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飛行機プラモデルの製作

 <続「マッチにマッチ」 その6>
A-1H スカイレーダー
(フジミ 1/72)

  by 加藤 寛之




 “また今月も”の「マッチにマッチ」第6弾。今回は友人が量産しているスカイレーダーに一機加えるべく、フジミのキットを製作した。
 ホントは1/70という日本型スケールでタイヤは焼き止め、という発売から何十年も経過したキット。
そうはいっても発売当時は傑作級だったし、よく見ないと見えないくらい細かいリベットは今日のモデラーが手作業で打ったリベットとはケタ違いに繊細だ。どことなく時代感はあるが、それは持ち味。これを作らないのは惜しい。よって、この絶好の機会にマッチ風で完成させることにした。




 キットの素材色はガルグレー。マッチは2色だから、もう1色は「赤」にする。胴体の下半分、主翼の後ろ半分、水平尾翼とラダー、脚カバーと落下タンクが「赤いモールドだった」と想定して、赤く塗る。マッチの2色成形風がテーマなので、赤は塗装したことにならない。プロペラ先端は、その理屈では成り立たないのだが、カタイことはなしにしよう。
 塗装で使う色は、「タイヤブラック」と「銀」を主な2色にし、キャノピー枠のガルグレー、座席の頭あてと排気管にこげ茶をほんの少しだけ使うことにして、計4色。塗装したことにならない赤を加えても、5色だけで作る。私の72サイズ製作の平均色数からみれば、4~5分の1くらいか。




 まず、胴体。尾輪を後付けできるように加工すると、接着時に挟み込むものはない。計器盤と床板は、主翼の取り付け部の穴を使って下から接着できる。オイルクーラーもそこから挿入できるのだけれどもパーツ精度が甘く、“この辺りでイイかな”で接着する。垂直尾翼につながるフィンの頂部に丸みがありすぎなので、軽く左右から削って改善する。実機の垂直尾翼は左へ寄って・・・キットは素直に作ってある。もちろん、直さない。
 主翼は左右一体の上下分割。上反角不足は、上下面を接着した後に中央にノコを入れて上面パーツを分割、その隙間の幅だけ主翼を寄せて上反角を作る。そこを瞬間接着剤でプラ板を接着して固着させる。・・・と偉そうに書いたが、左右翼ともに先端がダレてしまっていたので、ひどく上反角不足に見える。接着前に反りを腕力で直しておいたのだが、時間とともに元に戻ってしまったようだ。“あ~ァ”と思うが、まあいいや。
 水平尾翼は特にナシ、プロペラは薄く整形した。機銃とピトー管は、キットパーツ。太いけれども、ほのぼのしてイイ感じ。




 次は、お待ちかねの塗装。まず、黒。真っ黒でなく「タイヤブラック」を使う。コックピットや、タイヤ、プロペラ、主翼付け根のステップ、エンジンの下地もこれ。胴体側面の排気汚れ隠しの黒も塗ると実機に近づくのだが、これはマッチっぽさがなくなって「実機っぽくて、やりすぎ」になりそうなので、止める。軽い汚しやメリハリも「タイヤブラック」を薄めて使っている。「銀」は、主翼前縁やプロペラ、脚の一部とエンジンの飾り塗装などに使う。プロペラ先端や脚周りの「白」を使うところも、地色のガルグレーのまま無塗装にしたが適度にシブく見えて、全然、気にならない。
 デカールはキットのもの。貼りごこちは良好なのだが、ちょっと(だいぶ)大きいみたい。垂直尾翼の機番ときたら、相当に大きい。「マッチにマッチ」にはデカールが大きいことは派手でいいことなので、大歓迎で貼る。主翼下面はパイロンが造り付けなので、ここはデカールの切り貼りで難なく終了。でも、場所によっては隣のデカールと重なってしまうので、貼るのを止めたものもある。
 デカールが乾いたら、半光沢スプレーをブワ~~と吹いて完成とする。




 6機も「マッチにマッチ」の簡単塗装風で作ったら、なんだかマトモに塗らなくてもいいんじゃないかと思うようになった。ちゃんと塗るのもよし、ちゃんと塗らなくてもいい。まあ、「多様性」というところだろう。出来上がってみれば、模型としての存在感は同じだ。楽しみ方は個人の自由なので、ゆるく、ゆる~く許容範囲を広げればよい。
 もう一機、「多様性」で作るかどうか、思案中だ。



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