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飛行機プラモデルの製作

 スピットファイアMkⅤb TROP
第417飛行隊 s/n BR487 (タミヤ1/72)

by 寿




 思わず作ってしまいました、ひょっとこ顔のスピットファイア。
理由は言わずもなが映画「ダンケルク」を見ちゃったから。




 ホントは劇中で大活躍のMkⅠ、それもAウィング仕様を作りたかったんだけど手元にあったのはハセガワのナナニイMkⅠ。仕方がないので急遽コイツからMkⅤに変更です。何故ならハセガワで作るのなら扁平キャノピーの二翔ペラって決めてたから。
 だってしょーがないぢゃん。ハセガワ旧版なら当然選ぶでしょう、一文字ペラの方を。それが漢(モデラー)ってもんだ。
 てなわけでのMkⅤです。ストックもこの型が一番多いし、ひょっとこスピットも一度は作ってもみたかったので。




 しかしスマートで綺麗なスピットになんでこんな不格好な防塵フィルター付けたのかなぁ。正直理解に苦しむけど、そこがやっぱりエゲレスのエゲレスたる所以。
フィルターとしての性能は充分だったけど、空気抵抗がヒドくて速度が落ちたってところもらしい展開ですわ。ある意味期待をまったく裏切らないよね。




 しかも外国に駐屯していた整備廠が業を煮やし、空気抵抗の少ないエアフィルターを開発して付けちゃったってオチまでついてるから「ネタ出しありがとうございます」っていったところでしょうか。
「本国いったい何やってんの」てな感じで。いやぁ~オモシロエピソードに事欠かない国ですわ。




 しかし、だけどまさかもしかしてしかし。ひょっとして、暑い国仕様だから「火男」(ひょっと)ってもじった?ジョークの為なら兵士の不利益も辞さずってことなの?東洋の、しかも敵国のスラングにも精通しているってことか?うーむすげえな、エゲレス恐るべし・・・・
 って、んなわきゃないわな。それがホントだったりしたら逆に恐いよ。
 個人的には「ヘン顔している美人さん」ってことでアンバランスさと言いますか、その残念なトコロがいたく気に入っている機体なんですけどね。



製作の詳細

(写真1)いつものようにまずはコクピットから。スピットってキャノピーちっこいからてきとーに塗っても済まされるような気もするけど、一応念のため。

(写真2) 胴体貼り合わせて翼も同様に。パテが乾くまでぼけーっとしているのも何なのでペラも塗っとく。この辺りの一連の流れはもう完全に「いつものように」って定冠詞でまとまられる気がする。



(写真3) タミヤ謹製なのでパテが要らないような気もするけど、取り敢えず盛っとくってのは単純にワタクシ寿めの性格だとお考え下さい。ようは心配性なのよ。で、パーティングラインが消えたらあっという間にこの状態に。うーん、すぐに形になるというのは気持ちがよいね。パーツは清々しい程に合いがイイし。プラの材質も柔らかくて好みだし。タミヤ最高。

(写真4) いつものように茶褐色でスミ入れ。そして今回はちょっとキャノピーマスキングなどしてみました。なんちゅうか、気分?



(写真5) エイザーブルーでざーっと下塗り。いつも思うんだけど、この下面色ってどう見てもアニキャラ向きだよね。上面までこれ一色だったらまるでレーサー機ですわ。スポンサーロゴとかが似合いそう。

(写真6) 濃いサンド系の色で下塗りした後、ちょびっと薄い色で上塗り。



(写真7) 指定色はサンドとミドルアースだったけど、実機写真の色合いはもっと淡かったもんだからウッドブラウンで塗ってみますた・・・・けど、あり?ちょっと薄すぎたか。

(写真8) なので薄めたミドルアースで再度上塗り。ウッドブラウンがいい按配にバックカラーになってくれて結果オーライですわ。


(写真9) トップコート吹いて、消えかけたスミ入れをリタッチしてデカール貼って、最後に小物パーツを付けたら完成。細かいミスとかはあちこちあるけれど、「次回への課題」ってことで放置しとく。どーしても気になるようなら後日、気が向いたときにまた陳列棚から取り出して手直しすれば良いだけだし。完成ってのはあくまで区切りの一つで終着点ではないけれど、一旦は完結させておかないと際限ないですからね。

(写真10) ノーズ(トップ)アートのおねーちゃん「HUNTRESS」はいつものようにモデルカステンの「ノーズアートクイーン」から。この機体にこんな絵柄、とーぜん描かれてなんぞいません。改めて言う必要ないでしょうけど念のためw




(写真11) 今回の制作でものすごくお世話になった一枚。デルタ出版の「ミリタリーエアクラフト No.009」からの写真です。機体№やラジオコール№がまんまコレ。タミヤの塗装図もたぶんコレを参考にしていたのでワ?ノーズアートは無いけれど(当たり前だ)、機体のヨレ方や塗装のくすみ具合、リタッチの後などがよく分かる一葉です。
 こうして見ると実機って小汚いのう。右翼のラウンデルなんて退色したのか剥がれてかけているのか、ベースのミドルアースの迷彩に沿って変色してるし。ウォークウェイラインなんて影も形も無い(あるいはかすみきって写真に写らない)。機番やコール№も同梱デカールより一回り大きいし。


 やっぱキットの塗装図やデカールってのも「凡例」の一つでしかないと、そういうことなんでしょうかね。モデラーはもっと自由に作ってよいと、そんな具合に愚考する次第なのであります。
 余談ながら手前と一つ奧の機体はキャノピー開けて飛んでる(よく判別出来ないけど、多分他の列機も)。それでふと思い出したのは日本軍機の元搭乗員の証言で、「キャノピー閉めて闘った者は生き残れなかった(開けていた方が遠くまでよく見える)」っていうくだりです。空での闘いはいわゆる「見張り能力命」な訳で、「地上の警戒レーダーサイトも無いし砂塵もけっこう上空まで舞い上がったという記事もあったし、ああイギリスでもアフリカじゃそうだったのかなぁ」なんて思ったりなんかして。
 とは言え、この一枚も戦闘行動中じゃないときに撮したのでしょうから、一概には言えませんけどねw


デルタ出版「ミリタリーエアクラフト No.009」より引用



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