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特集 メッサーVS飛燕

飛燕(レベル 1/72)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi




 レベルから1964年に発売されたいにしえの飛燕キットを遂に完成させました。下北沢のサニーでドイツレベルからまだ現役で発売されているのを見つけ 買って帰ったのは昨年のこと。最近の現役キットゆえ244戦隊の発色の良いGOODなデカールが付属しています。これで800円くらいとは今時、お安いです。
 昔のプラモガイドに掲載されていた写真ではキャノピーの前下部が胴体に異様に食い込んでいて妙な形をしており、敬遠していました。
 しかし、モデルアート飛行機スペシャルNo.7に掲載された加藤氏の素晴らしい完成機では、キャノピーの下枠を塗りこんで浅く見せてうまく作ってあり、そんな風に作ればいいのかと判り、一度作ってみたいと思っていました。

現在のドイツレベル版のボックスアート 素晴らしいタッチです。



プラモガイド1972年春期号 89ページから転載
キャノピーの前下部が胴体に異様に食い込んでいて妙な形状になっている。

胴体に食い込んでいたキャノピー前部下枠を塗りつぶしたら、ボックスアートのような それらしい飛燕の形に。



 レベルの72飛燕は プラモデル黎明期のファイターシリーズの一機です。形状的な欠点としては機首が細いのですが、見る角度によってはあまり目立ちません。また、エンジンカバーが出過ぎで、カバー前部がスピンナーにめがけて、丸く落ちたような変な形状ですが、ここは少し削って修正しています。また、上反角は組み立て時に修正ができます。
 リベットがごつい、主脚が太い、尾輪が小さい、スピンナーの形が今二つ、プロペラが厚いなどなど、あげつらうと欠点は多々 あり、日本でも完成まで持ち込んだ人はどのくらいいたのでしょうか。
ここは「完成した者勝ち」という気がします。


製作


 部品点数も少なく、簡単に製作できそうですが、1960年代初頭設計のキットで金型が古いため、甘いモールドで部品の合いが今一つで、各部にヒケやくぼみがあり、修正をしながら製作を進めます。 胴体にはごく簡単な座席があります。また、機体全面にびっしりと凸リベットが彫刻されているので、一手間かけても、ぜひともこの凸リベットを生かして完成を目指すことにします。

部品は下で全て。昭和のプラモデルの雰囲気がただよいます。
デカールだけ最近のもので、時代的な違和感が。


胴体にはびっしりと凸リベットが彫刻されていて 簡単な座席があります。


座席を組み込んだら、プロペラの回転軸と、尾輪をはさんで、胴体の左右を接着します。


上反角が足らないので、胴体と主翼上面の接着部を削り、しっかりと上反角をつけます。
胴体上面の機関砲口が甘いモールドでオーバーです



 胴体上面機関砲口をパテで埋め、また、所々にヒケや、くぼみが散見されますから、丁寧にパテ埋めして、整形します。
びっしりと打たれた凸リベットをつぶすと「もったいない」ので、ペーパーで整形時には周囲をマスキングテープで囲い養生して 作業します。


パテ埋め整形後に、機関砲口をドリルであけ直します。



 244戦隊の塗装は、尾翼赤と機首の黒つやけしを先に塗り、機体全面のシルバーを塗ります。
 斑点迷彩は面相筆で筆塗しました。
 キャノピー前部はシルバー塗装で下枠の位置をごまかしています。




 これで、デカールを貼ると あら不思議、箱絵のようにそれらしい飛燕に見えます。  「作った人勝ち」のキットでしょう。




 ストレートに作っているので、主脚も太く、タミヤの最新72飛燕には比べようもありませんが、ちゃんと飛燕に見えます。
半世紀前のキットとしては、なかなかのものではないでしょうか。






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