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製品紹介  『3』の持つ意味

by 英一・ハルトマン


定番のアングル。写真が下手すぎ。

【プロローグ】
 日本人(だけでないかも知れないが)は、とかく数字に意味を見出そうとするように思える。ラッキー7であったり、語呂合わせであったり、ゾロ目であったり… その昔、銭湯の下駄箱は、人気のある野球選手の背番号から埋まっていき、なかなか自分の贔屓の選手の下駄箱は使えなかったものだ。 中でも人気があったのは『3』番。そう、長嶋茂雄の背番号であった。

【主役;ヘッカー&ゴロシ製 1/32(54mm)ドイツ戦車兵】
 何十年まえになるだろうか、たしか模型雑誌に取り上げられていた。この自然なポーズ、右手で左腕の袖をまくり、口を開いて何か叫んでいる。「左腕、痒いーーー」とでも言っているのであろうか… 一目惚れした。どうしても欲しくなり、もう忘れてしまったが、刑事の訊き込みの如く模型屋さんを這いまわり、手に入れたのだと思う。早速塗装し、タミヤのⅣ号戦車に乗せてみる。う?!合わない。大きさが合わないのだ。これでは『進撃の巨人』になってしまう。MMシリーズのサイズが1/35であることをこれ程呪ったことはない。『3』を甘く見た。
たった『3』の差だが、その持つ意味は、意外と大きかった。  


主役、塗り直しだな~

【ベース;モノグラム 1/32 ドイツ Ⅳ号戦車j型】
 惚れた女にもう一度会いたくなる… そんな気持ちから、フィギュア在庫箱に放り投げられた戦車兵に会いたくなった。そのためにはどうしても1/32の戦車が必要。頭に浮かんだのは、戦車兵に出会うさらに大昔、少年時代に作ったことのあるこのキットだ。説明書には1969の文字がある。オークションで安く出回るのを海底のアンコウの如く待ち、購入した。
 古いキットだけに考証やディテールのことは考えてはいけない。しかし、さすがはモノグラム、出来上がると、ちゃんとカッコイイⅣ号戦車になる。穴が開いたシュルツエンが付属し遊び心もある(この大穴だと撃破されてるようだが)。出来の良い戦車兵も2体付属(こっち使ったら本末転倒)。


単調さを避けるため、シュルツエンの1枚だけレッドブラウン1色とした。

【製作】
  戦車兵は過去の塗装を剥がし、頭部、胴体、両手をばらしてから再塗装した。知識がないので、適当、シャツをマウスグレーに見立てたニュートラルグレー、ズボンとキャップをブラックとし、ハイライトを入れた。目は記入せずブラックのスミ入れ、肌色は陰影とハイライトを入れたが、暗くなりすぎて、日焼けしたチャラ男のようになり、せっかくのイメ面が台無し。いつかまた、塗り直したい。
細かい塗分けはあまりできず、自分の眼力ではこの程度が限界と認識。
ちなみにこのフィギュアは金属製です。
 Ⅳ号も細かいところは気にせず、ほとんどストレート。代わりに荷物を積んだりして楽しんだ。塗装は3色迷彩さが、レッドブラウンとダークグリーンは少し薄すぎたようで、ウェザリングでかなり見えなくなってしまった(写真だとより顕著に)。


戦車でも航空機でも艦船でも、この角度が一番好き。(私だけ?)

【エピローグ】
 完成品を眺めていると、何やら戦車兵が笑っているように見えてきた。
一体のフィギュアのために戦車を作る…  そんなプラモライフが在っても良いのかもしれない。


古くてもカッコイイ!完成させることが大事。

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