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特集 ハセガワ48

Bf110Gナハトイェーガー 第4夜間戦闘航空団 第一中隊 (ハセガワ/レベルモノグラム1/48)

  by 寿



 ゴキゲン最高モノグラム。
という訳で、いわゆる「ハセ・モノ」のメッサー110であります。お題がハセガワなのにモノグラムを出すというひねくれ者ではありますがご容赦いただけるのでしたら幸いです。ってーか「ハセガワのヨンパチなんて掃いて捨てるほど持ってるくせに何故コレ?」とか言われそうですが、作りたいときが作るとき。モデラーにとって衝動とモチベーションはとーっても大切なのです。



 さて今回は独逸御謹製夜間戦闘機の”ハイフィッシュ”であります。ハイフィッシュと言えば英語圏ではサメの意味なのだとか。つまり此奴は夜に泳ぐサメじゃね。たとえ昼間でも海の中では出会いたくはないなぁ。



 ドイツの夜戦といえば全面ライトブルーのちょー地味な機体塗装というイメージですがコイツはちょびっと派手なシャークマウス仕様。Bf110の戦隊で1940年ごろの第76駆逐航空旅団の所属機は緑の迷彩に同じシャークマウスを描いているカラー写真がありますが、もしかすると同じ流れから来ている機体かもしれないです。シャークマウスというとアメリカを思い浮かべますが実際はアメ公の方が独逸のコレを真似たらしいです。コチラが本家本元ちゅう訳ですね。



 それはそうと独逸でサメって言われても今ひとつピンと来ません。独逸に面した海でサメ居たのかな。どっちかっつーと南方の魚という先入観があって地味に違和感あります。わたしが知らないだけなのかもしれないし、北方にもうじゃうじゃ居るのかもですね。



 ちなみにHs129の試作機に同じくシャークマウスっぽい塗装をした写真があるけれど、コチラの塗装は「カワカマスの口」と呼ばれていたそうな。ほほう、な~るほどね。確かにヤツは咬むわ。実際カワカマスはすんごい牙あるし現在でも足咬まれて何針も縫ったとかニュースで聞くもんね。



 ちうことはコイツの口もカワカマスなのかな。夜漁にやって来た漁師(爆撃機)を水面下からガブっと咬むとか、そういった意味合いなんでございましょうか。



 いずれにしてもサメだろうがカワカマスだろうが真っ暗な水の中では出会いたくありませんな。水に入るときには平穏にチャプチャプと釣りだの泳ぎだのに興じたいものであります。  


製作の詳細

(写真1)ハセガワレベルモノグラムのBf110。長い名前だ。でも中身はモノグラムなので「ゴキゲン最高」のフレーズが使えるのであります。


(写真2) メリハリの効いたパーツが密集したコクピット。嗚呼、キャノピーを閉めると見えなくなってしまふ。これっきりなのですね、勿体ないのう。斜銃のモールドなんて現在のメーカーと並べても遜色ない出来でコレだけで飾っておきたいくらいだしね。


(写真3)水平尾翼を付けたら主翼と交差する形で斜めに歪んでいることが発覚。何故じゃ、と悩んでたら胴体が緩やか~に右回転してた。回転するのはプロペラだけでいいんだよ、まったくもう!
 プラ材が柔らかいのでアチコチ歪みやヒネりがあるのがモノグラム。これも個性じゃ。フォースに任せて矯正したら「べきっ」とか音がしたけれど気にしな~い。割れた部分にプラ板でクサビを入れた後、瞬間をだばだば流し込んで修正完了です。
(写真4) ムダにバラバラのキャノピー。絶対に合わないだろなって確信がある。このパーツの状態でビタッと寸分狂いなく組み上がるのはタミヤくらいのもんだよ。密閉するよりも開放状態の方が簡単でしょうね、多分。けれど男には無茶と分かっていても挑まねばならぬ時があるのです。
 まぁこれもモノグラムのサービス精神の発露なのだよ。そう思えば許せる気もする。


(写真5) 削って仮組みしてまた削って押し込んでまた外して、押し広げてねじ込んでまた外してを繰り返した挙げ句ようやく形になりました。キャノピーの材質も柔らかかったので助かった。押し込んでる最中「絶対割れた」って思ったことが何度かあったもの。
 でも後から考えたら柔らかいのでびみょーに歪んでいたりするのでわ?

(写真6) 今回はマスキングテープ貼りまくりです。まったく何でドイツ機ってキャノピーの窓枠こんなに多いんだろ。きっとドイツのヒコーキ設計者にモデラーは居ないね。居ても多分戦車のモデラーに違いない。ヒコーキは窓枠多い方がエライとか思ってんじゃないかしら。


(写真7) 形になったらいつものように先ずはスミ入れから。途中経過の中では一番きちゃない状態だけど逆にここまで汚せば「どーなろーとも知ったことか」って開き直れる気がする。
 模型制作に勢いは必須条件なのであります。

(写真8) 下面色が上面に回り込んでいる部分を塗ってマスキング。


(写真9)グレーバイオレットを吹いた後にまたマスキングしてグレーグリーンをぷーと吹く。ああもう今回はマスキング大会じゃのう。

(写真10) タイヤにはびっくりするくらいに克明なロゴが刻印され、Bf110の脚特有の逆ハの字に傾斜した自重変形仕様となっております。この濃い表現力が「流石モノグラム」。わたしとしては「きゃーステキ」と喜ぶ所なんですけれどコレがヤダとかいうお方もいらっしゃって、世の中はやはり広いもんだとしみじみ思う次第。


(写真11) 今回最大のヤマ場、レーダーアンテナの装着であります。支柱にピンバイスで穴開けて真ちゅう線を押し込む。後は機首にも穴開けてネジ込むだけ。でも四本分の角度決めがめちゃ面倒クサイ。勘弁してくれって感じです。


(写真12) 何だかんだあったけれどようやく完成。今回はメチャ長い戦いだったよ。完成間際に機体の真上から接着剤を一瓶ぶちまけて「エラいこと」にもなっちゃったし。しかもネトネトネバネバのヤツ。机の上はモチロン、シャツや椅子や床の上にまでふんだんに浴びせかけちゃってもータイヘン。ほぼ満杯の瓶は空っぽに。衣服も床もそこら中がねーばねば。でもそれどころじゃないよと作品優先で可及的速やかに救出作業であります。
 反射的に拭き取ったけどあっという間に侵食されてプラの表面がぐにぐにになっちゃった。恐るべしタミヤセメント。リカバーに丸二日かかっちゃったもんね。
 主翼と水平尾翼だけで済んでまだ良かったよ。これでキャノピーやレーダーアンテナに被害が波及してたらもう投げてました。ある意味ラッキーだったけれどそれなら端から接着剤ひっくり返すなって話です。
 勝負は勝利を確信したときが最大の危機。皆様もお気を付け下さいませ。





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