Home  > 2017年7月号 > 博物館実車写真 > (Photo) ソ連戦車の基礎 T-54

特集 ソビエト戦車

(Photo) ソ連戦車の基礎 T-54

by  コルディッツ
博物館実車写真

 T-54戦車を知ったのは、緑商会のインスタント・タンクシリーズでした。キットは半球形砲塔のスタイルを上手く捉えていたように記憶しています。もっとも当時は戦車の形状は気にもせず、放課後に素早く組み立てて、フリクションで走らせるのに夢中でしたが(笑)
 T-54戦車は、打倒パンター戦車を目的に第二次世界大戦中に開発されたT-44戦車を発展させたものです。T-34のクリスティー式懸架装置をトーションバー式に改め、エンジンを横置きにして車体の小型化を実現し、T-34に優越する性能を持ちました。
しかし主砲は85mmのままなので実戦投入は見送られてしまいます。このT-44の車体に100mm砲を搭載に成功した車輛がT-54と命名されました。
 ソ連では以降T-54とその発展型が主力戦車として採用され、フルダ峡谷を突破し、北海道に上陸する戦車と思われていました。記憶はあやふやですが、緑商会のキットをせっせと作っていた1968年、TVでワルシャワ条約機構軍のプラハ侵攻が放映され、、自分の作ったT-54の実物が主犯役にされていたので、がっかりしたものです。


                           T-54 ?
 国立博物館正面(プラハ)にて                 2008年8月撮影
 「プラハの春」40周年を記念し、ワルシャワ条約機構軍のチェコスロバキア侵攻を再現したものです。T-54とT-55の区別に支障を感じているので、迷いに迷い、結果砲塔上にベンチレータードームがあるように見えるので T-54と分類しましたが…





戦車博物館(ムンスター)にて                2012年11月撮影
 DDR(ドイツ民主主義人民共和国)のマーク、
冷戦時代は思いもよりませんでしたが、案外イケてますね。





軍事博物館(ドレスデン)にて                 2008年8月撮影





パロラ戦車博物館(パロラ、フィンランド)にて        2003年8月撮影
 T-54/55は車体外装をカットして、展示されるものが多いようです。
T-55のカットモデルはドイツやスウェーデンにもあり、大量生産の恩恵かと。


軍事博物館(ブリュッセル)にて                2009年12月撮影
 お隣は先祖のT-34/85ですが、砲塔が半球形状になり、車高が低くなって
いる様子がうかがえます。懸架装置の改良のなせる技でしょうか。



戦車博物館(ソミュール)にて                  2016年8月撮影
 T-54の生産開始は1947年、半球形砲塔への改良は1951年なので、
ソ連の戦車開発能力の高さには驚かされます。









T-54/55
 戦車博物館(ソミュール)にて                  2016年8月撮影
 掲示板に「T-54/55」とあるだけで、入手経路も不明でした。
湾岸戦争で捕獲したものでしょうか?
 T-54/55系列はソ連ばかりではなく、中国やポーランドなどで生産された上、
68か国で採用され、96,000輌以上が生産されています。
採用国で独自の改修も行っているので。
バリエーションは無限と言ってよいのではないでしょうか。






Home >2017年7月号 > 博物館実車写真 > (Photo) ソ連戦車の基礎 T-54
Vol.107 2017 July.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
         editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集2

TOTAL PAGE