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  A-10 A (アカデミー 1/72)

  by 加藤 寛之



 ちょっと前に作ったアカデミーのYF-16は、キットで見たときはハセガワ製品にそっくりだけれども独自キットで、まあ、あちらこちらガリガリと削り、穴を塞ぐのが面白かった。そこでこんどはA-10 Aを購入。これもハセガワ製品の凹彫り版という感じ。私はハセガワのA-10 Aを作ったことがないのでハッキリとしたことは言えないが、独自キットであろうと期待した。つまり、あちらこちらガリガリと削り、穴を塞ぐのだろうとの推定だ。

そのキットだが、コックピットは簡素で、計器類はデカール表現。機首左側にある梯子は開閉状態を選択式。エンジン正面で丸見えのファンブレードは周囲と一体成型で、組み立ては簡単でいいが、塗りにくそう。翼下武装はたくさん付属しているが、爆弾はあたると痛そうで私はきらいだから、パイロンだけを使うことにする。風防パーツは枠線が内面にあるのがチョットなだけで、形は充分にOK。デカールは2種あって、どちらも灰色濃淡塗装。一つは機首にサメ顔のマーク付き。いつものように、塗装指定はおおざっぱ。お値段は1200円だった(これは安い)。しかもガリガリ削りで充分に遊べることは間違いない。



組む。
コックピットの椅子は後から置くとして、それ以外をどんどん接着する。これを前部胴体下面と一体の組み物にしておく。組み図では左右胴体の接着と同時に組み付けるが、機首周りを接着せずに、まず胴体中央から後方を合わせて接着。その後に機首下面にある穴から計器盤を挿入して接着、さらに具合をみながら胴体下面と一体のコックピット組み物を胴体へ接着すると、胴体との位置調整がしやすい。錘は組み図にあるところへ大量に入れた。
機首先端のパーツは胴体とうまく合わない。ガリガリと削って、それらしくする。
コックピットに上がる梯子は、私は閉じた。扉を閉状態にする位置決めは慎重を要するので、これは開状態の方が作業も見栄えもよさそうだ。
主翼は下面が左右一体、上面は左右分割という普通のパーツ割り。どことなく全体が甘く、翼端の丸まったあたりは不細工。接着のガイドがないので、丁寧に位置を決めて接着。接着剤が固まったら、整形作業。翼端にある丸まった部分と後縁は、下面から削って薄くする。主翼上面は、胴体に近い辺りにある軽いゆがみを均し、後縁ギリギリをシャープになるよう削って均す。
胴体と主翼の接着では、内翼に下反角がつかないようにフィレットの接着面をガリガリと削って調整する。
主翼前縁と胴体との接点にあるストレーキは、なじみが悪い。胴体と接着後にガリガリと削ってそれらしく整形。
水平尾翼と垂直尾翼は、特に難なく接着。



後胴の背部に載るエンジンポッドは、組む順番は組み図でない方が整形しやすい。まずポッドの上下を接着。後端、前端を整形する。その後に内部パーツを前方からいれ、最後に前部パーツを接着する。エンジンポッドがその後ろよりもやや太いので、ガリガリ削って合わせる。形が変わるナ、と思っても削る。この一連の過程で、円形断面であるべきところが楕円形になっていても気にしない。ガタつきがなければきれいに見える。
エンジンポッドの組み物が整形できたら、胴体へ接着。ここでも胴体との整形が必須だが、「だいたいでいいや」で済ませる。
小物で注意したいのは、先端を強く下げてピトー管を接着すること。A-10は、主翼の取り付け角が-1度、水平尾翼は-7度。つまりA-10は、コックピットが高い位置になる姿勢で、常に機首を持ち上げて飛んでいる。ピトー管はその飛行姿勢での主翼と気流にあわせているので、地上では強い下向きに見える。私はさらに誇張して接着した。



塗装。
灰色の濃淡は、私には珍しく、専用色を購入して塗った。パネルライン周辺を軽く汚して、使い込まれた実戦機っぽくした。これは私にとってのA-10のイメージ。出来ることならば、配備が始まったころに存在した緑と紺の迷彩とか、まるで薄墨を塗ったかのような汚らしい塗装、緑の地色に白・青・薄茶のポンポン模様のとかにしたかったのだが、まあいいや。
デカールは薄いのはいいが、薄すぎてクルッと丸まりやすい。私は3枚ダメにした。機番は1枚を他の数字でごまかし、米軍マークの1枚は袖を手描きし、ライトである黄色線の1枚は下面用を使った。細かい注意書きは省略あるいはチョボチョボ書きで代替した。
出来上がってみれば、とてもイイカンジのA-10。充分にOKです。


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