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Fw190-D (レベル 1/32)

  by 加藤 寛之



 今回作るのは2回目。1回目は、国内新発売から間もないとき。ところが組むだけで難しく形が整わなかった。「キットが悪いのだろうか・私が悪かったのだろうか」は分からなかった。この度、友人からキットをいただいたので、作ってみた。

  キットのパネルラインは凸モールド。荒いけれども、この時代らしい味である。機首パネルの一部は接着せずにエンジンを見られる設計になっている。エンジン内蔵とはいえ実感に乏しいが、これを組まないとプロペラや排気管が取り付けられない。コックピットだけでなく、細部再現は現代の72キットよりもはるかに単純だ。外形もいま一つ・二つ。主翼や尾翼の後縁は凄く厚く、かつ表裏とも後端を丸く成型してあるので内面から削って薄くすることも出来ない。主翼平面形はボ~っとしているし、厚みの変化も難アリだ。プロペラは幅が広すぎる。まだあるが、テキトウに直したり調整したりしながら、さっさと組もう。



 まず、胴体を組む。エンジンは見せないことにするのでテキトウに組み、排気管周辺と周辺の機内を黒く塗っておく。開閉式のエンジン部左側板は、左胴体パーツに接着しておく。コックピットはテキトウに塗って終了。尾輪は後付けできるので、エンジン周りとコックピット周りを組み込んで、左右胴体を接着。このときにコックピット床板と胴体左右をしっかり接着して、胴体幅を固定する。これで上反角が決めやすくなる。
 機首上面パーツは銃口付近で切断して二つに分け、実感があるようにした。機首のラジエーターカウリングにあるカウルフラップは、筋彫りをハッキリさせた。機首右にある吸気口は形がおかしいけれども、これはそのまま。形が目立たない塗装にすればいい。
 主翼は、一体の下面と上面左右の3パーツ構造。胴体とのかみ合う突起が邪魔になりそうなので、これを切除して主翼を組んだ。主翼パーツの上反角が弱そうだったが、胴体との接着で持ち上げればなんとかなるだろうと思った。これが甘かった。これから組む方は、脚庫の間にある壁を中央で切り離しておくことをオススメしたい。



 胴体と主翼との接着は、まず胴体と接する前と後ろから。高さを合わせて接着。その後で上反角を付けながら上面をフィレットに接着する。ところが前述の壁が障害になって、プラの弾性で歪みはするが主翼に充分な角度がつかなかった。 どうする? 対策として主翼下面パーツの中央軸線にそってノコを入れ、隙間にプラ板を入れて上反角を強くした。傷には伸ばしランナーを入れて瞬間接着剤を流し込み、すぐにガリガリ削ってカスとともに固めた。これを3回繰り返して概ね埋め、それからパテで滑らかにした。
 主翼など翼類の後縁の厚さは解消できない。下面から削り上げて、まあまあくらいに薄く見せるようにした。プロペラはブレード幅が広すぎるので削って狭め、厚みも改善しておいた。そんなこんなで、形にした。
 最初に作ったときとの大きな違いは、強度第一で組んだこと。ちゃんと接着したこと。長年のプラモ精進で、そう組めるようになった、ということでもある。



 塗装は変色しているキットデカールから離れ、簡単なものにした。
現代的な色考証で塗っても最近のキットと比べられるだけだから、このキットの時代感を出すことにした。色は、ダークグリーン、ブラックグリ-ン、ライトブルーにした。凸モールドを強調するために塗装後に2000番のサンドペーパーで擦ってプラを僅かに露出させ、角には軽く銀を擦って縁取り効果を加えた。擦り傷は、最後にクリアを吹き付ければ消えるから問題ない。デカールはテキトウにその辺りから集め、多少のサイズ違いは許容範囲とした。それでも足りないものは筆塗りしてごまかした。

 完成した。「組みやすいキット」とはいえないまでも、最初に作ったときのガタガタはこちらの技量不足が原因だったようだ。どこもガタピシしない。猛烈な表面モールドは模型感抜群で、実にいい。精密でツルッとした現代のキットにはないプラモデル感が溢れている。いいのが出来た。


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