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特集 積みプラを作ろう

   バウンティ号 (レベル 1/110)

by クラキン




「積みプラ」の中の「お宝」キットと言っても良いかもしれません。
レベル1/110のバウンティ号です。
「バウンティ号の反乱」という小説や映画で有名な、あのバウンティ号です。
ネットオークションで5000円で落札した中古キットですが、パーツには「1956年」の刻印があるので、何と私と同い年です。
箱には1966年の著作権マークがついているので、1966年以降に日本のグンゼあたりから発売されたものだと思われます。
箱には1000円の値札がついていました。




50年前の1000円って今の幾らくらいの価値でしょうか?
私が小学5年生頃はうどん屋できつねうどんが70円くらいだったと思うので、それから考えると70円→500円くらい、ってことは7倍くらい・・・ってことは7000円くらい?? 
かなりの高級キットですね。
勿論、現在は新品では入手不可能で、中古でもかなり入手は難しいでしょう。
色んな意味で私にとってはお宝で、しかも帆船プラモデルは作ったことが無いので、なかなか作る勇気がなかったんですが、今回思い切って作ってみました。



【バウンティ号について】

 「戦艦バウンティ号」なんて呼ばれているので、大きな戦艦を想像するかも知れませんが、実際には1780年代頃にタヒチ島から奴隷用の食料としてパンノキを西インド諸島に運ぶために、英国海軍が貨物船を買い上げて大砲を積んで軍艦に仕立て上げた「徴用船」(武装輸送船)です。
全長27.7m、全巾7.3m、排水量215トン、乗員46名ですから、大きさでは現代の大型漁船と同じくらいです。
箱絵で見ても、大きくは無い事がお判りになると思います。
映画にもなった反乱は1789年にタヒチ島でパンノキを採取して西インド諸島に向かう途中、船の指揮していたウィリアム・ブライに対して乗組員が起こした反乱です。
反乱の原因ははっきりしないようですが、寄港先のタヒチでの暮らしに慣れてしまった乗組員が過酷な航海に耐えられず、タヒチ恋しさに起こしたという説もあるようです。
(ウィキペディアで「バウンティ号の反乱」と検索すると詳しい事が書かれています。)


【キット】

 1956年、61年前のキットということで「難物」を覚悟していましたが、良い意味で裏切られました。
バリやヒケ、酷いパーティングラインは殆ど無く、ノックピン痕が無神経な位置にあるのが気になる程度です。
パーツ精度は驚くほど良く、殆ど調整することもなくピタリと合います。
パテの御厄介になるようなところはありません。




特筆すべきは、乗員のフィギュアの出来の良さです。
1/110ということで身長僅か1.6cm程の小さなフィギュアですが、顔まできとんと表現されています。
作者の塗装技術がフィギュアの出来の良さを活かしきれていないのが残念ですね。(-_-;)



【製作】

 手を加えたのは2箇所です。
ひとつは艦尾の船長室を電飾しました。
ただLEDを仕込んだのでは明る過ぎ、白過ぎで雰囲気ぶち壊しですから、

LEDにタンを塗って、更に間接照明にすることで「ほの明るいランプの雰囲気」を出したつもりです。
(殆ど判らないという説もあります・・・(笑))



もうひとつは帆です。
キットには箱絵と同じような半分畳んだ状態の帆がバキュームパーツで付いていましたが、裏側がスカスカ(写真)で使い物にならないので、
ティッシュをセールカラーに塗った物を巻いてヤードに糸で縛り付けました。
この方が余程「帆」らしく見えませんか?

裏側がスカスカのバキュームパーツの帆


ティッシュを巻いて帆を自作



 リギングは4種類の糸を使って張りましたが、どこまでやってもキリが無いので、適当なところで打ち止めにしました。 アンカーのロープは本物の麻ひもです。




 お宝キットで初めての帆船プラモデルということで緊張しながらの製作でしたが、何とか形にすることができ、帆船プラモデルにも少し自信がつきました。
製作期間2ケ月、正味の製作日数は12日程度です。
 帆船というと木製キットを思い浮かべて「敷居が高いなぁ」と思われる方が多いと思いますが、エレールやレベル、国産ならアオシマ(旧イマイ)などがプラモデルキットを出しています。
木製よりも遥かにお手軽に安価に帆船模型が楽しめますよ。




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