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(Photo) Ilyushin Il-14

by  コルディッツ
博物館実機写真

 イリューシン設計局の開発した双発レシプロエンジンのIl-14は、70年前の1950年に初飛行しました。戦時中にソ連の運用したDC-3 やLi-2の更新目的で開発されたIl-12を、より発展させた機体です。
Il-14は経済的なエンジンに換装し、主翼と垂直尾翼を再設計しています。Il-14の原型は18客席でしたが、その後胴体を延長し、32座席まで拡張しています。その結果、Il-14は3,500機が生産され、ソ連と東側諸国の軍用やエアラインで広く運用された上、ドイツ民主共和国(DDR)で80機、チェコスロバキアのアビア社で200機がライセンス生産されています。
※本稿はポーランド空軍博物館の英文ガイドブックと「旅客機」
(K・マンソン著 湯浅謙三訳 野沢正監修 鶴書房)、「飛べヒコーキ」(佐貫亦男著 講談社)、Wikipedia、博物館の掲示を 参照しました。


 Ilyushi-Il14 P 0833 ブルガリア航空
 自動車&技術博物館(ジンスハイム)にて   2020年3月撮影
Il-14Pは民間用に生産され、客席数は資料によって差があり、18席説、26席説、28席説、14~32席説を見ました。
博物館の掲示は26~32席でした。なおIl-12までは非与圧客室で、Il-14 から与圧客室になったようです。






 大戦終結後に民間航空業からのDC-3駆逐を目論み、アメリカ、英国、ソ連、スウェーデンで形状の似通った空冷星型エンジン双発機が開発されましたが、2千馬力級のエンジンを使えたマーチン2-0-2やコンベア204を生産したアメリカに歩がありました。


 Il-14はシュベツォフASh-82T-7空冷星型(1,900hp)、
Il-12はASh-82FNV空冷星型エンジン(1,850hp)を搭載。
大戦を経てソ連の設計も垢抜けてきた感があります。   




   排気管の処理はコンベア機と似ているかと。


   後部搭乗口入ってすぐ脇の機内トイレ。


   せっかく機内に入っても、この状態では残念です。




  再設計された大型の角型垂直尾翼。  




 Ilyushi Il-14S (VEB製造) 3078
 ポーランド空軍博物館(クラコウ)にて    2011年5月撮影
S型はP型から開発されたVIP型です。展示機は東ドイツのVEB(人民公社)が1959年に生産し、ポーランド空軍のVIP輸送の専用部隊(第36特殊空輸連隊)が1987年まで運用しました。    


 Avia 14T (Ilyushi Il-14T) 3108
 チェコ空軍博物館(ケベリ、プラハ郊外)   2008年8月撮影
 T型は軍用輸送機型です。アビア社がライセンス生産を行いました。    


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