全体塗装の開始ですが、自分のイメージの中にある塗装色を筆塗りで行いました。
下面は Mrカラー35 明灰白色。
上面は濃緑色でも灰緑色ではなく、もう少し明るいNo.127中島系コクピット色を使い、上下で塗り分けました。
 どこで見たかは定かではありませんが、こんな感じが少年時代から抱いている100式司偵のプラモデルの塗装のイメージでした。
 油彩で軽いウエザリング後に、独立飛行隊16中隊の菊水マークのデカールを貼り、一応 艶消しクリアをエアブラシで吹いて、デカールがはがれないように保護して塗装完了です。

キャノピー枠は先に胴体内部色で塗装しておく 塗装とデカール貼りが完了し、キャノピーのマスキングをはがして行く。


 エンジンは前後シリンダーパーツを接着する構成で、全面にはプッシュロッドもモールドされていて秀逸です。シルバーに塗装後、ブラックでスミイレをしておきます。 エンジンを塗装の済んだ胴体に接着すればほぼ完成です。アンテナ柱はシンチュウ線で置きかえ、ピトー管はシンチュウパイプと洋白線の組み合わせです。



完成

 正月休み3日間で軽く完成と相成りました。この時代のキットを現在作る場合は余計な修正を考えないので、手も止まらず進行し、、気持ちの良いこと。
丸メカなどの資料を眺めながら、実機との違いは違いとして理解して、修正は放置して 基本工作だけでストレートに楽しく作って行くのも、プラモデルらしくて良いと感じています。
 ピンと張った薄い主翼が100式司偵らしくて、美しい。この美しさを自分の手の中で感じられる所が、飛行機プラモデル作りの最大の魅力なのかもしれません。
 さて、自分のイメージで塗ってしまった塗装がどう感じられるか気にはなっていたのですが、1月中旬の所属クラブの例会に持っていったところ、皆さんには塗装色に違和感を感じなかったとの評で、一安心でした。






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