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特集 ハセガワのプラモデル

ハセガワ現状の取り組みと今後の展開

株式会社ハセガワ  企画開発部 開発グループ次長 久保山 弘道

 日ごろハセガワ商品をご愛顧いただき感謝申し上げます。
株式会社ハセガワで設計を担当しております久保山と申します。
今回Internet無料模型誌 月刊webmodelers 様よりハセガワの取り組みと今後について投稿を依頼されました。
初の寄稿ですので読み難い文面になるかと思いますがご容赦いただければ幸いです。
 


 さて、ハセガワの新製品開発の取り組みは、継続的な課題もしくは心構えとして
「完成した時の喜びを味わって頂きたい」との思いを形にする事を意識しています。
その為に常に作りやすさを意識して開発しています。
途中で手が止まらないように最初のモチベーションのまま最後まで作業が進む事を思い描きながら開発しています。時代時代でユーザーの好みの変化もありますのでそれらの要望を踏まえつつ
部品の多い商品でもストレスを軽減できるよう進化させ、ゴールをイメージし易くなるよう注意しています。


 その先に見据えている課題として購買層の高齢化に合わせた商品作りも取り組むべき課題だと考えています。
部品や勘合を大きくする事で組立のストレスを軽減させたり、色の違う箇所での部品分割など
塗装を含めた作業全体がスムーズに進むよう検討し実現できるよう考えています。
ただし製品全体の印象を左右する部分のみに限定してあえて組立の難易度が高くなっても精密な再現を選択する場合もあります。
製品設計以外では、部品番号の文字サイズを従来より一回り大きくして
作業ストレス軽減に気を配っています。改善できる箇所はこれからも改善を繰り返し、
理想とする模型に少しでも近づけるよう努力してまいります。



以上の事を念頭に各ジャンル毎に少し説明します。

1/350大型艦船モデル

 1/350大型艦船モデルでも基本は組立を容易にするよう進化させています。
桁のパーツを組み込むことで全体強度を増し、その後の部品の取り付け精度を確保しています。
また見せる箇所と見せない箇所のメリハリを付け、完成への近道を探っています。
その上で出来る限り最新の考証で商品化できるように資料を精査する事にも時間を費やしています。文献などを読む時間が多く開発ペースの遅延の原因になりますが少しでも新しく、正しい情報を元に開発された商品になるよう発売日直前まで調べる作業を続けています。

1/350 日本海軍航空母艦 隼鷹

1/450艦船模型

 1/450の艦船模型は、「大きく」「安い」「作りやすい」がテーマです。
極端に部品点数を抑え、いかに低価格で提供できるかに挑戦しています。
久々にプラモデルを作るお父さんに是非挑戦して頂きたい模型です。
アイテムによっては模型化し辛いアイテムもありますが、今後も少しずつ増やしていきます。
 
1/450 日本海軍航空母艦 信濃


飛行機

 飛行機は久々の超大型機 「二式大型飛行艇」が発売になります。
船の科学館様のご協力を頂き、復元作業時の情報や資料を基に精密に再現。
臨場感たっぷりの搭乗員を乗せ、当時の様子が想像できる楽しめる模型となっています。
発売が発表の日程より遅くなってしまいましたが、納得の仕上がりになっていますので
是非手に取っていただきたい商品です。

1/72 川西 二式大型飛行艇12型

車及びバイク

 ハセガワの車及びバイクは今までプラモデルになっていないラインナップを中心に展開しています。
アイテム毎にアピールポイントを絞り込み魅力的な商品になるよう内容を吟味しています。
基本的にはプラモデルユーザーが懐かしいと思える物が中心となっていますが
特に縛りは無く予想出来難い商品が今後も出てくると思います。
5月のホビーショーでも新作を発表しますのでご期待ください。

1/24 スズキ ジムニー


今後の展開

 多くの方に売れるアイテムは少なくなっています。
ピンポイントで刺さる商品を開発、小さな市場でも深く長く愛される商品を目指し開発していきます。
リニューアルする商品を混ぜながら、
今までプラモデル化されていないアイテムにも注目し、ジャンルを超えて面白い物を企画開発していきたい。
また、単純にプラモデルとするだけでなくお客様の琴線に触れることの出来るような
遊びや技術的挑戦を盛り込んで最後に楽しかったと思えるプラモデルを目指して努力してまいりますので、
今後ともハセガワ商品に注目していただくと共に、楽しんでいただければこれ以上の喜びはありません。



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