Home  > 1/72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜第3回LaGG-3 type66 (DAKO 1/72)<飛行機プラモデル製作 <2019年4月号 

誌上個展

   1/72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜

   第3回 LaGG-3 type66 (DAKO 1/72)

by akaihoshi2004

 第二次世界大戦におけるソ連戦闘機は従来、性能が低く見るべきものが無いとされて来ましたが、実は大戦末期にはドイツ機と肩を並べるほどに発展していました。このシリ-ズではソ連の単発レシプロ戦闘機に焦点を当て、1/72の模型を使って概ね年代順に辿って行きます。 


 第二次世界大戦前夜、戦闘機の近代化が遅れていたソ連では大急ぎで新型機の開発が行われ、大戦突入の直前にYak-1、MiG-3、LaGG-3が相次いで量産に入りました。LaGG-3は三人の設計者:ラボ-チキン、ゴルブノフ、グドコフが共同で開発したため、三人の頭文字をつないでLaGGと呼ばれます。いきなりLaGG-3から始まるのは訳がありまして、LaGG-1となるべき原型機が完成した後で軍の要求が変わったので、設計変更した機体をLaGG-3として量産に移したとのことです。従ってLaGG-1と呼ばれる機体は存在しません。



 BOXア-トは黒海艦隊航空隊所属で8機撃墜のエ-ス,Y.シチ-ポフ中尉のLaGG-3type66、LaGG-3の最終生産型です。コクピット下の赤いハ-トにライオンがシチ-ポフのトレ-ドマ-クで、垂直尾翼先端の白帯は部隊標識だそうです。資料によれば時期は1944年春とのことで、La-5やLa-7が続々投入される中、LaGG-3の最後を飾るtype66の勇姿と言ったところでしょう。



 1/72 LaGG-3のキットは古くはFROGがあり、他にも数社金型を起こしている様ですが、一般的にはこのDAKOと、TOKO/RODENの金型が双璧でしょう。DAKOのキットはTOKO/RODENより古い1996年に登場し、type35とtype66の2種類がリリ-スされています。これらは同系の金型で、type間で異なるパ-ツのみの部分的な入れ替えですが、細部パ-ツまできちんと換えられていて、メ-カ-の責任ある態度には共感できます。



 キットの出来は上の部で、品の良いモ-ルドと 精密感十分のディティ-ルは拍手ものです。作って見ての感想は、合いが良くすき間や段差ができ難い・コクピット内部パ-ツや脚などの小物が本体に気持ちよく収まる など、同年代に作られたロシア/東欧系キットと比べると大変作り易いと思いました。



 ただし主翼と胴体の合いが悪く、翼上面パ-ツと胴体側フィレットが干渉してそのままでは取付けられません。ここは相応の修正が必要で正直ストレスを感じました。しかしそれさえ乗り越えてしまえば後はスラスラと組み上がるので、私の感覚では国産キットに近い優秀な出来だと思います。



 出来上がって見るととても良い雰囲気で、実機の再現度も十分かと思われます。デカ-ルはトップコ-トを掛けても縮れず基本的に使えるのですが、私が使ったものは経時変化のためか糊が弱く剥がれ易かったのでマ-クセッタ-を使いました。この作例でも一番肝心な赤いハ-トにライオンのマ-クのデカ-ルが剥がれてしまい、急遽手描きで対応しています。


下記アドレスは本稿の筆者のホームページです。ご興味がありましたらどうぞご覧下さい。
http://w01.fitcall.net/akaihoshi/


  Home> 1/72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜第3回 LaGG-3 type66 (DAKO 1/72)<飛行機プラモデル製作 <2019年4月号
Vol.128  2019 April    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
 editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル誌上個展

TOTAL PAGE