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誌上個展

<日本航空史> 零式水上偵察機の気化器空気取り入れ口

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム

 零式水上偵察機の気化器空気取り入れ口は、私にとってずっとナゾがある。『世界の傑作機』№207が零式水上偵察機だったので、予定を変えてここで書いてみることにした。答えを知っている方はぜひ、私だけでなくWebモデラーズ読者の皆さまへ広く教えてください。



  さて、エンジンカウリングの上にある気化器空気取り入れ口なのだが、普通は1個。ところが『世界の傑作機』№207で示せば、p.37上の機体は2個ある。零式水上偵察機の写真をみると、2個ある機体が多いとは言わないが、少なくはない。同p.68上、p.70下、p.71中、p.72上も2個だろうと思う。そしてなんと、マルサンの名キットにあげられる1/50零式水上偵察機のキットは、この2個タイプなのだ。マルサンのキットは2個を別パーツにしてあるが、実機はどうやら上からみるとU字型のようで、胴体に入るところでは1本にまとまっているらしい。2個がやや左右両下がりなところは、どの2個タイプにも共通しているらしい。p.37上の機体はカウルフラップの一部を欠いてぶつからないようにしてあるが、全機がそうだとは言えないと思う。気になる方は、『航空ファン』1974年8月号、『丸』昭和46年9月号、『丸 エキストラ版』№79の巻頭グラビアもご覧いただきたい。
新知識もあって、『世界の傑作機』№207、p.31下の機体は、台形をしている。p.31上の機体も、どこか形が違うように見える。プラモデル・マニアとしては、ちょっと気になる。
オマケを書くと、零式水上偵察機の風防直前の胴体は、左右をそぎ落としたような断面形になっているようだ。カウリングから風防にかけて高く設計してかつ左右をそぎ落とし、視界を良くしたのだろう。上述の2個タイプの気化器空気取り入れ口が左右両下がりなところも、もしかしたら視界に関係しているのもかもしれない。

写真は、マルサン1/50零式水上偵察機のキット箱絵と組み図の一部。




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