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特集 試作機、計画機、変な形

マクダネル XV-1(グレンコモデル 1/32)
McDonnell XV-1(GLENCOE MODELS 1/32)

by  田口博通 Hiromichi Taguchi




 完成してみると、強烈なインパクトでした。
 その姿は キャプテンスカーレットに出演していたヘリジェットのごとく。
 XV-1のSF的な姿は、コンバーチブルプレーンという形式で、実はヘリではないのです。 1951年から米空軍、米陸軍、マクドネル社で共同開発を始め、当時はまだ「垂直離着陸(VTOL)機」という呼び方が無かったので「コンバーチブルプレーン」と呼ばれていました。
 垂直離着陸時には 回転ローターの先端からガスタービンエンジンからのジャット気流を噴射し、ローターを回し揚力を得ます。 ホットサイクル式ローターというのだそうです。 
 
 離陸後の水平飛行の推進力の方は 後部のプロペラを回して得ます。揚力は主翼におまかせして水平飛行をするという構想でした。
 ローターは動力を切って風圧で空転する「オート・ローテーション」にします。つまり、オートジャイロ(ヘリ)という訳ですね。

 マクダネルXV-1が史上初のコンバーチブルプレーンということになっており、ヒューズXV-9,そして近代的なシコルスキーXwing S-72と発展します。
 紆余曲折の末、アメリカはこの形式はあきらめ、結局 V-22オスプレイで垂直離着陸、水平飛行のVTOL機 (旧コンバーチブルプレーン)の完成形に到達しています。

マクダネル XV-1



 グレンコモデルから発売されていた1/32が 組み立て途中でお蔵入りになっていたので、それを、今月の特集をモチベーションに完成に持ち込みました。  下は箱絵、田園風景の空を回転ローターを回して上空に舞い上がった風情で、一見のんびりしたタッチですが、よーく見ると非常に上手な絵で精密画そのもの。細部も細かく描きこまれています。すごいです。

箱絵




製作

 精密な箱絵に対して、キットは50年代タッチでラフそのもの。プラの肉厚もものすごく厚く、子供用に強度を稼いでいるのは理解できます。
 オモチャのような合いの悪いキットをとにかく 削り合わせ、接着し、形にしてゆきます。それでも デルタのキットよりは はるかにマシです。
全体の四角形が歪まないように、長いブームの接着部を調整し、しっかりと位置を決めてから瞬間接着剤で固め、隙間をパテで埋めます。
 各部のエアインテークはドリルとやすりで自分で開けなければなりません。
スキッドは金属ピンを仕込み、しっかりと機体を支えられるように加工しました。

やっと形になりました。この形 初体験。



 エアインテークはドリルで掘り込みます。
スキッド付け根には金属ピンを仕込み、しっかりと胴体に接着し、隙間はパテ埋め。

  サフェーサーで下塗りした上に、更にガンメタリックで下塗装をしました。
精悍なこの状態でパトレーバーに出演させてみたくなりました。
ちなみに、エルロンは1mm径のガンダム用スプリング線を仕込んで、可動できるようにしてあります。 



 塗装は、グンゼ8番シルバーをムラ気味に吹き、金属感を強調しました。動翼などはガイアカラーのブライトシルバーで塗り分け、アルミのようなタッチをめざしました。
 デカールはスケールマスター製がおごられていましたが、20年くらい経っているので、マイクロフィルムを上塗りし強化してから使いました。



  1/32で大きいということもありますが 完成すると そのインパクトにとにかく圧倒されます。数年前に作ったV-22オスプレイの比ではありません。
B級SF映画に出てくるいかにもオモチャなフォルムです。「何 これっ?」といった風情で、そこにシルバーにレッドのアクセントがアンマッチですが、映えます。
「作ったもの勝ち」、まさしくそう言えるでしょうか。

尾部には赤白の調整機?が


上面から見ると 奇怪なフォルム



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