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誌上個展

 ハインケルHe112B (RSモデル 1/72)

  by Nobunaga

 ハインケル博士の叶わぬ夢。もしドイツ空軍がメッサーシュミットBf109でなくこのハインケル112Bを採用していたらどんな発展をしたのだろうかと考えるのも一興



   1935年に完成した原型機は、ライバル機であるBf109に 劣ると判断され不採用となったが、ハインケル社では全金属製逆ガル単葉主翼の近代的な当機設計 案を捨てることができず、改良を続けることにした。改良を続けるうちに初期原型機からかけ離れ たスタイルの機体になっていったが、性能は向上しBf109の初期型に劣らぬ機体へと発展した。 しかし航空省はBf109の量産を決定していたため、ドイツ空軍にHe112は採用されず、ハ インケル社では改良型を輸出用戦闘機として販売することになった。
 軽量化された原型9号機(V9)をベースにしたB型を最初に輸入したのは日本海軍で、193 8年に中国大陸で使用する陸上戦闘機として12機(うち2機はA-0型。契約は30機だが12 機が先に引き渡された)を調達した。ところが最高速度こそ日本海軍の新鋭機 九六式艦上戦闘機より 速かったものの運動性能が劣っており、格闘戦を重視する日本軍の思想に合わなかったため前線任 務へ投入されずに終わり、残りの18機は引き渡しの遅れもあってキャンセルされている。
 他の輸出用機体は内戦中のスペイン(日本がキャンセルした機体も含む)に送られ、ドイツ義勇 軍(コンドル軍団)やフランコ軍に使用された。またルーマニアやハンガリーにも少数機が輸出さ れているが、最終的な生産数は100機程度で、輸出機としても成功作とは言い難いものとなった。
*機体解説はウエブサイト「KEYのミリタリーなページ」から引用させていただきました。

 作例の5●54はナショナリスト(反乱軍側)の機体で内戦終結直前の1939年3月28日にポリカルポフI-16を撃墜しています。●の中の図柄は5本の矢とくびき(首枷)でファランへ党(ナチス党のようなもの)の党章です。征服と服従のシンボルとしてスペイン国旗などで古くから使われていました。

 キットはレジンやエッチングパーツが付かない割には値段は高めですね。見た目悪くないのでこれならすぐ完成だと取りかかったもののキャノピーは厚みが1ミリもある上に曇っている。おまけに機体にフィットしないのは一目で分かるぞ。こりゃジョイフルキットだ。喜んでお作りしましょう!



 動翼の切り離しは尾翼のラダーと水平尾翼だけにして、問題のキャノピーは胴体貼り合わせの後エッチングソーで切断して第2風防は切り離して、キャノピー周りに溝を掘って第Ⅰ、第3風防をしっかりと固定。カンナ掛けと180番ペーパーでガリガリ削ります。厚みが1ミリもあるので遠慮なしです。



  次に胴体と主翼の合体です。主翼フィレット部に結構な段差があって主翼側を削りながら間にプラ板を挟んで段差をなだらかにします。第2風防は塩ビ板を絞って作り、後方にスライドさせました。小さな乗降ドアも開けました。風防内側をうっかり汚してしまいました。



主脚柱は長過ぎる気がしたので1ミリほど詰めました。車輪カバーは大き過ぎて違和感があるのでかなり成形しました。



後ろから見ると軽い逆ガル翼のプロポーションは戦闘機とは思えないほど美しく見えます。短い楕円翼と長い直線の水平尾翼のアンバランス。ただ者じゃないぞハインケル博士。


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