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特集 日の丸

紫電改(初期型) (AOSHIMA 1/72)

by 五六式(TYPE-56)



 日の丸特集”に合わせて紫電改を製作しました。戦時中,五六式の父親が学徒動員で紫電改(の主翼の桁)を作っていたというので,いつかは作らなければと思っていたのですが,父親の存命中には実現しませんでした。もっとも,もし,彼にとって学徒動員がよい思い出でなかったとしたなら,紫電改のプラモを見て喜ぶことはなかったかもしれないので・・・まぁ,いいか・・・。

  もしかしたら,”温故知新”でもいけるんじゃない?

<実機について>


   零戦の後継機の開発が思うに進まず,局地戦闘機雷電のメカニカルトラブルの克服にも手間取っていた海軍向けに,川西航空が,自社で開発中の水上戦闘機強風を陸上機として発展させた戦闘機を発案,局地戦闘機紫電として実用化した。

 紫電は,局地戦闘機として良好な性能を発揮したが,中翼機であることによる視界不良や中翼機であるために長くなってしまう主脚の破損の頻発(強度が十分な主脚が作れなかった。)などの不具合を抱えていた。これらの不具合を解消するために更に低翼機に改設計したものが,二一型以降の紫電,すなわち紫電改である。

 紫電改は,紫電の不具合を改善したばかりでなく,操縦特性も良好になっていたという。

<キットについて>

 ※赤丸のついたランナーがver.2で追加されたもの

 アオシマの真・大戦機シリーズの1つで,初版は,1995年。今回組み立てたキットは,前期型だが,アオシマからは,垂直尾翼の面積を小さくして飛行特性を改良(方向安定性がよすぎて空戦時に左右に曲がりにくかったので,やや方向安定性を減じて調整した)した後期型,艦上戦闘機として改良された試製紫電改二などのキットもリリースされている。

 現在は,ver.2となっており,エンジン(二重星形エンジン)やコクピット内の構造物などの部品や形状を改めたエンジンカウルやキャノピーの部品が追加されている。ver.2として作る場合は,パイロットは乗せられないし,エンジンやプロペラ周りの組み立ても,少々煩わしくなっているが,旧版の部品も残っているのでパイロットを乗せたい人や組み立ててしまえばほとんど見えないエンジン周りに手間をかけたくない人にも支障はない。

<製作>
 せっかくなので日の丸に15番,某コミックで空の神様として異世界で大暴れしている菅野直大尉機にします。パイロットを乗せるということで,ver.2になって追加された部品のうち,コクピット内の部品は,旧版のものを使いました。あと,エンジン周りも,ほとんど見えないので組み立てが簡単で部品の継ぎ目の少ない旧版のものを使いました。エンジンカウルやキャノピーは,形状修正されたver.2のものを使いました。


  ※前が紫電改。後ろは,同時に製作していた紫電のもの。


※このように,エンジンは,完成後,ほとんど見えません。

 部品の合いがよく,筋彫りが深いので何のストレスもなく組み上がりました。真・大戦機シリーズは,組み立てやすさと精密さのバランスがよいので,ユーザーに好評だそうです。

 ピトー管とアンテナ柱は,折らないように気をつけていたのに,いつの間にか無くなっていたのでそれぞれ,ファインモールドの金属製のものと伸ばしランナーで自作したものに置き換えました。

 塗装は,主翼の黄色い識別帯をスプレーした後,マスキングしてつや消し黒をスプレー,黒立ち上げで全体を1回タミヤのアクリルXF-12明灰白色でドライブラシした後,3~4回やや薄めに希釈したタミヤのアクリルXF-70暗緑色2とXF-12明灰白色筆塗りで基本色を塗り上げました。色の境界は,上下面の色を塗り残し気味にすることでぼかしました。

 脚庫や脚カバーの裏側などの細部の塗装の指定が行き届いていないので,他社のキットや同時期の海軍機のキットの塗装指定などを参考にして色を決めました。

 デカールは,丈夫で柔軟性もあり,糊の強さも適度な貼りやすいものです。ただ,組み立て説明書や塗装図の指定が不十分なので少しもやもやします。
 


 ※脚カバーに貼ってあるのは,機体の荷重を示す表示です。

<完成>

  菅野大尉絶賛奮闘中。
菅野大尉は,戦闘中,機関砲の砲塔内の爆発で墜落,殉職されました。


 デカールの品質がよいので黄色いストライプを貼るときに安心です。


   零戦と比べると,ごつい印象。


 後ろ姿がいいですね。


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