Home  >デカール自作第7弾 A-1E スカイレーダー(モノグラム 1/72)> 特集 レベルモノグラム> 2020年3月号

特集 レベルモノグラム

 デカール自作第7弾
A-1E スカイレーダー(モノグラム 1/72)

by口博通 Hiromichi Taguchi



 永く押入れ在庫になっていたモノグラムA-1Eスカイレーダーが念願かなって完成しました。72単座のスカイレーダーはハセガワ、フジミ,ツクダとありますが、複座のスカイレーダーはこのモノグラムの古のキットだけです。72で入手できる攻撃型のスカイレーダーはこれで制覇で、残るはソードのAD-4Wのみとなりました。
 モノグラムA1Eキットの付属デカールはライトガルグレー塗装のものだけとなっていますが、どうしてもベトナム迷彩としたかったので、デカールをインクジェットプリンターで自作して完成させました。



箱絵


 1960年代リリースの古のキットですが、表面彫刻は凸ラインくらいであっさりとしています。エンジンは前面のみでカウリングに一体成型されています。
 部品点数は29点と少く、コクピットの中もガランとしていて、シートもごく簡略化されています。複座ですが1人しか付属していないパイロットを搭乗させて シートはごまかすことにしました。

胴体部品


主翼


小物部品とキャノピー

製作

 コクピットはキャノピーを透明ブルーで塗ればほとんど見えなくなるので、何もしておりません。
バスタブコクピットを組み込んで、胴体左右を合わせるとビタッと合います。流し込み接着剤で一発で完了。さすがモノグラムです。



 主翼下面に上面を接着すれば主翼はできあがり。パイロンも一体です。 胴体に主翼と水平尾翼を接着し、カウリングをつければもう飛行機の形となり、塗装にかかれます。




塗装

 まずMrサフェーサー1000を吹いて下地を整えます。ざっと見渡すと、さすがに凸ラインだけでは淋しいので、翼にはリベットをカルコで手打ちしておきました。

 ベトナム迷彩はMrカラー特色を使ってエアブラシのハンドフリーで行いました。まず胴体と主翼の下面をNo.311グレーFS36622で塗装し、マスキングテープでマスキングしておきます。
上面は エアブラシのハンドフリーでNo.310 ブラウンFS30219、No.309グリーンFS34079、No.302グリーンFS34092を使っています。
コクピット内部は、その後で、No.317グレーFS36231を筆塗しました。計器板上のアンチグレアは艶消し黒で塗ります。



表面ディテールが淋しくリベットをカルコで手打ちしたので、少し精密感が出ている。

デカールの自作

 ベトナム戦争に従軍したベトナム迷彩機としては 手元にモノグラム48 A1のデカールがあり、その中にテールレターTT AF42058が収録されているので、これを種にしようと考えました。インターネットでA-1Eで画像検索すると、いつくかヒットします。
 TT (第52特殊作戦WING、602特殊作戦SQ機)ではAF32514 (Sweet Marlene)と AF35206(Georgia Ann)が見つかりました。今回は5の白文字が流用できるAF32514としました。
モノグラム48 A1のデカール

第52特殊作戦WING 第602特殊作戦SQ, AF32514


デカールの自作

 インクジェットプリンターを使うデカール自作の手順は 2019年10月号のベルAH-1G ヒューイコブラ (タミヤ 1/100)  と同様です。
(画像加工ソフトについては、2019年9月号のカワサキ ヒューズ H-500(タミヤ 1/48) を参照下さい)
TTはモノグラムデカールをスキャナーで取り込んだ画像からのコピペです。また空軍数字画像の切り貼りで514を作ります。黒文字のAF32も同様です。
 TT 514は白文字なのでホワイトベース用紙に印刷し、AF32は黒文字なので透明ベース用紙に印刷します。

 さて、TT 514は白文字ですから、周囲(バック)を白以外の色で印刷しておいて、デカールを機体に貼り付けた後で、周囲をカミソリで切り取ることになります。切り取り残りが目立たないバックということで、塗装した尾翼の写真を撮り、これをバックとしました。印刷すると塗装色と同じにはなりませんが、近い色であれば そんなに目立ちません。

塗装した尾翼の写真


インクジェットプリンターで作製したデカール
TT 514は白ベースに印刷
AF32は透明ベースに印刷



 尾翼にデカールを貼り、落ち着いたら、周囲をカミソリで可能な限り、切り取りますと白い文字だけ残ります。白色を印刷できるインクジェットプリンターは存在しないため、手間ですが しょうがありません。
透明ベースに印刷した黒文字AF32はその後で貼ります。


完成

 自作デカールが落ち着いたら、艶消しクリアを吹き保護しておきます。
キャノピーの後部は透明ブルーを内側から塗っておきました。機銃と垂直尾翼前縁にあるピトー管はしんちゅうパイプで作り変えてあります。主脚補助支柱がダブルになっているのはさすがモノグラムで、プロペラも良い形です。補助タンクはシルバー塗装としておきました。
 永い間かかえていたA1Eが完成し、ベトナム迷彩コレクションに1機 増えました。
 デカール自作を出来るようになったことで、ちょっと一手間かかりますが、今まで完成が難しいとあきらめていたキットも これまでかかえていた思いが成就できました。
数十年の彼岸を超えて成仏できたキットもさぞ喜んでいることでありましょう。






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