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(Photo) 疑問符号

by  コルディッツ
博物館実機写真

 1930年9月1日午前10時55分、軽爆撃機/偵察機のブレゲー19を改造したブレゲー19TR スーパー・ビドンは、ル・ブルジェ飛行場を離陸、北大西洋を横断し、ニューヨークのカーチス飛行場まで無着陸飛行を達成しました。飛行時間は37時間17分、飛行距離は5,940kmで、到着は現地9月2日19時12分でした。
 操縦士デュードネ・コスト、航法士モーリス・ベロントのペアで、彼らは前年の1929年7月13日にも同じ機体、同じルートで挑戦しましたが、燃料消費量に問題があり、14時間飛行して引き返しました。
そして同年9月にはパリ・チチハル間7,905kmを51時間19分で無着陸飛行を成功させ、世界長距離飛行記録を作り、言わば満を持しての再挑戦でした。

 機名の「疑問符」(ポワン・ダンテロガシオン)は、『香水王のコティから寄付を受けて、その好みの機名…」と『ヒコーキの心』
(佐貫亦男著 光文社NF文庫 2003年6月)にありました。
※本稿は「ヒコーキの心」「大戦間爆撃機」(K・マンソン著 白井 光夫訳 野沢正 監修 鶴書房 昭和46年7月)と英文Wikipedeiaを参照 しました。


  Breguet XⅨ TR Super Bidon "Point d'Interrogation"
 ル・ブルジェ航空宇宙博物館(パリ郊外)にて 2016年8月撮影




 ブレゲー19の胴体を延長し、燃料タンクを増設したので、
スーパービトン(石油缶)。エンジンはイスパノ・スイザ
12Nb 650馬力。主翼、翼間支柱等も改造されました。




 真紅の胴体に巻いた三色旗には、訪問した都市名が
書き込まれています。
















 英文Wikipediaによるとブレゲー19の残存機は3機で、
GR型(長距離偵察型)の「ナンジェセール・コリ号」が
ル・ブルジェ航空宇宙博物館にて保存、非公開です。
 同機は1927年にデュドネ・コストとジョセフ・ルブリ
のペアで初の南大西洋無着陸横断飛行を達成しました。

 今1機はTR型ビトンでスペイン空軍博物館に展示中です。
 Breguet XⅨ TR Bidon "Jesus dei Gran Poder"
 スペイン空軍博物館(マドリット郊外)にて  2004年10月撮影

 スペインのCASA社で製造された機体で、1929年に
スペインからブラジルに無着陸横断飛行を達成しました。
 元のブレゲー19と同様 I 字型翼間支柱です。


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Vol.138  2020 February.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
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