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特集 SF・アニメロボ

 Flying Sub (Aurora 1/60)

by 大山 盛幹



 Flying Sub と聞いて「ああ、あれか。」とピンと来るのは、おそらく60代後半以上のモデラーでしょう。
Flying Subは、テレビ映画「原潜シービュー号 海底科学作戦」に登場するメカです。1964年~1965年まで、NET(現テレビ朝日)で「原子力潜水艦シービュー号」のタイトルで第1期が放映されました。
第2期は放送局が変わり1967年~1969年にかけて、東京12チャンネル(現テレビ東京)で、「原潜シービュー号 海底科学作戦」のタイトルで放映され、Flying Subはこの第2期放映に登場しました。



Flying Subはシービュー号の艦首展望室の下部に搭載され、空も飛べるマンタ形(家族からはどら焼き型と言われてしまいました(笑))の小型潜水艇です。潜水状態から海面に浮上しそのまま飛行に移ることができ、また逆に飛行状態からそのまま潜水に移る能力を備えています。Flying Subの設定は、全長10.66m、全幅10.9m、全高2.74m、重量56t、水中での最高速度は60ノット、空中での最高速度はマッハ2 となっています。映画が製作された時期を考えると驚かされるのは、Flying SubはF-16並に座席肘掛けに備えられたサイドコントールスティックにより操縦するということでした。乗員は原則2名で、主にネルソン提督やクレイン艦長が搭乗していました(キットにはこの二人のよくできたフィギュアが入っています)。



  キットは1964年にAuroraから発売されたもので、1979年にMonogramから、そして日本のTsukuda Hobbyからも同じ金型で1989年に発売されております。最近では、Flying SubはMoebius Modelsから1/32の大型モデルや1/128の小型モデルも発売されております。
このAuroraのキットは、映画の設定サイズからすると全長は表示通り1/60ですが、全幅は1/57程度で大きいため、左右を少し角ばったように削ると1/60になりますが、作例ではキットのままとしてあります。
完成すると少年時代のイメージ通りのFlying Subになります。組み立てはパーツ数も少なく、素組であれば半日程度で完成させることができると思います。しかしながら、当時としては珍しくキャビンのトラス構造をはじめとした内部が再現されており、完成後は中央部が外せて、内部が見えるようになっていますが、エンジンルームはエンジン2基とルーム中央のメーターパネルだけの貧弱なものですので、モデラーの悲しい性でフィクションながら追加工作をしました。



 まず、キャビン内は、床の特徴的な六角形のパーツ、並びに座席右後方のパネル(テレビでは丸い窓を通して原子力の炎のようなものが見える)を自作しました。エンジンルームは前述のように非常にあっさりとしたのもで、中央の手摺付の通路、エンジン前の補器類をそれらしく自作しましたが、1/32のMoebius Modelsのキットでは中央通路はトンネル仕様となっていました。上下のハッチは丸いモールドに開閉ハンドルを接着するだけでしたので、上部ハッチだけですが、プラ板積層から削り出し開閉用のアームとスプリングを付けそれらしく工作しました。前方左右にあるライトは、透明パーツを埋め込むだけですので、円形のプラ板にクロームシルバーのミラーフィニッシュを貼ったものを接着してライトらしくキラリと光る感じを光る感じを再現しました。



 塗装は、内部はグレーで、キャビンとエンジンルームとはグレーの色調を変えてみましたが、キャビンはもう少し明るいグレーにしたほうがよかったようです。外部全面のイエローはMr.カラー№329 FS13538、ブルーはMr.カラー№326 FS15044を使用しました。上面のみ全体のイエローより濃い目のMr.カラー№109キャラクターイエローでグラデーションを入れ、最後にクリアーとフラットベースを混ぜた自作のトップコートを吹き、艶を整えましたが、写真ではあまり判らないようです。



資料は、大日本絵画「空想科学画報Vol.1(2008年)」、「空想科学画報Vol.2(2009年)」の2冊を使用しました。




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