Home  > ベル XFM-1 エアラクーダ (レアプレーン 1/72)> 特集試作機>2022年5月号

特集 試作機

 ベルXFM-1エアラクーダ (レアプレーン 1/72)

  by 翔バナイカイ 栗人@ケータイ



 米軍のゲテモノ試作機です。昔のSFに出てくる悪役メカのようなフォルムを初めて見たときから作ってみたいと思っていた機体でした。実は10年ほど前に完成した作品で、2018年のSHSにも出展させて戴いたものですが、「試作機」のお題の下に今回投稿させて戴きました。



  本機では主翼上面に置かれた推進式エンジンナセルの前面から突き出しているのは37mm機関砲。その運用構想は、敵爆撃機編隊の後方、防御機銃射程外に居座り、37mm機関砲で敵爆撃機を次々ねらい打ちするというもの。そして機体設計には1930年代当時の最新技術が色々盛り込まれています(*)が全体としては「木を見て森を見ず」の内容となり結局「役立たず」の駄作機で終わりました。
(*)・排気タービン装備

・ジャイロ制御で37mm機関砲の姿勢を安定
・37mm機関砲を副操縦士がコクピットからリモコン照準して自動発射(ナセルキャビン内の搭乗員は機関砲への砲弾装填手です)   



 制作したレアプレーンのキットはバキュームキットです。最近バロムからYFM-1の簡易射出キットが出ましたが、形はやはりXFM-1の方が面白いのであります。とはいうもののバキュームキットの常で、提供される内容は機体構成のおおまかなものだけで「あとはお任せ」。今でこそネットで図面や細部写真等、色々入手できますが、これを制作した当時はまとまった資料などほとんどなく、洋書店で記事を見つけてはそこでメモしてくるということを繰り返していました。



 キットのフォルムは良好(レアプレーンの図面を信じた限り)。機体内部、エンジンナセルの細部、脚関連や武装等はほぼ全てスクラッチしました。またコクピットキャノピーはキットを入手した時点でパーツがゆがんでいたので泣く泣く塩ビをヒートプレスしています。パネルラインはスジボリしましたが、機体各部の搭乗ハッチはプラスチックテープを切り出したものを貼り付け「モノグラム風浮き出しパネル」にしたつもり。主脚では主翼への取付部から真鍮棒を主脚柱の中を貫いて主輪の中まで通しており、機体重量を充分支えられるようにしています。 

塗装は、トーンに差を付けた銀を数種類使用。さらに部分的に筆で筋を入れ込んでいます(圧延表現に見えればお慰み)。
最後に制作してみてどうだったかと問われると「苦労したが楽しかった」です。


キャビン周り。
搭乗員は前部胴体に正副操縦士をタンデム配置、後部胴体に通信士兼銃手1名、加えて左右のエンジンナセル前方に装填手を各1名で、計5名です。


ナセルキャビン周囲のアップ。
 推進式ペラのため本機ではナセルキャビン搭乗員(装填手)の緊急脱出方法が問題になりました。そこで、パイロットがペラをフェザリング操作した後で装填手はナセルキャノピー下の搭乗ハッチから脱出する手順でした。ところがフェザリングでペラが止まるまで6秒間待たねばならず、当時のテストパイロットは「それは彼の人生で最も長い6秒になる だろう」という手記を残しています。


斜め下から。ナセルキャビンがいかにも重そうな雰囲気です。


下面全景。「U.S.ARMY」のデカールがちょっと黄変してしまいました。



  Home>ベル XFM-1 エアラクーダ (レアプレーン 1/72)> 特集試作機>2022年5月号
Vol.165 2022 May.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
         editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集1

TOTAL PAGE