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PERCIVAL PROVOST T.Mk１(MATCHBOX 1/72)

by 五六式(TYPE-56)

　レシプロ特集ということで倉庫に眠っていたマッチボックスのパーシバル・プロボストを作りました。ジェットじゃないよ，レシプロだよ・・・てことで。

＜実機について＞

　英空軍で1953年に採用された初等練習機。空冷星形９気筒ピストンエンジン(550hp)を搭載し，安定性と操縦性に優れ，エンジンの信頼性も高いという優秀な機体で，多くの英空軍のパイロットを育てた。本機を基にジェット化したものが，ジェット・プロボストである。
　英空軍以外では，アイルランド空軍が非武装の練習機として採用，また，武装型がマレーシアやスーダンなどのアジア・アフリカの国々で採用されている。

＜キットについて＞

　1976年初版で型番は，PK-30。おそらく，マッチボックスの30番目のキットということなのでしょう。2010年代からいくつかプロボストのインジェクションキットがリリースされているようですが，それまで約40年間，追随するものの無かった孤高のキットです。

　ほとんどの部品の精度は，良好ですが，水平尾翼と本体の接合部には，大きな隙間ができます。デカールは，英空軍とスーダン空軍の機体のマーキングを収録しています。

　無塗装で主要部品を借り組みするとこんな感じ。これが，マッチボックススタイル。

　何と，実機の解説文は，英文の次に日本語で書かれていると言う・・・。

＜製作＞

・よせばいいのに凸モールドのパネルラインを一部だけ筋彫りに置き換えてしまいました。←年寄りの冷や水ともいう。

・尾輪は，接着しろが小さいので金属線で補強しました。

・エンジンは，説明書通りの手順では入りません。カウルの内径が僅かに小さいためです。エンジンの部品のマウントの部分の削り合わせが必要です。五六式は，エンジンをカウルの後方から差し込んでみましたが，実際にやってみると，この方法も，組み込みが困難でした。

・カウル後端は，薄く削ってやりました。(赤い〇のところ)

・背面のアンテナを追加しました。

・主脚柱のカバーは，厚ぼったかったので薄くしました。(黄色い〇のところ)

・主脚のライトは，デコシールで表現しました。(青い〇のところ)

・排気管の部品は，金属パイプに置き換えました。(緑の〇のところ)

・デカールは，40年以上前のものでしたが，黄ばんでいませんでした。しめしめ，楽勝じゃ・・・。念のためにデカール保護のため，マイクロスケールのリキッドデカールフィルムを塗り，貼ってみたら・・・！・・・。

　透明なはずのところが白く濁ってしまいました。デカールの糊が，経年劣化で白い粉になっていたのです。そこで，

１　水に長時間つけてフィルムの部分が自然に剥がれるまで放置。もともとなのか，リキッドデカールフィルムのおかげか，ばらばらになることも千切れることもなくデカールが水に浮きました。

２　デカールの裏側の白い粉(水を含んでペースト状になっています。)を筆やティッシュでこすって取り去りました。

３　デカールの裏側に水で溶いた木工ボンドを塗って機体に貼り付けました。

４　ちっとも曲面に馴染まないのでドライヤーからの温風とマークセッターを併用してデカールを柔らかくして貼り付けました。

５　貼り付けた後も，しつこく縁が浮いてくるので何回か４の行程を繰り返しました。

　この作業は，たまたまこのキットのデカールのフィルムが丈夫だったから可能だったことです。マッチボックスの古いキットを持っている方がいましたら参考にしてください。もし，脆いデカールが付いていたら，別売りデカールを探すか，ラウンデルだけ他のキットからもらってきてそれだけ貼って我慢するか，達人になって手書きでマーキングするか・・・無理じゃ・・・。

＜完成＞

　主翼と尾翼の構造やデザインは，ジェットプロボストに継承されています。

　キャノピーは，何も手を加えなくてもぴったりと組みこめました。

並列復座機で，固定脚でアンテナ線が無くて，翼は，ジェット機でも使用という古いんだか新しいんだか分からない飛行機です。

　脚庫や脚カバーが無い分だけ組み立てが楽・・・でもなかった・・・。

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