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  96式艦上戦闘機 (ニチモ 1/72)

  by 加藤 寛之

 フっと、「何時間で完成するだろう」と思った。それは11月中旬の、予定外で仕事が休みになった水曜日の朝食後だ。

“組みやすければ2時間…かな? キツイかな??”
やめればいいのに、ニチモの96式艦上戦闘機でやってみることにした。脚を組まなくていいし、難しいパーツ分割がない、と、微かな過去の記憶で判断した。



 キット選択が間違っていた。
バリだらけ。押し出しピン跡を整形しないとパーツを接着できない。カウリングは金型が崩れて岩石みたい。そもそも古いキットなので、全てのパーツの整形が必要だった。結局、組み上げるだけで2時間40分、開封から完成までに計5時間半を要した。でも、5時間半で完成したともいえる。出来はまあまあで、普通に見るのなら、いつもと変わらないものになった。
接着は瞬間接着剤を多用した。瞬間接着剤を使うと軽い隙間も埋められて便利なのだが、時々パリッと剥がれてしまうし、位置修正まえに固着すると厄介だが、目標2時間のためならば、使う。段差は、削って合わせた。パテ盛るよりも簡単だからだ。




 胴体はパーツが捻じれていたので、前方を重視し、後端でごまかした。コックピットは、床板と椅子だけをつけた。計器盤はどうせ見えないので、捨てた。
主翼は、ピトー管辺りで上下パーツがうまく合わない。ちょっと削ったりして、あとは強引に瞬間接着剤でくっつけた。
主翼と胴体の接着は、下面後端を最初に、次に下面前端を着けて固定。最後にフィレットと合うように、かつ主翼がダレないように位置を決め、瞬間接着剤をフィレットのところに流して固定。フィレット右前に大きな段差があるので、パテを置いてから溶剤で拭き取り、段差を少しだけ目立たないようにした。あらためて瞬間接着剤を主翼とフィレットの接合部分にス~っと流して、整形代用にした。
水平尾翼は取り付けベロを切断して整形、接着した。面がきれいになるので、隙間がなく強固に接着できる。こちらはタップリの量の接着剤を着け、圧着。ぶちゅっと噴出すので、それを流し込みタイプの接着剤とハケで均す。乾くと、まあまあの仕上がりになる。
カウリングの金型崩れは酷かった。ガリガリと整形し、カウルフラップや筋彫りをそれなりに付けた。黒塗りなので、だいたいでOKだ。
酷いといえば、脚スパッツはタイヤ部分の造形がまずい。削ってごまかした。酷いといえば、風防も酷い。風防の内側になる胴体を黒にし、氷砂糖のように乱反射する風防の酷いところに薄く黒を塗ると、黒が重なって酷さが目立たない。



 塗装。実機は艦載にあたって塩害防止の塗装を被せたのがあったそうで、その機体は赤っぽいらしい。好きではないが、赤っぽくする。銀にマルーンを加えて塗った。それ以外は、特に書くようなことをしていない。
デカールを貼り、最後に光沢の缶スプレーをぷ~~~~っと吹いて完成とした。



 実質、5時間半で完成。途中で違うことをしたので、朝の7時スタートで、午後4時半の完成だ。…なんだ、やれば出来るじゃないか。2時間の目標は無謀だったけれど。
完成後、アンテナ柱に薄いプラ板で日の丸を掲げてみた。赤い丸が崩れているザツなものだが、面白い完成品になった。


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