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飛行機プラモデルの製作 

 グリペンA/C (タミヤ・イタレリ 1/72)

by 寿




  ぴんぽんぱんぽ~ん。業務連絡、業務連絡。今月の寿作品は諸処の事情により過去の完成品ストック(もちろんウェブモデラーズ未発表)からのピックアップとなります。最新作でないので、ひょっとして居たかも知れない期待していた方々には深くお詫び申し上げます。
 さて、気を取り直しましてそもそも事の始まりは三年前、ハセガワ謹製ユーロファイターを作った時のこと。(ウェブモデラーズvol.75 2014年11月号掲載のヤツですね)




 このキットは同梱の武器セットにイギリス風味のヤツとドイツ風味のヤツ、二種類も入っておりました。しかも大量に。いやー、なんて太っ腹なキットなの?と小躍りしていたのもつかの間。一機種に二種類は付けられない、って事に気が付いた。じゃあどうする?どちらか片方の仕様で作るにしてももう一種類、このすんごく出来の良いミサイルを封印するのか?それしかないのか。他に選択肢は無いのか?
 悩んだ。わたしは悩んだ。生ビールのお供を枝豆にするか焼き鳥にするかっていう、残酷な二者択一のときくらい悩んだ。
 その時に天啓が!
「もう一機、この巡航ミサイルに対応したキットを作ればいいんでねぇのかい?」
 おお!それだっ。




 わたしのストックでKEPD350タウラスに対応している機体は・・・・あっ!イタレリ(タミヤ)のグリペンが在るではあ~りませんか。コレを今作らずして何時作るんじゃあ~!
 ってなわけで、急遽寿航空機工廠にこの機体の製造指示が飛んだのは言うまでもありません。
 でもしかし、キットのオプションパーツを作りたいが為に他社のキットを作るっていうのもなんだかなぁ。本末転倒というかメーカーに失礼というか・・・・まぁ、積んどくキットになるよりは余程ましということで勘弁して下さい。それにどうしても付けたかったんだよね巡航ミサイルタウラス。




 そんな訳で気を取り直して制作です。組み立て接着においてはむつかしい所は微塵もありません。デカール良質。パーツも少ないし、合い自体も標準レベルですしね(ちょびっと隙間空くところもあるけど)。プロポーションもイタレリスタンダードで極めて良好(此所とっても重要)。流石老舗のメーカー、トータルで高得点キットなのではあーりませんか?お値段も1000円以下と安いしね。(今はちょびっと値上がりしたんだっけ?何せ買ったのは10年ほど昔の話なので・・・・)
 でも、です。でもしかし!動翼部分の運河彫りだけは納得いかねー、でありますよ。マッチボックスのように開き直った全面運河掘りならまだ「そーゆースタンスなんだ」と納得できますが、前後縁フラップやエルロン、ラダーなどの動翼部分だけ運河ってのはどうよ?
 大方「動く部分なんだから、パネルラインなんかよりにクリアランスが必要であろう」という妙な美意識が作用したのでありましょうが、ちょびっとメリハリ付けすぎでしょうイタレリ様。実機だってこんなにハデにスキマ空いておりませんです、はい。

 そんな訳で運河な部分だけ(ここがミソ)瞬着さまで埋めました。ついでに主翼の前縁後縁もバリバリ削って薄くしてます。あちこち突き出てるアンテナ類も御同類。カナードと主翼の間にある整流ストレーキもプラ板で作り直してます。グリペンは全身くまなくチクチク尖っているほうが、らしいと思ったので。
 色はほぼ塗装図どおり。といいたい所ですが、指定色をベースにいつものようにトーンをあげてます。塗装レシピは以下の通り。
 下塗り(上下面):ニュートラルグレー→茶褐色スミ入れ
 上面:クレオス307→317→308→317(308がデカールと同じ色合いだったので二度目の317はボカシのみです)
 下面:クレオス325→315(実機はもっと白っぽいようなのでもっとハイトーンでも良かったかも)
 こんなところでしょうか。上面塗装で最初の307はイメージと違っていたので317で塗り直したという経緯があります。もう一度グリペン作るなら317から始めることになるでしょうね。




 今回の主役である巡航ミサイルは勿論、中近距離ミサイルもハセガワ様のユーロファイターからの流用です。いやー、出来の良いウエポンセットって付けるだけで小脇が締まって仕上がりが違って見えるよね。 でもスウェーデンとタイしか導入していない対艦ミサイルRbs15Fが余っちゃったのは逆にもったいなかったかな~


製作の詳細

(写真1) まずは魅惑のウェポン類から。下が本命の巡航ミサイルKEPD350。そして左から近距離ミサイルIRIS-T。そしてメジャーな中距離ミサイルアムラームと続きます。

(写真2) 問題の運河彫り。これを埋めずして何処を埋めると言うんじゃあ~!ま、好き好きですけどね。



(写真3) バリバリ削ってる真っ最中。

(写真4) 面の平滑と筋彫りの具合を見るために塗っては削り、塗っては削りの繰り返し。モールドや面端の手直しっつーのは一大作業じゃのう。



(写真5) ようやく形になってきたので下塗りに進みます。まぁ、サーフェイサーがキライなわたしは下塗りの塗装で兼用してるんですがね。

(写真6) 裏面はこんなもん。例によってシャドー部分は黒。カナードも薄いので透ける心配がありますけど、ベースがニュートラルグレーなんでまぁいいかな、と。



(写真7) 整流ストレーキもプラ板で新造。

(写真8) 機種の左右にあるAOAは0.5ミリの真鍮線削って新造してます。ま、雰囲気ですよ雰囲気。新造した整流ストレーキも黒で塗って透け防止。



(写真9) 裏面の上塗り(ややこしい!)はこれこのたうり。ちとグレー方面に振りすぎじゃね。でもまぁ、今回は気にしないことにする。

(写真10) 上面も余勢をかって上塗り、えいやっと。



(写真11) 茶褐色で、も一度スミ入れ。

(写真12) ぶわーっ。



(写真12) スミ入れが消えすぎたんでエナメルで手直し。うーん、うーん。つや消しにしすぎた?

(写真13) そんでも気を取り直してちまちまとエナメルを拭き取れば、なんとかこのように。トップコート吹いてデカール貼って、念願のウェポン群を。



(写真14) おお、完成じゃ。こうして見るとホント小さい機体じゃのう、グリペンは。

(写真15)しっかし、タイフーンといいグリペンといい、この機体規模でよくもまぁこんだけでっかい武装を搭載して飛べるよなぁ。技術革新もさることながらエンジンの推力がでっかいお陰なんでありましょうなぁ。二次大戦の頃には望んでも得られぬ搭載量でございますよ。


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