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(Photo) モーリス・ファルマン MF.7/MF.11

by  コルディッツ
博物館実機写真

 1914年10月31日から11月7日にかけての青島要塞攻略戦は、帝国陸軍の行った数々の戦闘の中でも珍しい、火力、補給、偵察を十分に配慮した近代的な物量戦でした。
 青島戦は日露戦争と第二次世界大戦に挟まれた時期で、日本軍の損害は少なかったことからか目立たず、私も見過ごしていましたが、最新技術の飛行機が軍事用途に投入され、攻略後のドイツ軍捕虜の取り扱いも人道的で、帝国陸軍最盛期の頂点のようにも思えます。(「未完のファシズム」片山杜秀著 新潮選書を参考にしました)
 青島での空軍力は、帝国海軍が水上機母艦「若宮」を派遣し、モーリス・ファルマン式複葉水上機での空爆は有名ですが、帝国陸軍もモーリス・ファルマン式二型とニューポールNG型単葉機を派遣、偵察、空爆を実施しています。対するドイツ軍はタウベ単葉機が1機だけあり、偵察に大活躍しました。そこでタウベ機退治に10月13日、陸海軍は迎撃戦を挑みますが、機動性の良いタウベ機を捕捉出来ませんでした。さらに陸軍は高射砲を設置し、10月30日に偵察に飛来したタウベ機を砲撃し退散させました。
 日本軍の使用したモーリス・ファルマン式複葉機は、モーリス・ファルマンMF.7のようですが、現存機は3機で、パリ、アテネ、オスロにあり、このうちオスロは未見です。青島攻略戦の写真を見ると、胴体はないようで、アテネの機体が似ているようです。


  モーリス・ファルマン MF.7
 戦争博物館(アテネ)にて      2006年12月撮影 


 発動機ハツドウキとプロペラのけが異色イショクでした。      



  モーリス・ファルマン MF.7  15
 航空宇宙博物館(ル・ブルジェ、パリ郊外)にて 2016年8月撮影











  モーリス・ファルマン MF.11
 カナダ航空博物館(オタワ)にて     2004年8月撮影
 MF.7の発展型で、先尾翼を廃し水平尾翼を単葉化、発動機を強化しました。
 帝国陸軍はモ式四型偵察機として採用、所沢飛行場で量産しています。



 モーリス・ファルマン MF.11
 軍事博物館(ブリュッセル)にて     2009年12月撮影     



  1/25モデル    モ式六型偵察機
 あいち航空ミュージアム(豊山町、愛知県)にて 2017年12月撮影
 モ式四型偵察機の発動機を、国産化したダ式六型に換装した機体です。



 エトリッヒ・タウベ
 技術博物館(ウィーン)にて      2016年12月撮影
 青島戦でタウベ機退治に、陸軍は民間のタウベ機を徴用しましたが、間に合いませんでした。500機余りの生産機の中で、オリジナル現存機は当機体だけのようです。 


 おまけ    板東俘虜収容所跡
 板東俘虜収容所跡(鳴門市)にて   2015年9月撮影
 ドイツ軍捕虜1,000年名を収容。人道的な処遇で有名です。 



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