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特集 試作機、計画機、変な形 

   フォッケウルフ Fw189V6 (MPM 1/72)

by 寿




 5月号特集の「試作機、計画機、ヘンな形」に合わせて是非とも作りたかった変態ヒコーキです。 敵方からは「空飛ぶ額縁」なんてあだ名されてた偵察機、Fw189A1の対戦車バージョン機ですね。




 実機の方はヘンシェルのHs129と競作の結果、「生産性が高いのはいいけれど、お値段まで高くちゃ駄目」って理由で負けてしまった試作機だったりします。見た目に反してヒコーキとしての素性は良かったらしいんですけどねぇ。アルグスのAs410エンジンが非力に過ぎて「偵察機としては使えても攻撃機としてはちょっと」ってのもネックになったみたい。   ライバルのHs129の試作機も同じアルグスエンジンだったりするから力不足なのは同じなんだけど、Fw189の方が一回り以上デッカイもんだからずっとずっと重くって、そりゃ性能面でも見劣りしちゃいますわなぁ。




 量産機のHs129はおフランス製のノームローンエンジンに換装して、飛行性能は改善されたらしいけど、Fw189v6にも付けたらどうだったんだろう。性能面ではやっぱり負けたとしても、ちょっと見てみたかった気もします。
 
 と言う訳で色々と妄想渦巻く試作機なんですけど、実はこのキット。長らく1/72お手つき群の奧に埋没していたブツでして、翼だけ貼り付けて仮組みまではしたものの、その状態で幾星霜。こと此所にいたってよーやく陽の目を見たという幸運児、発掘珍兵器な訳なのであります。




 いや~長らくお待たせさせてしまったねぇ、きみ。購入してからかれこれ10年近く経つんでないかい?なんせ仮組みに使っていたセロテープが完全に劣化して糊だけパーツに残った挙げ句、テープ本体はカピカピのバラバラになっておったからのう。いや~、やっぱ仮組みにはマスキングテープの方が良いわ。少なくとも紙ベースなんでバラバラにはなんないし。  え、仮組みしたらとっとと作れ?あ~、いや、その・・・・社会人には社会人のオキテが、モデラーにはモデラーの理由というものがあるんすよ、はい。



 しかし月日が経つのは早いもんじゃ。買って仮組みして、もう10年。まさに光陰矢のごとし。忘れてた訳じゃないんだよ、うん。決して忘れていた訳じゃあ・・・・
 ま、まあ、何にしても、作品が出来上がるのは良いことです。
 完成品は正義、ってことで。

製作の詳細

(写真1)お手つき箱の奧からサルベージした状態。取り敢えず、劣化したセロテープの糊をはぎ取るのが先決じゃね。

(写真2) 糊をはがした後は接着面のモールド再生。筋彫りにカルコを使う人は多いけれど、わたしゃケガキ針の方が断然作業性が良いと思うのですよ。針も超鋼製で切れ味よいしね。



(写真3)簡易インジェクションとはいえ既にこの頃のMPMはモールドバツグンです。風車式ピッチ変更機構もこれこのたうり。

(写真4) 真鍮線通してペラくっつけて風力エンジン化させます。息を吹きかけただけでぶんぶん回りますぜ。


(写真5) 茶褐色でスミ入れした後は筆でざーっと下塗り。

(写真6) モールドからはみ出してる部分をリタッチ、リタッチ。



(写真7) 消えてるモールドも茶褐色で塗って修正すればあら不思議。彫り直してもないのにモールドがあるかのような雰囲気に~

(写真8)基本指定色下塗りした後に一段明度を上げた塗料で混色を作って、だーっと上塗り。うーん、こうしてみるとこの某機動戦士に出て来るザ○がまんまヒコーキになったみたいだ。



(写真9) ○ク的ヒコーキってのも捨てがたいけど心を鬼にしてスプリッター塗装にする。下地を生かしてブラックグリーンは極薄目にするのがミソ。でも塗り進めるその都度にちょっと寂しく感じるってのはホントに気のせいなの?

(写真10) 嗚呼、完成してしまった。それっぽくなったのを歓べばよいのか哀しめばよいのか。でもこの状態でも充分にオカシイから、ヘンタイヒコーキの面目躍如ってことで勘弁してやろうという気にもなる。



(写真11) 平面型です。双胴双発ってことでP38と同列の形態なんだけど、一緒にあつかっちゃあ失礼な気がするのはわたしだけ?

(写真12) 後部銃座あることで二人乗りって事がわかるけど、この拷問具のように狭いコクピットに例え背中合わせとは言え大の大人が二人も押し込まれるなんて、閉所恐怖症の人間からしてみればまさに発狂もんですな。



(写真13) 裏面は極めて平凡です。これを平凡と言えるのははやり、上面の素っ頓狂さを見ているからこそでしょうかね。

(写真14) 怪しさを追求するなら機首の識別色は無い方がよかったのかも・・・・うーん、妄想機は難しいのう。


(写真15) 正面から見るとちょびっとだけかっちょいい・・・・ような気もする。

 まあ何にせよ、基本となった機体がヘンタイ・・・・もとい、見慣れた形態から逸脱したヒコーキだったんで、その子供が輪をかけてオカシクなるのは仕方がないといったところでしょうか。
 個性抜群なのは言うまでもなし。こやつがある意味珍妙なかっちょよさを醸し出していると思うのは判官贔屓のひいき倒しってやつなんでしょうかね?
 何はともあれ個性過多な機体であることに異論はないでしょうし、「こんな機体があった方がヒコーキ業界もより愉快になっていいんでないかい」と、わたくし寿は思う次第なのでありますですよ。



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