Home  >歴代スカイライン8連作<車プラモデル製作<2018年5月号

特集 CARモデル

歴代スカイライン8連作

by Ono

MACのカーモデル専門 Onoです。
 2017年、スカイラインはブランド誕生60周年を迎えました。
世の若者がクルマに夢中だった70~90年代、僕も例にもれず新型車が出る度に一喜一憂していました。特にスカイラインはファンの一人として、その変遷を子供の頃から関心を持って見てきました。
最近はすっかりそのブランドの威光も過去のものとなってしまいました(悲しいですが、現状は同じような歴史を持つクラウンと比べると否定できない事実だと思います・・・。)
が、スポーティーな国産車の雄として名を馳せた歴代スカイラインは、模型では今だ一、二を争う人気の車種と言って過言ではないでしょう。歴代ではS54~V35までが模型化されています。
 そんな流れがあって、ここ1~2年は歴代スカイラインを1台ずつ形にするという目標に向かって製作してきました。全国の皆様の超絶レベルからすれば初心者と同等の愚作ばかりではありますが、比較的ミリタリー物の多いこのマガジンのカーモデル特集ということで、請謁ですが皆様の目前に晒す決意をいたしました。


 GC10型(マルイ スカイライン2ドアハードトップ2000GT 昭和45年式)


 僕が生まれた年にデビューした通称「箱スカ」2ドア。スカイラインは歴代レースでのエピソードが豊富なクルマですが、GT-Rの回頭性向上を狙って4ドアのホイールベースを短縮して誕生したのがこの2ドア。そのベースモデルとなります。 作品はマルイ製をベースにサーフラインを再生。グリルもプラ板積層により初期型を再現しています。ホイールはフジミS30フェアレディZのものをベースに修正して「箱スカ用らしく」しました。ちなみに、全く同じベース、手法で仕上げた作品が某模型雑誌のコンテストで入賞していたのを見たときは、正直地団駄を踏みました(笑)。


GC111(アオシマ スカイライン2ドアハードトップ2000GTX-E・S 昭和51年式)


 もっとも売れたといわれる通称「ケンメリ」。最近になって、アオシマから正しい造形の前期/後期のグリルと新規リアテールパネルが新規金型により追加され、一緒に前期は純正ホイールキャップ、後期は純正アルミホイールが追加され、年代とディティールが完全に一致したフルノーマル車を製作できるようになりました。 作品は後期のストレート組ですが、前期のままとなっている細かい個所を修正し、車高をアップさせてラインオフしたばかりの姿を再現しました。


 GC211(アオシマ スカイライン4ドア2000GT-E・Sターボ 昭和55年式)


 排ガス規制によりハイパワーユニットが当初ラインアップに存在しなかった通称「ジャパン」。某社のクーペに「名ばかりのGT」と揶揄され、それに奮起したからなのかは知りませんが(笑)、3年目の小変更で当時の最新技術「ターボチャージャー」を付加したL20エンジンを搭載し、「スカG」の名に恥じない走りを手に入れることとなりました。顔も当時の流行だった「角形異形」ヘッドライトを採用し、ぐっと都会的なスタイルになりました。
作品はアオシマ製ですが、モーターライズキットとしての弊害があちこちに出てしまっていて、なんとなく「似ていない」と評判のキットなんですが、実車観察や資料画像から自分なりにおかしなポイントを割り出し、あちこち切り刻んでプロポーション修正を加えました。ここ最近で最も手が掛かった作品であり、いろいろ勉強にもなった自信作です。


R30(ニチモ スカイライン2ドアRSターボ 昭和58年式)


 CMキャラクターにあのポール・ニューマン氏を採用した通称「R30」。「愛スカ」という人もいたようです。ジャパンから一転、ウェッジシェイプのクリーンなスタイルは、新時代の箱スカを提唱したとも言われています。 作品は、古のニチモのキット。実車より幅広でモールドも甘く、それなりの出来のキットですが、このキットは実物でも貴重な通称「マンホールホイール」が付属していて、これを履かせたくて子供の頃の作品をレストアしました。ディティールアップとしてライトの反射板を自作しましたが、当時はまだ出戻って経験が浅かったため、綺麗に作れていません。いつかリベンジしたいところです。


R31(フジミ スカイライン2ドアスポーツクーペGTS-Xターボ 昭和61年式)


 通称「セブンス」は、R30のスタイルを引き継ぎつつ、待望の6気筒DOHCエンジンを搭載しハイパワー化を一層推し進める一方、時代の流れに乗って一度は大型化・高級化路線にシフトしますが、コアなファンや評論家からの大バッシングを浴び、1年経つ頃には再びスポーティー路線へと回帰。その旗艦として登場したのが2ドアスポーツクーペでした。 作品は高校生の頃製作していたものをレストアしたものですが、篏合の悪いパーツ類、浅く曖昧なモールドはボディの左右で違っている、名物板シャシーを使用しているため内装が下から丸見え+ボディ内側に納まらないなど、とにかく難物キットでした。今度、ハセガワから決定版が出ることになっていますが、このキットはどうなるのでしょう・・・。行く末が心配です。


R32(フジミ スカイライン2ドアスポーツクーペGTS-tタイプM 平成元年式)


 バブル景気下で開発された贅沢なメカニズムを持つ通称「超感覚」。満を持して「GT-R」が復活したことでも有名なモデルで、いまだに歴代最高のスカイラインといわれています。
作品は敢えてGT-Rでなく、新車デビューとほぼ同時に出たフジミ製のGTSを出してみました。簡素な構成ながらスタイルはまさにR32スカイラインで、ヘッドライトパーツの篏合の悪いところを除けば、初心者からベテランまで作りやすい良キットです。


R33(フジミ スカラインGT-R 平成6年式)


 ベースモデルのR33がモデルチェンジした後も、GT-Rだけは先代のR32が継続販売されていましたが、約1年後にR33のGT-Rが登場。基本メカニズムはR32からの継続ですが、より電子制御技術が統合化され、ニュルブルクリンクでR32より21秒タイムを縮めたことから、CMでは「マイナス21秒ロマン」のキャッチコピーが使われていました。
作品は出戻り初期のもので、シャシーが前後ともシャフト接続という簡素な設計である代わりに、ミッドナイトパープルMという複雑怪奇なボディカラーの再現に注力した作品です。ヘッドライトがあろうことかモールド再現でリアリティに欠けるため、くり抜いてクリアパーツ挿入+反射板を自作しました。少しは「眼力」がついたはず?です(笑)。R33はタミヤからも発売されていますが、実車に近いボディサイズで表現しているフジミ、デフォルメを効かせて模型映えするタミヤと、それぞれ特徴があるようです。次はタミヤベースにエンジンを搭載して後期型にチャレンジしたいです。


R34(フジミ スカイライン2ドアクーペGT25t 平成13年式)


 直列6気筒エンジン搭載の純血スカイラインの最終モデル。R33で大きくなり過ぎたボディを再びシェイプし、強靭化と軽量化を推し進めて「ドライビングボディ」と銘打ち、骨格の強さから生まれる走りの良さをアピールしていました。しかし、排ガス規制やらメーカーの販売不振によるハード面の整理統合のあおりを受け、わずか3年ちょっとで生産中止となりました。
 
作品はストレートに作った場合「コレジャナイ」感が強いものとなるため、他社のパーツを流用しながら徹底的に「実車に似せる」ことを目標に作業を進めました。大きな改良点はボディの一部を鬼目やすりで徹底的に削り込み、また一部切り離したり切り込みを入れたりして高さや幅を変えています。さらにヘッドライトはアオシマ製R34の反射板を流用して「眼力」を格段にアップさせています。最後に、ホイールが小さい(実車は17インチのところ、16インチ相当しかない)ので、フジミ製R34GT-R純正ホイールのリム部分だけを使用し、元々のホイールのスポークを移植して所謂「リバレル」を行い、大径化しました。これだけでも相当なルックスアップになります。

 以上、10年以上前の作品から最新作まで、歴代順にご覧に入れました。
 たぶん、これからも僕はスカイラインを作り続けていくと思います。いまだに(R34以前の)実車を所有する夢も捨てていませんので、少なくともそれが実現するまでは、1/24の世界で思いを昇華させていくことでしょう。

 お目汚し、失礼いたしました。



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