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誌上個展

<日本航空史> マルガ・フォン・エッツドルフ

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム




 この女性パイロットについては資料がなかなか見つかりませんでした。断片を集めてなんとか書き進めていたところ、小間奈々子「マルガ・フォン・エッツドルフ 記録飛行に挑戦したドイツ人女性パイロット」がWeb上に公開されていました。それまでの私の作業など全くの無意味だった詳細な内容で、この論文を大いに参考にしてまとめ直しました。
 エッツドルフさんは、飛行免許を取得し、ルフトハンザで定期空路飛行勤務に就いたそうです。退職後にも、いろいろなタイプの飛行機の操縦を学んだそうです。
 24歳のとき、日本への単独飛行に挑戦します。現在の飛行機のように長距離を飛べるわけでなく、ルート確認はむき出しの操縦室で地上の景色で場所を確かめながらの飛行です。1931年(昭和6年)8月18日にベルリンを飛び立ち、ヨローッパ、アジアの各地を繋ぎながら大陸を経由するルートで、8月29日に東京に到着しました。当時の新聞社は、その飛行を次々と報道していたことから、大歓迎を受けたそうです。掲載写真の①はいつのものかは分かりませんが、歓迎に並ぶ人並みに女性がたくさん。②は男性が白いスーツなので、8月の来日頃でしょう。③は背後の男性は暗い色のスーツです。10月14日撮影とメモがあるので帰国日の写真です。ネコはマスコットだそうですが、連れて帰るのでしょうか。







  エッツドルフさんは2か月ほど滞在して各地の観光をし、既述のように帰国への飛行を10月14日に始めたそうです。ちょうどこの時に来日していたリンドバーグ夫妻ともお会いしたそうです。帰りは南回りでしたが、4月17日にバンコクで飛行機を壊し、飛行での帰国は断念したそうです。
 エッツドルフさんは帰国後も飛行を続けましたが、オーストラリアへの挑戦飛行の途中で謎の自殺をして、亡くなったそうです。
 詳しいことは、ぜひ上掲の論文をお読みください。ドイツ航空界や女性パイロットの状況にも言及しています。資料が少ないなかでまとめたこの論文はすばらしいものだと思います。
写真は筆者所有品です。


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