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特集 バラエティモデル

 ソーダ自販機(Doozy modelworks 1/24)

by 素組亭気楽



 Doozy modelworksというブランドをご存じだろうか? カーモデルに興味のない方、また興味ある方でも日本車中心のモデラーには馴染みが薄いと思う。
 このブランドは、著名なモデラーである奥川泰弘氏が立ち上げたもので“アメリカの風景をジオラマに”がコンセプトである。1/24スケールの自販機、ガスポンプ、公衆電話などなど、方向性が明確でエッジの立ったアイテムを展開している。話のネタにでも、是非ラインナップを確認して欲しい(M.SModelsさん等が在庫販売している)。ちなみに、奥川氏と言えば、書籍“ランドスケープ・クリエイション”が有名である。腰を抜かすクオリティの作例とハウツー満載で、カーモデルのジオラマに救いをもたらした福音の書である。ジオラマよ、あれ。そしてジオラマがあった、という事である。神である。
 さて、本記事はその堂々のラインナップの中から自販機のひとつの紹介であるが、内容はもはやどうでもいいのである。本ブランドの紹介こそが、シェパードたる私の使命であり、すでに成されたからである。つまり、以下は蛇足なのである。
 本キットは、いわゆるレジン製で1パーツ構成である。必然的に組み立ては無く、気になった箇所をちょっとヤスリがけする程度で良い。ディテールは申し分無し。流石の出来である。同梱のデカールは厚手のしっかりしたもので、地色が黒でも透ける事は無い。ユーザー目線での細かい気づかいに感謝である。実は、本品が生涯初のレジンキットであり、いろいろと勝手が違って手間取り、完成度もイマイチだったのだが、まあ、いい試練だったと満足している。
 今回は、ジオラマの構成要素でなく単体として作ったので、ウェザリングはせず完成とした。写真にあるサニートラックは1/24同スケールでの比較用に置いたもので自販機とは関係ない。それでも、車と並べただけで、いつか気の利いたジオラマを作ってみたいという気にさせる逸品であった。 



 ここで話は大きく脱線する。このブランド、当初は自主展開であったのはずなのだが、いつの間にかAKインタラクティブが代理店となっている。「何故だ!」と私は嘆くのだ。日本のメーカーとて世界展開しているし、カーモデルもガレージキットも販売している。どうして代理店が日本メーカーでは無くてAKだったのだ。気分はシーザス・クライスト・スーパースターである。また、最近、新製品が追加されたのだが、火炎放射器とかクロスボウとか物騒な代物ばかりである。スケールは変わらず1/24。最初見た時、「御心は何処に?!」と唸ってしまったが、よく考えるとオールデイズの牧歌的風景もアメリカ、突然の銃乱射で死人の山というのもアメリカの風景なのである。コンセプトにマッチしないとは、必ずしも言えないのであった。でも欲しかったのはコレジャナイ。まさかAKが妙な方向に引っぱっているのでは無いだろうな。
 最後に祈りである。日本のメーカーさん、同様のシリーズを日本の風景で作って欲しいのである。Doozyは素晴らしいのだが、いかんせんアメリカ物であって国産車には合わせ難い。1/24で日本のガソリン計量機、ポリ灯油缶、缶コーヒーやタバコの自販機等、何とかお願いできないだろうか。特に、ハセガワは1/12で何種ものレトロ自販機をキット化し、遂には禁断のエロ本自販機まで売り出すに至っている。そこまでやったのなら、もはや怖いものはなかろう。カーモデルジオラマの使徒となり、迷える我らのために、海を割っていただきたいのである。出たら3個ずつ買いますんで。


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