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飛行機プラモデルの製作

   F-100D スーパーセイバー (タカラ1/100)
(初版1982年?価格500円)

  by 出戻 十三浪  Demodori Tomio




  80年代の頭、「エリア88」(新谷かおる)という空戦?漫画が大人気で、アニメ誌「ファンロード」では登場する飛行機をプラモで再現する記事が載っていた。中でも感激したのはハセガワのF-5AからF-20(主人公風間真の2代目のヒーローメカ)をデッチアップした作例で、プラモマニア的には”無理矢理単発にしただけじゃねえか”だけど「ワシは”シンのタイガーシャーク”が欲しいんじゃあ!!」という熱情に圧倒されました。

 そのファンの熱情に応え1/100エリア88シリーズ(全10作)を出したのは、ダグラムやボトムズのプラモで超新星的輝きを放っていた「タカラ」でした。この時期のタカラは一方ではグンゼ産業に代って「タカラ・レベル」をやり、ホビー誌「デュアルマガジン」を発行して玩具メーカーの枠を打ち破りつつあったのです。
 で、この1/100シリーズに刺激されて「ベンホビー」がタミヤのミニジェットシリーズを再販したばかりか、F-15の新作を出していました。


 エリパチシリーズは、その後レベルから新デカールで発売されたのち、金型は中国に流れ、バンダイ1/48「電撃機甲師団」シリーズ共々、彼の地の膨大なモデラー群を産み出し、今日のプラモ超大国中国の礎を築いたのです! 
 キットは大変シャープなモールドで合いも良いです。説明書はカラー印刷。玩具メーカーらしく、1/24のキャラクターフィギュア、1/100の整備員と爆弾やミサイルを運ぶ台車がセットされ、また飛行場が箱裏に印刷されてこれらを並べて遊べるようになっていました。スタンドも付属しています。




デカールは、エリア88のミッキー・サイモン機と米空軍機の2種。更に、キャラクターの個人マークのシールも付いていました。
 でも、模型誌を定期購読しているようなモデラーとしてはオマケを減らして値段を下げて欲しかった。500円あれば大滝の48が買えたんじゃないかな?
 キットをいつどこで買ったのかはもう思い出せない。80年代、今は亡きナカマ模型か、「えんどう」辺りのバーゲンかな。

実機について

  スーパーセイバーというくらいで、下敷きはF-86セイバーということになります。

(F-86F)



 セイバーは45年から開発が始まり47年に初飛行したのですが、49年にはセイバー45
(アフターバーナー装備のF-86Dの主翼後退角を35度から45度に増したものが下敷き)が構想されました。

(F-86D)



 しかし音速を越えられない設計のため、51年に超音速機として設計し直して開発されたのがF-100です。86DのJ47ジェットエンジンの推力はAB使用でも3.4tですが、F-100が装備したJ57の推力は7t前後と倍でした。
これでエリアルール適用前の抵抗の大きい機体を無理やり引っ張ってマッハ1.3前後を達成したのでした(初飛行53年)。



 同じJ57装備でも初飛行が57年のF-8クルーセイダーはマッハ1.7ですからこの間の空力やインテーク周りの設計の進歩の大きさに驚かされます。
 F-100は戦闘機と分類されていますが、当時の米軍機の常で主目的は核攻撃でした。
 米ソが全面核戦争の臨戦態勢にあった53年、米空軍は早くもF-100の発達型を要求、54年にF-107ウルトラセイバー超音速戦闘核爆撃機として開発されました。しかしF-105との競争に敗れ、F-107がP-51やF-86で一時代を築いたノースアメリカン社の最後の戦闘機になってしまいました。

キットの製作

  操縦席は簡素ですが、付属の飛行士を乗せて照準器の反射板を極薄透明プラ板で付けてやれば十分でしょう。シートの後に与圧関係の何かがあるのでプラ片で表現しました。
 胴体の合わせは良好ですが、接着の前に錘を忘れずに。
 風防は前後の合いが悪いので調整が必要です。風防正面は防弾ガラスなので薄めたクリアーブルーを裏から塗って厚みを表現します。例によってコーティングポリマーとMrワックスを塗って磨いて透明度をアップさせました。
 インテークのパーツはそのまま取り付けましたが奥行きがあまりないので底を抜いてプラペーパーを漏斗状に丸めた物でも突っ込んでおくと良かったかな。
 主翼と胴体の合わせも良いです。
 主翼上面の境界層板が単純な四角にモールドされていますが、実際は後端が内側に切れ込んでいますので加工します。プラ板細工でも良いでしょう。
 サボってしまいましたが、機首下面に着陸灯があるので裏を銀で塗ったウェーブのレンズセットか透明ランナーで再現すると良いです。
 脚周りは鉛の細い線でブレーキパイプを表現しました。機首の長大なピトー管は真鍮パイプと真鍮線で自作して置き換えました。
 ミサイルや爆弾、増槽は整形してシャープに仕上げます。サイドワインダーのラインはハセガワウェポンセットのデカールを刻んで使用。




 翼と胴を接着・整形したところで、タミヤのプラサフをスプレーしたら見事な艶消しというかザラザラに!1000番の耐水ペーパーで磨きました。
 銀を全体に吹き、主翼前縁などには黒でトーンを変えた銀を塗りました。おおくらとしおさんがMAで”水性クリアーにトーンを付けたものを薄めて筆塗すると、無塗装銀のトーン付けが楽勝。マスクするまでも無いヨ”と紹介して下さっていたのでマネっ子したのですが、上手く出来ず、断念。
 F-100と言えば胴体後部の焼け表現ですが、周りをマスクした後、エアブラシで焼鉄色をムラになるように吹いただけ。画家力があれば青・橙・緑・紫のクリアーで焼け表現したいところ。タミヤのウェザリングマスターに焼け表現できるセットもあるのでいつか試したい。




 マーキングは付属デカールの米空軍第510戦闘飛行隊。コブラも機首の紫のチェッカーも部隊章も非常にカッコいいですね。昔のモノグラム48のマーキングもコレではなかったか?

 デカールの印刷と貼り心地は良いです。クレオスのデカール軟化剤も効きます。が、赤いタービンラインが胴体後部の立体を十分に反映した印刷ではなく、アレコレ弄っている間にダメにしてしまったので、汎用デカールから赤ラインを投入。でも、ちょっと太すぎました(嘆)




 脚周りや兵装を取り付けたら、CMKの翼端灯セットより翼端灯を表現。垂直尾翼のレーダー警戒装置?のバルジ末端にウェーブのレンズセットより尾灯を表現しました。
 エリパチシリーズはF-8、Yak-38、Mig-23/27等、まだいくつか持っているのでまた組んでみたいですね。






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