Home  >SIKORSKY CH-34G CHOCTAW (ARSENAL 1/87) >飛行機プラモデル製作>2019年4月号

特集 半端スケール

SIKORSKY CH-34G CHOCTAW (ARSENAL 1/87)

by 五六式(TYPE-56)



 今回は,第2特集”半端スケール”に合わせてアーセナルのシコルスキーCH-34Gチョクトーを製作しました。アーセナルは,ドイツのメーカーで,1/87スケールの航空機とAFVのキットや完成品をリリースしているようです。 ラインアップは,ドイツや周辺国(スイスやオーストリアなど)の兵器(古いのはJu52から新しいのはタイフーンまで)が中心で,いくつか並べるとなかなか楽しめそうです。

<1/87スケールについて>

 1/87スケールは,数字としては半端ですが,欧米の鉄道模型の世界では,HOゲージと呼ばれていてメジャー(日本では,更に小さい1/150スケール(Nゲージ)が主流。)なスケールです。HOゲージは,ハーフOゲージという意味で,ヨーロッパの鉄道の軌間1485mmを33mmに縮小した1/43,5スケール(Oゲージ)を更に半分の16.5mmにしたものです。 また,エアフィックスのAFVのキットで使われている1/76スケールは,このHOゲージのレールでイギリスの鉄道模型(イギリスの鉄道車両は,ヨーロッパ大陸のそれに比べて小さい)を走らせたときのスケールです。模型のレールの寸法に合わせて強引にスケールを決めたという点では,いかにメジャーといえども半端スケールですよね(ギアボックスの寸法に合わせて決めた某大手の1/35スケールだって・・・あわわ・・・)。


※ 上が1/87(アーセナル CH-34G)
  下が1/72(タミヤ・イタレリ HSS-1)

鉄道模型と並べられるという点では,面白いのですが,飛行機模型の世界では,圧倒的に1/72スケールや1/48スケールが多いんだな・・・。


<実機について>

アメリカ合衆国のシコルスキー・エアクラフト社が開発した前作S-55を拡大発展させたレシプロエンジン搭載ヘリコプターで,社内呼称は,S-58。アメリカ海軍では,HSS-1,アメリカ陸軍では,H-34と呼称される。 イギリスのウェストランド社は,シコルスキー社からS-58の製造権を取得し,エンジンをタービンエンジンに換装したウェセックスを開発・生産した。


<キットについて>

 部品数31で,五六式としては,このくらいあっさりしている方が楽しく作れて好感が持てます。※同体内の隔壁は組み立てました。

ネックは,デカールのフィルムの弱さと価格の高さ(鉄道模型の世界では,さほど高価なものではないようですが)。現地価格で15.60ユーロ,日本円で約2000円,なのに,国内価格3000円強です。
ドイツ製品は高い!!五六式は,某通販サイトのバーゲン品を買いました。

また,細部の塗装指示は,ほとんどないので,タミヤ・イタレリ 1/72 HSS-1を引っ張り出してきてそちらの塗装指定を参考にしました。


<製作>

 特に手こずることも無く,さくさくと組み立てられます。計器盤のデカールを貼るときに少し破れたので,念のため,残りのデカールには,マイクロスケールのリキッドフィルムを塗りました。 デカールを貼りそこなうと,1/87スケールの別売りデカールなんて無いのでどうしようもなくなってしまいます。



また,胴体の部品を合わせる前に,窓の開口部を内側からマスキングテープで養生し,胴体のドアの開口部は,プラ板で作ったダミーのドアを仮止めしておきました。 これで,塗装が全部終わった後,このドアの開口部を利用して窓を後からはめられます。



主脚は,折れやすいですが,ステー(部品番号8と9)を取り付けると頑丈になります。

レシプロエンジンの吸気口は,開口してメッシュを入れるか,編み目をカッターで入れるかしたいところです。が,このキットは,そういう作業を強要するようなものではないと思うので,機体色より暗い色で塗装するに止めておきました。

この部分の枠のモールドは,成形の都合上,機体の中心線に近づくにつれて甘くなっています。それらしく枠を描くぐらいの気持ちで塗装していくとよいでしょう。
デカールの2番は,2種類あります。2行の書き文字が窓枠に,3行の書き文字がテールの折りたたみ部にと貼り分けます。

テールローターに貼る注意喚起のマーキングのデカールは,本来,8枚必要なところ,4枚しか印刷されていません。仕方がないので塗装で表現しました。


ローターの黄色のラインのデカールも,用意されていますが,ここも,塗装で表現しました。 箱絵の塗装図が,だいたいキットの原寸大だったのでこれをゲージにしました。



胴体背面の20番のデカールを貼るところに突起があります。カッターで切れ目を入れたりできるだけマークセッター でなじませたりしました。それでも残る破れ目は,後でリタッチしました。
メインローターの黄色いラインは,ちまちまとデカールを貼った方がよかったかも・・・。


今回は,メインローターの部品を”貼って剥がせる”というセメダインBBXで貼り付けました。本体との接着も同様で,このことによって,飾った後の収納が楽になりました



※メインローターは,外せます。 テールローターも木工ボンドで接着しただけです。


<完成>

ドイツ軍の十字のマークが入ると,何か”来る”ものがありますね。



 モールドには,メリハリがあって墨入れをしなくても十分だと思います。実機写真を見ても,ほとんどパネルラインなんか分からないし・・・。

透明部品も,精度よく作られているので木工ボンドで付けただけです。
今回,なかなか楽しかったのでこのシリーズ(アーセナル エアパワー87 )から,また,何機か作ってみようと思います。


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