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特集 艦船 

(Photo) 英国空軍の船舶

by  コルディッツ
博物館実機写真

 ヘンドンのRAF博物館敷地に、2隻の船が展示されていたのを覚えている方も多いかと存じます。英国空軍生誕100周年を記念したのか、RAF博物館は大改装されました。マイル・ストーン館とバトル・オブ・ブリテン館が大変動をしたばかりか、2隻の船にも拝観用の階段と誘導路が設置されていました。そして船の説明板を読んで驚愕したのは、その所属は海軍ではなく、RAF Marine Brandh(英国空軍船舶局?)だったことです。
 1918年に海軍航空隊と陸軍航空隊が合流して空軍が創設された時に、海上で航空機の救難活動等の支援部隊を引き抜き、その形態が1986年まで続きました。その間の組織間の軋轢は、相当な物があったろうと思わずにはいられませんでした。
※ 本稿は博物館の説明板とWikipediaを参照しました。


 63ft General Purpose Pinnace(ピンネス)Mk.Ⅰ 1374 
 王室空軍博物館へンドン(ロンドン郊外)にて 2019年8月撮影


 ピンネスは英和辞典に「cutterとlaunchの中間の艦載艇」とありましたが、英国空軍では英本土や海外の基地で幅広く、飛行艇の曳航や停泊、魚雷やソノブイなどの回収等、多種多様な任務に従事しました。



船首に英国空軍のラウンデルが描かれているのに、空軍所属と思いもしなかったのは失態でした。 



船首方向にはRAF博物館の旧本館が見えます。  





船尾方向は、いつの間にか住宅地になっていました。
 ピンネスMk.Ⅰは1955年から1962年の間に17隻が建造され、空軍では1985年まで運用されました。船名の63ftは船体の長さを表しています。乗員は7名で貨物積載量は5トン、ロールスロイスC65FLMディーゼルエンジン190馬力2基を搭載して、最大速度20km/hを出しました。

 Rescue and Target Towig Launch (RTTL) 2757


救命・標的曳航艇と訳してみました。空軍の攻撃機や対潜機の訓練時の標的を曳航しました。1958年にVosper社が製造し、ロールスロイス・シーグリフォン・エンジン(1,700hpとする 資料もあれば1,450hpとする資料あり)2基を搭載し、最大速度は56km/hでした。 







英国空軍では1956年から1978年まで運用され、地中海や中東、極東などにも配備されました。乗員は9名。 



 Seaplane Tender (ST) 206 


かつてのバトル・オブ・ブリテン館は、現在エントランスになり、Tender(はしけ)206が展示されています。説明板には1931年のプロトタイプの開発者として「アラビアのロレンス」の名が上げられていました。1932年から生産が始まり、104隻が建造されています。ST206は1932年から運用開始で、ショート・サンダーランドような巨大な飛行艇の連絡船を担当し、1942年
には消防艇に改装されています。最大速度は29ノットでした。
 RAF博物館の改装前の写真に、サンダーランド飛行艇の脇に展示されたtender206が写り込んでいる物も発掘しましたが、船体の殆どが飛行艇の陰に隠れていて、残念です。 




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