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特集 多発機 

(Photo) Caproni Ca.3 (カプロニ Ca.3)

by  コルディッツ
博物館実機写真

 カプロニ Ca.3 は、第一次世界大戦でイタリア軍の運用した複葉の三発重爆撃機です。故佐貫亦男教授は著書で「ドイツのゴーター、イギリスのハンドレページと並んで第一次世界大戦重爆のトリオを形成する」と評し、カプロニがゴーターやハンドレページのように双発ではなく、三発を選択した理由として、イタリア軍にアルプス 越えで、仮想敵国オーストリアを空爆する構想があったからと解説しています。実際に第一次世界大戦でCa.3はアルプス越えの空爆に使用されました。流石ドゥーエ将軍の国だけのことはあります。
 Ca.3の原型にあたる三発機Ca.1は1914年に開発され、中央ナセルに乗員と推進式エンジンを配備し、両側の双胴に牽引式エンジンを配備する形式が定まりました。
翌年にエンジン馬力を強化したCa.2が開発され、さらに馬力を上げて爆弾搭載量を増やしたCa.3の開発 は1916年でした。乗員は4名(操縦士、副操縦士、前部射手、後部射手兼機関士)で、操縦席は並列。爆弾搭載量は800kg、最大速度137km/h、航続力599km、武装は6.5mmまたは7.7mm機関銃2挺になっています。1917年にさらにエンジンを300馬力にパワーアップ したCa.5が開発される等、この時代のイタリア航空産業の開発力の凄まじい事! Ca.3はフランスやアメリカでもライセンス生産されましたが、現存存するCa.3(社内呼称はCa.36)は2機です。
※ 本稿は「続飛べヒコーキ」(佐貫亦男著 講談社 昭和53年4月)と 博物館の掲示、Wikipedia を参照しました。


 Caproni Ca.3 (Ca.36) 23174 
 イタリア軍事史航空博物館(Vigna di Valle)にて  2017年12月撮影


 Ca.3は一説では、戦中戦後を含め275機生産とあります。
 「機首に双輪の脚、下翼端にそり、尾そりはダブルと用心堅固にし、双胴下の主車輪もまた二論を一対各四輪として、二輪それぞれに泥よけまで付けている」
(「続飛べヒコーキ」より)






 エンジンは水冷のイソッタ・フラスキーニ、150馬力。




 「なお、三枚のオールフライング方向蛇は独特の形で、
これをイタリアの国旗である緑(前から)、白、赤の三色
に塗り分けると極めて賑やかで、キァンティのブドウ酒の
ビンが立っているような気がする」
(「続飛べヒコーキ」より)




 後部銃座は骨組みだけのスタンドです。「これは他に
例のない英雄の座であった。足下にはプロペラが回転し、
スタンドは骨組みだけで渦巻く気流中に露出し、敵弾に
対してはなんの保護もない」(「続飛べヒコーキ」より)







  Caproni Ca.3(Ca.36) 11504
 国立アメリカ空軍博物館(デイトン)にて  2004年12月撮影


  アメリカ陸軍航空隊もCa.3を配備しました。アメリカの
戦略爆撃思想はドゥーエ将軍の影響が大きいのでは。


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