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特集 ボマー 爆撃機

(Photo) リリーフ役の爆撃機 ビッカース・バリアント

by  コルディッツ
博物館実機写真

 ビッカース・バリアントはイギリス空軍が1950年代後半から1960年代前半に配備した、ジェット推進の戦略爆撃機です。アブロ・バルカン、ハンドレページ・ ビクターと共に第一線部隊に配属されて、「3Vクラス」の一翼を担いました。
 迎撃不可能な高空を高速で駆け抜け、アメリカ空軍に先んじてソビエト領内に水素爆弾を投下する先進的な戦略爆撃機、というイギリス空軍省の構想に アブロはデルタ翼、ハンドレページは三日月翼と先進的な設計案で臨みましたが、ビッカースは比較的に単純な高性能を期待できない設計案で応じたので一度はコンぺから漏れています。
 しかし単純さ故に、他機よりも早く実用化できる見通しを評価され、「繋ぎ」の役割で開発を認められました。結果バリアントは1951年に初飛行し、1955年に3Vで最初に部隊配置と期待に応えました。バルカンは1952年初飛行、1957年部隊配置、ビクターは初飛行1952年、部隊配置は1958年でした。
こうしてイギリス空軍は3種類の爆撃機で戦略爆撃部隊を編成しましたが、 イギリス経済が斜陽の時代に、身過ぎの贅沢品だったようです。
 バリアントは1956年のスエズ動乱時にエジプトを空爆、1957年の「グラップル作戦」でクリスマス島(現キリバス共和国)上空で、イギリス最初の水素爆弾 投下実験に成功するなど業績を上げ、空中給油や偵察にも使用されます。
しかし機体の構造疲労から3Vでは一番早く1965年に退役しています。
 コスフォードの王室空軍博物館には3Vが揃い踏みしています。バリアントXD818号機は、水素爆弾投下の実機で、当時のような「白装束」に塗装されています。また同機は爆撃型で最後の飛行をした機体でもありました。


  ビッカース・バリアントB1   XD818
 コスフォード王室空軍博物館にて                2016年4月撮影  




























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