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  F-94C(Late)(EMHAR 1/72)

  by 加藤 寛之



 本Web誌特集の「ジェット戦闘機」用に作りはじめ、遅れて完成した。
実機を大雑把に説明すると、単座の昼間戦闘機P-80の複座タイプがT-33。これの機首にレーダーを付けてエンジンを強化して全天候型戦闘機にしたのがF-94AとかBで、まだこのときは「胴体が大きなT-33」という感じ。これをさらに、機首にロケット弾を挿入、エンジン再強化し吸気口も改設計、主翼を再設計して水平尾翼を後退翼にしたのがC。主翼中央にロケット弾ポッドを増設し機首から移したのが、Cの後期タイプというわけ。その結果、スタートがP-80とは思えない猛烈な形になった。
このキットは、マッチボックスがプラモデルから撤退してちょっと経過したころに出回り始めたように記憶する。表面の感じや金型のユルさ、機種選択の面白さがマッチボックス的だと思うのは、私だけだろうか。



  さて作ろうか、と組み図を見る。パーツをどこに付けるのか超曖昧だ。色指定は外側だけで、それも大雑把。まあ、いい。だいたいで接着して、テキトウに塗ればいいのだろう。
太いランナーから大きなパーツを切り取りだす。機体表面の凹線は甘く太いマッチ風で、しかも凹線の両側がちょっと膨らんでいる。主翼とかの翼類は、どれも表面がふにゃふにゃしている。この表面クタクタ問題は、胴体は全面をサンドペーパーで均し、翼類は板に貼ったサンドペーパーでゴシゴシ削るだけで解消する。
細かいパーツはキレが甘く、型抜き勾配も大きいから、周囲を1回削るとイイカンジになる。
胴体後部の左右にあるエアブレーキは閉じた。プラ板を内面にいれて表面の高さを合わせ、周囲に生じる深い溝はパテを詰めてから溶剤でふき取る。こうすると、ちょうどいい深さになる。うまく出来なくても、後方だからテキトウで大丈夫。主脚前の扉もエアブレーキかと思うが、閉じてみると隙間だらけ。下面だから、どうでもいいが。
このキットのいいところは、コックピットが左右胴体の接着後に、主翼部分の開口部を使って下から入れられること。どこに固定するのか曖昧なのはマズイが、便利な組順ではある。
胴体左右は多少の食い違いで合うし、主翼の上反角不足は胴体側のフィレットを軽く削ることで改善できる。
主翼端の燃料タンク尾部のフィンはものすごく厚いので、プラ板に代替。タンク本体は先端をやや下向きに接着する。主翼中央のロケット弾入れはやや上向きに見えるので、そうする。
脚はいけない。前脚は取り付け部分がない。平らな板にテキトウに接着する。強度面で難があるので、あらかじめプラ板を下駄の歯状に立て、それで挟むように接着した。主脚の一方は取り付け穴が開いていなかった。ドリルで開けた。まあ、それだけのことだが。
組み上げに多少の手間はかかるが、楽しみ時間が長いキットだともいえる。おそらく、だが、組む人によって組みあがった感じの差が大きいだろうと思った。



  塗装は2種から選択できる。どちらも派手なものだ。基本は銀色。私はギラつくのが好みでないので、渋めに塗る。あとは黒とオリーブドラブを塗ると、だいたいオワリ。使う色数は、少なくて済んだ。
デカール貼りでは、主翼のロケット弾ポッドに重なる米軍マークと文字は、それに合わせて斜めに切って貼った。隙間は似た色で塗って補正した。



  無事に完成。なんともキレが甘い造形だが、面白い形だからOKだ。お手軽に作ってこのくらいだから、まあ合格だ。
F-94といえば倉庫のどこかに箱スケールのレベル製品があるはずで、発見したらそれも作ってみたい・・・と思っているが、このキットも「作ろう」と思って長い年月、机の横にあったから、この考えも怪しい。


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