Home  >懐かしのB級キット(第17回) カーチスP-36A(アオシマ 1/72) <飛行機プラモデル製作< 2018年2月号 

特集 1/72 ファイター

懐かしのB級キット(第17回) 
カーチスP-36A(アオシマ 1/72)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi



  玩具から始まったプラモデルが ギミック路線か、それとも 全く動かないけれども精密なモデルの方向に行くか メーカーによって多様性に溢れていたのが 1960年台でした。
 当時から、精密というには?がつくけれども ギミックが面白いプラモデルを日本メーカーが多く発売していました。エルロン、方向舵可動は当たり前、というか それが当たり前のトレンドの時代だったともいえます。
 学校前の文具店でプラモデルが売られていることも多く、箱絵が魅力的でショーウインドーに釘付けになり、学校帰りに店の前の道路で座り込んで、プラモを作った経験のある読者も多いはず。小学生の遊びの一部として当たり前にプラモデルがあり、今からは想像も出来ないプラモ黄金時代だったと思います。

 
 金型精度が追いつかず、可動部がガタガタで、細かいディテールは?が二つくらいつくが、デッサンはなんとなく実機の雰囲気を再現しているという今でも捨てがたいキットが多くありました。既に絶版になっているものが多いのですが、幸い、その中には今でも生き残って現役のプラモキットもあります。

 このシリーズは そんな 懐かしいB級キットを取り上げて行こうという連載です。形状とか デイテールを求めるならば、後発の決定版を購入すればいいわけで、ディテールの修正などをせず、オリジナルの雰囲気を壊さず、完成を目指したいと思います。

 
 今回の「懐かしのB級キット」で、取り上げるのは 青島のカーチスP-36 米陸軍戦闘機です。

箱絵



 今月登場するのは アオシマの1/72 カーチスP-36A戦闘機です。
1960年代初出の1/72シリーズの一機ですが、初めて文具店のショーウインドーで見た時は目立つそのド派手な箱絵にびっくりしました。当時はプラモデルの黎明期だったので、目立つような箱絵には慣れっこだったのですが、それでもこの塗装ときたら、「またまたいいかげんな塗装で」という印象でした。
 このカラフルな塗装がフェイクではなく、正しいものだと知ったのは、1970年代の航空ファンにレベル郡是が72ファイターシリーズ広告で掲載した塗装図とカラー実機写真からでした。

 さて、肝心のアオシマP-36のプラモデルの内容ですが、部品点数24点、エルロンとフラップ、キャノピーが可動するのみという当時としては、おとなしいものでした。
 外形については、当時のプラモデルガイドの評では、既に発売されていたモノグラムP-36A、レベルP-36と比べると雲泥の差と厳しい評価でした。
 
 果たして、今回 完成してみると、確かに実機に似ているかどうかという尺度ではP-36に見える程度というフォルムです。
 それでも初出は1960年代後半のことですので、この程度が当時のアオシマには限界で、よく頑張ったといえるのではないでしょうか。
 アイテムとしては、その後、日本他社から発売されておらず、アオシマキットが今に至るも「国産キットでは唯一もの」となっています。マイナーな機種をモデル化したアオシマの勇気を賞するべきかもしれません。
今回も 古いアオシマの雰囲気に思いを馳せ、追体験をお楽しみいただければ幸いです。


製作

 部品は24点と少なく、可動部も少ないので、あっというまに完成しそうです。
表面ディテールは軽く凸ラインで入っているのみで、ほとんどありません。

全部品



1)胴体は左右を接着し、エンジンと一体成型のカウリングを接着すれば完了です。 2)主翼上下を接着します。エルロンとフラップは別部品になっていますので、エルロンにはガンダム用細スプリングを仕込んで可動とし、フラップは固定しました。


3)胴体に主翼を接着します。上半角をつけるため、マスキングテープでひっぱりあげ、瞬間接着剤で固めました。
4)水平尾翼を接着すると飛行機の形の完成です。

塗装

 キット付属のデカールが死んでいましたので、レベル72P-36から流用しました。従って、前述のグンゼレベルのカラー塗装図を参考に上面オリーブドラブを筆塗しました。下面はニュートラルグレーとしました。
風防は分厚いので、クリアーを塗った後、マスキングして枠を塗装すると見られるようになりました。
デカール保護を兼ねてつやけしクリアを吹いて塗装は完了です。




プロペラなど

 プロペラ機のポイントはやはりプロペラですので、プロペラだけは厚さを半分くらいに削り、ブレードの形を整えプロペラらしくしました。主脚扉とタイヤはそれなりの形をしていました。
主翼機銃はしんちゅうパイプで追加。異様に長い銃身が強そうですが、まるでフェイクですね。


完成

 これで 見事完成です。ずんぐりとしたスタイルは想像どおりでこんなもんでしょう。可動風防が分厚いためスマート感が無く、ごつい感じです。
それでもなんとかP-36には見えるようです。

また B級コレクションに一機加わりました。おつきあいいただき ありがとうございました。





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