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特集 試作機

 キ93試作地上襲撃機(A+Vモデルズ 1/72)

  by 入江健次



 キ93襲撃機は昭和18年に試作が開始され、当初は対地攻撃が目的であったのですが、19年には戦況から、対艦、上陸用舟艇攻撃に切り替えられて進められたとの事です。二基の水メタノール噴射のハ214で6枚ペラを回し、層流翼の採用で計画最高速度は624km/h。。重武装で57mm砲1門(胴体下面のふくらみに20発の弾倉)と両翼付け根の20mm砲が2門です。(航空ファン別冊 太平洋戦争・日本陸軍機 昭和62年、文林堂発行参照)
 視界を良くする為に操縦席を最前に配置し、日本機離れしたデザインと言われますが、同時期の設計の双発日本機は銀河や、キ83など見ても、同じ思想が感じられます。皆、大変美しい機体です。そしてこのキ93には力強さが加わり、正に重攻撃機のたたずまいです。



 その独特で魅力的なスタイルに惹かれ、このレジンモデルを東京の下北沢のサニーさんで購入しましたのはずいぶんと前でした。A+Vモデルズというチェコのメーカーの製品です。今はもう存在しないメーカーなのでしょうか。
 最近でも東欧のメーカーは三面図と少ない写真だけで珍しい機体を発売してくれますので応援したくなります。



 皆様はレジンキットは作られますか? 私などはプラキットで出なさそうな機体がレジンキットであると、つい買ってしまうのですが、その後、プラキットが発売され、結局作らないパターンが多いのです。今回確認しましたら、メカドールの烈風、キ87、なども在庫しておりました。

 レジンキットは経年変形が懸念されたり、塗装の為の表面処理、部品の接着など工数が大変ですので出来れば作りたくありません。元々はミニカーマニアの為のレアモデルコレクション用材料だったと思います。




 製作は、ペーパーがけが作業の大半です。そして翼の上反角を決めて瞬間接着剤で固定します。大きい隙間はラッカーパテで埋めました。ポリパテは20年ぐらい経ってスキマが出来たりするので、あまり好きではありません。その後、スジボリとリベットを追加しました。

 キャノピーはバキュームフォームのパーツがついてましたが、まったく合わずフィッティングに時間がかかりました。



 イモ付け指定のプロペラは引っ掛けて壊れると思いましたので。回るように改造しました。

 尾輪はひどく華奢なレジンパーツでとても機体を支えられず、真鍮線とランナーから自作しました。とにかく、大きい機体でレジンですからとても重いのです。 



  形になったらレジンキットは立体塗り絵です。塗装はレジンモデルの基本通り、塗装表面になる部分は全体にきっちりペーパーを当てて、プライマー、サフェーサー下地塗装で傷があればパテでならしてを繰り返しました。
 機体色は好みで灰緑色として防眩塗装は写真どおりにしましたが、実機の写真を見てみると翼前方の味方識別の黄橙色より機体色は暗く見えますので、暗めのオレンジか、灰褐色なのではないでしょうか。日の丸、味方識別帯、防眩塗装は筆塗りで行いました。



 購入から20年ぐらいの時を経て作製しましたが、購入時に想像した出来上がりを実現できた事は模型製作でいつも感じる喜びでした。
この模型はレジンのムクでソリッドモデル的な存在感を感じます。
これを機に他の在庫のレジンキットも作るべきとは思いましたが、やっぱり最新のストレスの無いキットが作りたいと思うのです。





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