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特集 F-14 TOMCAT

 ジョリー・ロジャース・トムキャッツ 
(エフトイズ&トランペッター 1/144)

by Windy Wing 2013



今回はアメリカ・グラマン社F-14Aトムキャットの中から、ナンバーワンの人気部隊である米海軍第84飛行隊「ジョリー・ロジャース」所属機を2種ご紹介いたします。


<1/144 F-14Aトムキャット/ジョリー・ロジャースVF-84/1989>
(キット:エフトイズ・トムキャット・メモリーズ/兵装・デカール:トランペッター)



今日、「ジョリー・ロジャース」のF-14Aトムキャットにその名を成さしめたのには、映画「ファイナル・カウントダウン」に完全生出演する、という米海軍広報部の粋な計らいも一役買っているのではないかと想像します。1986年の大ヒット映画「トップガン」でマーベリックやアイスマンらが搭乗するF-14Aは一応、USSエンタープライズ艦載機という設定にはなっていましたが、実際には複数の機体が入れ替わり覆面使用されていたのに対し、1980年公開の本作では徹頭徹尾、USSニミッツ艦載の「ジョリー・ロジャース」所属機がその海賊旗を惜しみなく披露してくれていました。映画としては「トップガン」と同様のB級脚本で、とても真面目に観れたものではありませんが、私にとっては80年代の「空飛ぶトムキャット」として、あるいは「働くニミッツ甲板」として、極めて資料性の高い一本となっています。



今回はまずエフトイズのフィギュアにトランペッターのデカールを使用して、そのVF-84所属機の中から空母セオドア・ルーズベルト艦載のダブルナッツを再現してみました。エフトイズはそのコレクション・シリーズの中で何度かF-14Aの金型を起こしていますが、ここで使用した<トムキャット・メモリーズ>のフィギュアは最新作とは言いながら、あいかわらず機首が太短く、本機の精悍さをまったく感じさせないダメ造形です。あるいは、ブリスターに合わせるためのサイズ制限があるのかもしれませんが、同社高価格帯の商品として一般的にはあまりオススメできるセットではありません。


<1/144 F-14Aトムキャット/ジョリー・ロジャースVF-84/1984>
(キット:トランペッター/デカール:エフトイズ・トムキャット・メモリーズ/兵装:ドラゴン)



一方のトランペッターのキットは1/144としては最後発で、発売がアナウンスされた当時は多少なりとも期待をしたものでした。造型は的確でデカールの品質も良好ですが、モールドはやや浅く、細かいバリが目立つ、排気孔周囲などの構成が下手、付属する兵装は最低限、など、メーカーとしてなお未熟な印象を拭えません。基本的にそう悪いキットでもないのですが、先発の<レベル/ACE>社の製品と比較して、その2倍ともなる価格を納得させる「売り」をこのキットに見い出すのはいささか困難です。



1983年以降、完全低明度迷彩を施されたF-14には黒尾翼が許されなくなった機体も現れ、ついには伝統のスカル&ボーンさえも一時、白黒逆転させられてしまいました。私の知る限り、大戦から長く続いた「ジョリー・ロジャース」の歴史において「白くない骸骨」をペイントした戦闘機はこの時期のF-14以外には存在せず、その意味ではエフトイズ付属の1/144デカールはなかなか貴重なものではないかと思います。ただし、しょせんはフィギュアのおまけデカールなので、マークソフターに反応しにくいテカテカのフィルムであることは覚悟しておかねばなりません。



F-14トムキャットはその人気のおかげで、プラモデルとしては1/144だけでも<LS/アリイ>、<ドラゴン>、<アカデミー/ダイソー>、<レベル/ACE>、そして<トランペッター>などの製品が種々のデカール・バリエーションで入手可能ですが、個人的には上記の点から<レベル/ACE>のキットをイチオシします。ただし<レベル>の製品については「同じような青箱でも製品番号が異なると別の金型を使った製品が入っている」という噂を聞いたことがありますので、購入時には留意してください(私の手持ちの中では、<レベル>の製品番号【4021】「F-14Aジョリー・ロジャース」と製品番号【4029】「F-14Aブラック・トムキャット」は「良い金型」の方でした)。


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