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特集 宇宙

  私的宇宙艦隊 ガミラスデストリア級航宙重巡洋艦&ケルカピア級航宙高速巡洋艦及びムラサメ型宇宙巡洋艦 (バンダイ1/1000 その他)

  by 寿



 スケール物の合間にちまちまと作り溜めた我が家の宇宙艦隊であります。宇宙戦艦ヤマトとスターウォーズってのはこの手の定番ではありますがやはりバンダイ製は手に入れやすく作り易いから思わず手が出ちゃうよね。特に昨今のメカコレとかは莫迦みたいに緻密なくせに吸い付くようなパーツ精度でさくさく作れちゃうもんだから、組みにくいキットで青息吐息悶死寸前のモデラーには窮地の中に見る一筋の光明に見えたりなんかするのです。その衝撃足るや。
「世の中にはここまでストレスの無いキットがあったのか」
 それは天界より賜ったネクター、聖滴の甘露。重い黒雲の狭間から垣間見る輝ける天上の救世主にて至悦と安息をもたらす彼の福音に我解脱の境地に達したりであります。 



 人生は本気で闘わなきゃいけないけれど同じ様に息抜きもまた必要な成分だよね。でも息抜きである筈の趣味に息抜きが必要ってのもどうなんだろ。まぁ余暇の合間に人生やってる御仁もいらっしゃるのでそこは人それぞれってことで。 



 ヤマトもリメイクされてバンダイ様は結構まめにキット出してくれるけれど個人的にアニメはさほど入れ込んでいる訳では無く宇宙戦艦同士が闘ういうその一点だけが寿的モチベーションであります(まぁ2199は良くまとまっていたと思うけど)。かっちょよければそれで良し。活躍してくれれば更に良し。特に戦艦なんてものは互いにがんがんごりごりとブン殴りあってナンボであります。 





 二次大戦じゃ大口径の火砲による艦隊決戦なんて皆無とは言わないけれどほぼ無くなっちゃって戦艦はただの高価な浮砲台に堕してしまいました。ほんの数年前までは国の威信を背負って起つ軍事力の象徴、広大な海洋に浮かぶ護国の要であったというのにこの体たらく何たること。
 膨大な国防費とその国の工業力の粋とを惜しむことなく注ぎ込み揚々と世に出てみればウドの大木無駄飯食いの穀潰し扱い。世の趨勢は航空機に移ってたのです。茫然自失と立ち尽くすしかありません。
 ああもうこの屈辱たるや!まったくもってフラストレーションは溜まりまくりですよ。
 だもんで地球上で駄目なら宇宙に行っちゃえって思うのはごく自然な発想だと思うのですがどんなもんでございましょうかね。え、極端だ?いえいえそんな事はございません。 





 船が航空機に遅れを取ったのは水平線の向こう側に直接手出しが出来ない事とその速度ゆえのことなので、遮蔽物の無い場所で光の速度と同等の砲熕兵器と航空機を凌駕する速度が在れば再び戦艦の時代がやって来ると信じている訳です。宇宙空間じゃ小さい航空機なんて航続距離が全然足りないし搭載出来る火力にしてもそう。ミサイルなんて光線兵器の前では止まっている蠅みたいなもんですよ。大気中と違って減衰もしないしね。防御力だって脆弱だし勝っているのは瞬発加速と運動性だけ。数光秒先からの砲撃戦なんて広大な戦場でたかだか数Gの加速度しか出せない兵器なんぞ極至近距離でしか使えませんよ。接近したくても地面や海面といった偉大な遮蔽物は無いので遠方から丸見えだしね。ステルスはまぁ無いよりはマシかな。それに近付くまでに大方決着ついちゃいます。



  それに彼我の速度がハンパないから一旦反抗戦ですれ違ったら追いつけないってこともあるかも。宇宙で進行方向変えるのって地球上の何倍も大変なんだよ。今まで進んでいた方向の運動エネルギーがずっと残り続けているから一旦ゼロにしないと思ったように曲がってくれません。まぁ慣性制御とかの技術が確立されていれば話は変わるけれど。(そういやヤマトの世界じゃ持ってたナ) 



 となると宇宙空間でより有用なのは船であります。それも強大な火力と莫大な推進力と頑強な防御力を兼ね備えた艦船、つまりは戦艦なのです。広大な海を駆けるにはやはり船じゃなければならんのです。ちまちました航空機如きじゃ宇宙空間は駆け抜けられんのです。精々猫の額のような惑星上の空でぶんぶん飛び回ってはしゃぐ辺りが関の山なのであります。海は船に任せとけ。宇宙戦艦万歳な訳ですよ。万々歳なのでありますですよ。造るのは航空機の何十倍何百倍も大変だけれどもね。



  戦艦大好きなご同輩の方々空に目を向けてご覧なさい。青い空の向こう側には漆黒の闇と星の海とが手招きして待っているのです。地べたを這いずり回って喜んでいる場合ではありませんよ。重力に縛り付けられたままでは窮屈でしょう。思い立ったが吉日飛び立つのは今であります。さあみんなで軛を振り解き己の建造した宇宙戦艦を駆って新たな海路を切り開こうではありませんか。

  PS:リアルに地球脱出を考えている方へ。わたくしめは専門外なので当方への質問詰問勧誘等はご容赦くださいね。

製作の詳細

(写真1)ガミラス艦の「目玉」部分。丁度クリアパーツになっているので半透明的な処理を目指すため裏からまず白吹いておきます。

(写真2) クリアの黄色とオレンジでグラデーション。まあこんなもんかなぁ。


(写真3) 基本スナップキットなので組むのは簡単。でも心配なんで接着剤を使うのはデフォルトだね。ちょびっとパーティングラインも出ちゃうのでパテで修正。しかし迷彩柄に合わせてパーツ分割されてるってのもスゴイね。いつぞや作ったエアフィックスのレゴ的なメッサーを思い出すよ。

(写真4) でも寿はパーツ分割を全く無視して塗り分けをする。やってしまう。ユーザーを思いやるバンダイの配慮が台無しだ。黄色い目玉の部分はネリ消しでマスキングしときます。


(写真5) いつものように筆塗りで塗り分けかまして一段落。取り敢えず迷彩はこんなもんかのう。



(写真6) 極薄の濃緑色をオーバーコートした後にスミ入れして細部を塗ったら出来上がり。さくさく出来上がって実に気持ちがよろしい。出来の良いキットはやっぱりストレス無くていいね。








(写真7) 遙か昔からお馴染みのガミラス艦は一回りデッカイ。設定だと重巡なんだそうな。でもこれ地球の戦艦より大きいんですけど。アニメの冒頭じゃ地球側のビームばんばん弾いてめちゃ強いけどヤマトが出た途端見事やられ役に降格です。分かってた事だけど情け容赦ないのう。

(写真8) ニュートラルグレーを塗った後にライトグレーをぷー。うん、色が変わると別物のイメージがあるよね。



(写真9) ミディアムブルーでぐねぐねとした波紋迷彩を筆塗りした後にスミ入れ施して細部を塗ったら出来上がり。簡単でいいのう!やっぱ模型は楽しくないとね。宇宙でこの迷彩が役に立つのかどうかはワカランけれど塗ってみたかったんだからしょうがない。多分次元の狭間とかで空間が歪んでゆらゆら揺れてる所だと役に立つよきっと。或いはホントに水の中とかね。












(写真10) メカコレのゼルグート級も作ってみる。念願のドメラーズⅢも現代風にリファインされてかっちょよくなりました。昔は艦の等級とか全く設定されてなかったからこういった区分けや呼び名の追加はちょびっと嬉しい感じです。例によって組むこと自体は全くもって無問題。プロポーションは言うこと無いしモールドも素晴らしいしね。昔は100円だったけど今では随分と値上がりしちゃった。でもたたき売りで200円そこそこでだったから文句はない。元値っていくらだったかなぁ。割としたような気もする。


(写真11)二艦同時進行だったけれど此所まであっと言う間じゃ。素晴らしい。此所までくると三隻揃えたくなるのが人情だけど行きつけの模型店では売り切れでした。







(写真12) 後日模型店巡りの最中に見つけたので早速購入。まずは組んで赤茶色に。


(写真13) 一番艦はど派手な赤なのでちょびっと色を作ってみました。色の量が過大な気がするけど気にしちゃいけない。






(写真14) だーっと塗ってスミ入れして細部を塗り分けたら出来上がり。これもまたあっという間じゃ。素敵。何だか茹ですぎた海老か蟹みたいな色になったけどまぁこれはこれでOK牧場。「実は最初からこういう予定だった」と開き直ってみるのが心に負債を溜め込まない秘訣です。
 ちなみに赤はネームシップのゼルグート。紺が二番艦デスラーの乗艦デウスーラⅠ世。白が三番艦ご存じドメル将軍のドメラーズⅢであります。合ってると思うけど間違ってたらごめんなさい。




(写真15) ついでなんで地球側の船も造ってみることに。デーハーな色合いに大戦中のヴィシーフランス機を思い出すのはわたしだけ?どうやら重巡らしいけど比較に並べたガミラス艦は高速巡洋艦で等級的には軽巡ってとこかな。軽巡より小さい重巡ってのも涙を誘うよ。

(写真16) 濃い目のグレーで塗った後に茶褐色でスミ入れ。うん小汚ねぇ。呆れるほどに変わらない寿スタンダード。もちっと工夫しろよなどと言ってはいけない。標準は変わらないからこそ標準たり得るのです。



(写真17) 一段明るめのグレーをぷーと吹いて馴染ませるとちょびっとだけ見られる状態に。

(写真18) 二次大戦での欧州やアメリカの艦艇よろしくスプリッター(ダズルと言った方がいいのか?)迷彩を試してみることに。塗り分け部分に当たりをつけて面相筆でぺたぺた。


(写真19) 地道に塗っていけばこんな按配に。今回の艦艇の中では一番小さいけれど実は一番時間がかかりました。見栄えのない地味地味塗装だけどまぁこれはこれで悪くない。割と気に入っております。



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