Home > A-26C インベーダー改造消防機(プラッツ 1/144) < 飛行機プラモデルの製作<2019年3月号

特集 レスキュー

A-26C インベーダー改造消防機 Tanker #83
(Flick aviation社所属機)オレゴン州1960年 
(プラッツ 1/144)

by 寿



 高速爆撃機だったインベーダーを改造した消防機、いわゆるファイアボマーであります。
エアタンカーとかウォーターボマーとも呼ばれてるみたいだけど、どの呼び方が一般的なんだろ。個人的にはファイアボマーの方が好き。



   日本なんかじゃバケツ下げた消防ヘリが主体であんまり馴染みのない機体ではありますが、広大な国土を有するアメリカとかカナダとかじゃ割とポピュラーな存在みたい。ロシアも確か何機か持ってたな。そら森林火災とかじゃ被災面積が広大で消防車なんかじゃ手に負えませんわな。
山火事じゃあもっぱら風下にある木をかたっぱしから伐採して燃えるものを取っ払うというのが常套手段のようですけど、強風とかで燃え広がるのが早かったりしたらどーしようもないもんね。伐採っつったって広大な面積を一気に、なんて出来んだろうし。



   日本でもUS-2を消防機に改造しようという案が出ているようです。確かUS-1のときもあったような気が・・・・結局ぽしゃっちゃったのは予算と効果の兼ね合いですかね。ただ日本の場合は森林火災じゃなくって、大規模な地震災害のあおりで発生した都市火災の延焼を食い止めるのが主目的みたい。
そうなると現場の救難ヘリの邪魔にならないように高空からってことになるし、低空よりも大きく拡散しちゃって効果が見込めないってことになるのかなぁ。



  インベーダーに関しては当然軍から放出された余剰機が消防機に変身という話になります。似たような経緯の機体は他にも色々あって、中型の爆撃機や輸送機は言うに及ばずカタリナやらB-17やら、
果ては攻撃ヘリのコブラやF-15(イーグルぢゃなくってブラックウィドウの偵察機型)なんてのもあったみたい。なんだかファイアボマーだけで一冊の本が出来そうなイキオイだな。



   何にしてもバカスカ人を殺しまくっていた機体が退役後に人助けをするというのはドラマを感じるよね。歴戦の軍人が退役後に民間のレスキュー隊に再就職したかのようだよ。色もカラフルで見栄えもイイし。 寡聞にして知らないけれどファイアボマーを題材にした映画とかもありそう。「贖罪の翼」とかなんとかちょびっとダサくて、なんかグっとくる題名かなんかで。ちょっと捜してみようかしらん。

製作の詳細

(写真1)プラッツから販売されているけれど、中身はエフトイズ謹製の元食玩キット。でも食玩と侮るなかれ。精密緻密なキット内容に驚け的な製品なのであります。まぁお値段的にはちょびっとお高いけれど、二機入りでシルクスクリーンのデカールと塗装バリエーションが三機分となれば昨今的にはこんなものなのかなぁ~
 ちなみにコレは中古たたき売りで税込み980円だったけれどねw(友人連中に言ったら「その値段ならオレらも買うわ!」って言われた・・・・)

(写真2) 前脚式なのでオモリをぎゅうぎゅうに積み込んでみる。歩いて3分のところ(信号ぶっちぎれば多分1分以内)にある釣具店で格安のオモリセットを購入。二つ買って400円未満ってーのはリーズナブル・・・・なの?釣りはしないからよく分からんなぁ~まぁちっこいガン玉が欲しかったからこれはこれでよし。取り敢えず詰め込めるだけ詰め込んでみる。(インストにもそう書いてあるし)機首にはろくに入りもしないからメインはエンジンナセルですぜ。


(写真3) 二機セットなので一緒に作ってみる。一機でも二機でも大して手間変わんないし。今回のファイアボマーは後部回転銃座が撤去されてるのでプラ板で塞いじゃう。(インストにもプラ板でって書いてあるし)不格好にならないよう銃座の名残の部分を滑らか~にしてみたのはモデラーの本能。でも実機写真を見て驚いた。まるでそこらの町の鉄工場で作ったかのような、ぞんざいに切り出した鉄板がべたんと貼っ付けてあるだけ。「え~仮にもヒコーキなのにこんな戦車の現地改造的な工作でイイの?」と愕然となる。戦時中なら兎も角、平和な時代に作られた筈なのにねぇ(溜息・・・・)
 そんな訳で、寿的「ファイア”インベーダー”ボマー」は一部が実機よりもスマ~トなのであります。

(写真4) ベースカラーにクリーム色を混ぜた白で塗った後に赤い部分を赤で塗ってみる。(インストにも赤でって書いてあるし)う~ん、ちょびっとケバくね?実機写真じゃ退色が進んでいてオレンジっぽく見えるしね。


(写真5) そんな訳で朱色をぷーと上塗りする。うん、まぁこんなもんじゃろ。


(写真6) スミ入れして細部を塗ってデカール貼って脚とペラを着ければ完成。あまりにも簡単、あまりにもお気楽。やっぱパーツ数が少ないのはイイね。元がパチはめのキットなんで事前の仮組みは必須だけど(インストにもそう書いてあるし)コイツは立派なスケールモデルでありますですよ。何と言ってもプロポーションが良いのが最高やね。モールドも一部エラーがあるけど些細な問題じゃ。




(写真7) ローアングルからのスタイルも文句なし。背景が無ければナナニイで通用するかもね。え、甘い考えだ?そーかな~これよりも「もっさい」モールドのキットなんていくらでも有りそうな気がするけど。




(写真8)こうして見るとイケメンなヒコーキやね、インベーダー。黙ってればビジネス機と言っても通用しそう。武装外して民間カラーで塗られたらこれが元爆撃機だなんて俄に信じられないくらいっすよ。
 さ~て取り敢えず一機は完成したけど、同梱のもう一機は塗装直前の状態でモスボール中。忘れない内に作っておきたいけれど、それより先に作らなきゃならんものが控えてるしなぁ。そんな訳で今回はこの辺りで。


(写真9)
(写真10)



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