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特集 ポルシェ

   ポルシェ906 (バンダイ 1/16)

 by  田口博通 Hiromichi Taguchi



 バンダイの1/16 ポルシェ906カレラです。
エンジン内臓、ドアオープン、カウル可動、モーターライズというオール可動モデルで、少年時代の憧れの大型カーモデルでした。
 数年前にヤフオクでGETしたものの、もったいなくて眺めるだけに終わっていましたが、この特集に合わせ、思い切って形にしました。完成するとやはり美しい。906らしさに溢れています。プラ部品の集合を眺めるのとは全然違いますね。塗装はもちろん憧れの第4回日本GP優勝の生沢車No.8としました。



 このバンダイ906ですが、もちろん絶版モデルです。20世紀後半にビジネス書が流行った時代があり、その流行に乗ってしまったのかどうか、残念ながらバンダイが「集中と選択」により、大当たりしたガンダム・キャラクター以外から全て撤退したため、カーモデルライン全般が絶版となり、ずっと入手できなくなっておりました。
しかし、今世紀のインターネットの発達とヤフオクの出現で、お足さえ出せればですが、ほぼ 絶版モデルも入手できる環境になったことは本当にありがたいことであります。

箱絵 

(製作)

 シャーシーはパイプフレームがそれらしく再現されています。パイプフレーム部品を 小さい当たりはあるものの、ほぼイモヅケで接着していくという豪快な構成です。歪まないように気を使います。

組み上げた鋼管パイプシャーシー


パイプフレーム部品


 コクピットは箱型の成型です。これをシャシーに載せるとしっかりとしてきます。シャーシーはブラック、コクピットはニュートラルグレーで塗装しました。

コクピット部品


コクピットを載せてシャーシー完成。


 エンジンはモーターを組み込むようになっていますが、省略。部品点数も少なく、塗装をするだけで、精密なエンジンの完成となりました。



 エンジンとをシャーシー後部に組み込みます。



 下部カウルとサスペンションを組みます。
排気パイプには金属コイルが使われています。





 カウル部品の内部は艶消し黒。外装はサフェーサーで下地を整えて、グランプリホワイトを吹き付け塗装後、デカールを貼り、おちついたらクリアを吹いて完了です。



 そのデカールは完全に黄ばみが出ており、使うにはためらう状態になっていたので、スキャンして 画像データを作り、インクジェット用デカール用紙を用いて、再製作しました。
方法は、8月号のタミヤ1/12フェラーリF1と同様です。

完全に黄ばんだデカール


画像加工したデカールイメージ


印刷したデカール


 キャノピーなど透明部品ですが、断面と内側の周囲をマスキングして艶消し黒を塗っておきます。
カウルには水性手芸用ボンド(木工ボンドとほぼ同じだが水性)で接着しています。


(完成)

 タイヤ、キャノピー、全体を組み上げて完成しました。
ワイパーも精密でいい味を出しています。
とにかく906は美しいの一言につきます。906は完成したスタイルの純白ホワイトのボディにゼッケンとスポンサーマークだけというシンプルさがまた最高です。





 906は2リットル水平対向エンジン、軽量鋼管フレームと、車体の剛性に寄与しないため薄く軽量に作られたかぶせるだけのグラスファイバーポリエステル樹脂ボディの構成は高い戦闘能力を発揮しました。
 906が登場したのは1965年です。
日本のGPレースにはワークスではなくプライベーターが輸入して、1966年から出走していますが、この年の第3回日本GPには滝進太郎が搭乗して惜しくもリタイア。
翌67年の第4回日本GPで生沢徹により優勝を飾りました。滝進太郎は5位に入っています。
 生沢は今でいう「ブランド化」の先駆者で、自分自身をブランド化し ノーズの鶴のマークがトレードマークです。VAN,PEPSIなど多くのスポンサーを獲得し、コマーシャルにも多く出演していました。優勝ゴール後、出されたコカ・コーラを断り、自分のスポンサーであるペプシコーラをカメラマンの前で飲んだというくらいスポンサーを大切にしたという逸話が残っています。



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Vol.169  2022 September.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
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