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特集 フジミ

ベルUH-1Bイロコイス (フジミ 1/50)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi




 フジミ特集をモチベーションに、ベルUH-1Bイロコイスを完成させました。1960年代半ばリリースのフジミヘリコプタシリーズの記念すべき最初のキットで,本格的なヘリコプターモデルとしては日本で初めてのキットというべきものです。
 キットの中身は 今ではよく知られているようにモノグラムの旧版UH-1Aを参考にしています。そのため、プロポーションも良く仕上がっていましたが、UH-1Bといいながら、UH-1Aの特徴も入り混じっていました。
 以後、パッケージを変えながら再販されていて、最新のキットはブラックバニー版で、模型店の棚の常連になっていますので、完成させたモデラーも多かったことと思います。
 このフジミ1/50ベルUH-1Bイロコイスの製作記事が商業誌に掲載されたのは50年前のいにしえのモデルアート1967年5月号(第4集)で、それ以後、商業誌で見かけておりません。
今回の製作記事が実に50年ぶりの登場となるのかもしれませんね。


素晴らしいタッチで描かれているボックスアート

 今回作ったのはヤフオクで入手した第2期のボックスアートのもので 1/48表記となっています。最初のリリースの時は1/50表記でしたが、コピー元のモノグラムが1/48ですから、ちょうどいい具合に戻った?といえるのかもしれません。 
 このキットの素晴らしさの一つはこの実感あふれるボックスアートにあると感じます。 また、キットでは表現が不十分な ローターや天井アンテナ、ミサイル弾架の部分も非常に正確に描かれており、資料としても追加工作には大変参考になります。
 いにしえのキットゆえ 大味な部分があり、コクピットは計器板もありません。ここはそのままで、許容範囲広く完成をめざすこととし、箱絵を見ながら、ローター基部と、ミサイル架、天井のアンテナなど外から見える部分のみ追加工作をすることにしました。
 また、こういった開口扉の大きいヘリのプラモの塗装は、吹き付けをしようとすると吹き込みを防止するためのマスキングが大変なので、やさしい筆塗でキットデカールのアメリカ陸軍機としました。


製作

 昭和の1960年代キットゆえ、部品点数も少なく、表面には浮き出しでリベットがちょうど良く表現されています。繊細なモールドで定評のあるフジミの面目躍如といった所で、ヘリモデルはやはり このリベットが有ると無いとでは実感に大きな違いがあります。
コクピット部品は昨今のキットに比較すると簡単な構成ですが、座席の他、パイロットも2名付属しています。

胴体部品 コクピット、ローターなど


 コクピットにはシートベルトを板鉛で追加しました。計器板が省略されていて、センターコンソールだけあるという不思議な構成です。 全体を艶をしっかり消したグレーで塗り、シートクッションはフィールドグリーンとしました。



胴体の内部もグレーで塗っておきます。


胴体を接着。エンジンがないので、エンジン排気口まで素通しなのが、つらい。



 黄色のセロテープで透明部品をしっかりとマスキングし、透明窓と胴体との隙間はパテで埋めて修正しました。
塗装は、Mr.カラーのNo.38オリーブドラブに艶消し剤をたっぷり入れて 筆塗しています。




 劣化したデカールは熱湯につけ糊を強引に剥がして、なんとか使いました。




 ミサイル架は箱絵では補助支柱も見事に描かれていますので、これを参考にプラ棒で追加しました。
ドアの開閉を妨げないような構造になっています。




 ミサイル架の斜めの張り線は金属線を用いて、補助支柱との接合部はシンチュウ板をUの字に曲げて接着しただけですが、塗装すると一見、実感たっぷりに見えます。   ミサイルは箱絵では弾頭が派手に青く塗られていてアイポイントになっています。Mr.カラーGXシリーズのブルーを使い、訓練用のキャプティブ弾としました。






 ローター基部は、キットでは初期のA型の形態になっていますので、これも箱絵や実機写真をみながら プラ板と金属線で追加工作しました。
ローター軸根本の方も実機は複雑な構造になっているようなのですが、あっさりとパスしました。



キットの部品は下のごとくなので、上写真のように作り変えました。


 特徴的な機首の2本のアンテナはしんちゅうパイプや0.3mmのステンレスバネ線で置きかえました。
シンチュウパイプに0.3mmの孔を開けるのは大変なので、孔を開けやすいプラランナーを削ってアンテナ基部を作ります。




 天井のアンテナブレードは大きいのでぜひ追加したい部分ですが、アンテナブレードだけでなく、アンテナ基部もプラ板で作ると 実感が高くなります。
尾部のアンテナもシャープにしたくて金属線で作りなおしました。
エンジンの排気口はプラスチックの筆の筒を切って追加しました。



エンジン排気口もパイプで追加します。

完成

 これで 完成です。スタイルは想像していたよりもよく、いい感じです。さすがフジミであります。
 出現は50年前の骨董品的なキットとはいえ、現行製品として生き残っているには、それなりの理由があるはず。それを感じることができました。





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