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  UボートXXI型 (レベル1/144)

by クラキン



 所属クラブの今年のテーマが「ドイツ」ということで、私の大好きなUボートを作りました。
キットはレベル1/144で、インテリア付のカットモデルです。
大戦末期に就役したXXI型です。
Uボ-トはこれで9隻目の完成です。



【実機について】
 大戦前半はUボート主力のVII型やIX型に苦しめられた連合国でしたが、後半になると連合国の対潜部隊が強化(護衛空母や対潜哨戒機など)されVII型やIX型等の従来型潜水艦は苦戦を強いられ、大きな損害を出すことになりました。
これを打開するため、水中高速型潜水艦の建造が急がれました。
船体を大型化(全長76.7m、全幅8m)して水中航行用のバッテリー搭載量を増やし、新開発のモーターの組合せと共に、船体そのものを流線型にして甲板上の備砲廃止や流線型カバー付きの対空機関砲(20mm)を採用する等して水中での抵抗を極力減らした結果、最大水中速力は従来の2倍以上の17.5ノットに達し、更に水中航行時間も6ノットで航行した場合48時間(528km)まで飛躍的に伸ばすことができました。(別名、「電気Uボート」とも呼ばれました)
1番艦は1944年5月に竣工し、118隻が建造されましたが、燃料不足や、乗員の訓練不足、初期不良の調整に手間取り、実際に出撃できたXXI型は少数で、終戦までの間に目立った戦果は上げられませんでした。
しかし、水中行動を主とする設計思想は、近代潜水艦の基本型として戦後多くの国の潜水艦の設計に影響を与えました。
また、魚雷発射管に初めて自動装填装置を装備し、10分で6門全ての再装填が可能となりました。
水中高速潜水艦の能力を最大限に発揮するために、探知用と攻撃用の2つのソナーから送られたデータを電気信号で自動的に解析することができる魚雷射撃用の指揮装置を搭載し、潜望鏡を用いない全没状態での攻撃でも十分な精度を発揮したようです。
その先進性から、戦後も西ドイツだけではなく、フランス、ソ連、イギリスなどで暫くの間運用されました。



【キットについて】
 レベル1/144のXXI型で、艦内左舷側のインテリアが再現されたカットモデルです。
何度も再販が繰り返されているベテランキットで、それなりの出来栄えの好キットです。
1/144とは言え、完成時は全長53cm余りの大きさになります。
これだけの内臓物があるにも関わらず、パーツ精度が良いお陰で大した調整も無く、スラスラと組み立てられます。
艦内のディテールのうち、配管や各種バルブ、計器類は全てモールドとデカールの組み合わせで表現されるようになっていますので、
ディテールに凝りたい方にとって不満が残ると思われますが、逆に腕の見せ所になるかと思います。素組み派の方でも、ウォシングとドライブラシでかなり立体感を出せるので、それなりの見応えにはなります。
甲板上の手摺は自作が前提になっていて、インストではプラ棒や伸ばしランナーで支柱を立てるような指示になっていますが、ここは真鍮帽がお勧めです。
デカールはU-2540の1種類のみです。
艦長室、士官室や調理室などがある右舷側の内部が再現されていないのが唯一の残念な点です。

箱絵


インスト&デカール


パーツ




【製作について】
 製作期間は2ケ月ですが、正味の製作日数は10数日です。
甲板上の手摺り以外は完全素組みです。

指令室


艦内の塗装はインストだけではなく、数少ないネット上の写真や、学研社の「Uボート戦全史」及び、芸文社の「シップモデリングガ イドVol.1」を参考に色決めしましたが、何せ艦内は資料が少ないので、想像で塗っている部分もあります。

艦首魚雷室


甲板の手摺りは支柱部分が0.5mmの真鍮線で、ワイヤー部分はモデルカステインのストレッチリギング0.6号です。
艦橋から前後に延びる張り線はモデルカステインのストレッチリギング1.5号です。



船内の隔壁等は自分で調合した色を塗装し、デカールを貼った後、Mr.ウェザリングカラーのマルチグレーでウォシングし、ドライブラシを掛けました。

機関室


乗員室の壁の木目はウッドブラウンをドライブラシの要領で塗りました。

後部乗員室


前部乗員室


船体はパネルラインや影の部分に沿ってブラックのシャドウを細吹きした後、自分で調合したUボート用の船体色を塗りました。
ウェザリングは後、Mr.ウェザリングカラーのマルチブラックとステインブラウンでウォシングしました。
あまり出撃回数が多くないので、ウェザリングは軽めにしました。
排水溝は開口せず、タミヤエナメルのつや消しブラックで埋めました。

Uボートの製作は今後もまだまだ続きます。




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