Home
> プラモデルの写真撮影> 工作のヒント
プラモデルの作品写真を撮ろう
by 田口博通 Hiromichi Taguchi
目次
1 初めに
2.撮影の準備 撮影機材
3.撮影の方法
4.撮影後のトリミング
5.もっとプラモデルの撮影を楽しむには
6.工作途中の写真を撮る
7.それでは実際に作品の写真を撮ってみよう
1.初めに
プラモデルの楽しみ方の一つは、なんといっても 完成した作品を写真に撮ることです。
その背景にはやはり、デジカメの急速な普及で、気軽に写真に撮ることができるようになったことがあるように思います。
プログやFacebookに 完成作品や工作途中の写真を掲載することが盛んになってきていて、webモデラーズにも 投稿作品が増えてきています。
そんなわけで、プラモデルの写真の簡単な撮り方をご紹介します
。
2.撮影の準備
室外での撮影は天候や時間に左右されるので、初めて作品撮影をする場合は室内での蛍光灯撮影が楽です。
室内での撮影には機材が必要になるのですが できるだけ、時間と手間はかけたくないもの。実際に使っている機材を基本に紹介させていただきますが、こんなに簡単な機材や環境で撮影しているの?と ちょっとびっくりされるかもしれません。
(背景セット)
最も悩ましいのが、写真を撮る時の背景セットだと思います。
背景に部屋のゴタゴタが映っていると、せっかくの作品の素晴らしさが減ってしまうので、背景は重要な要素の一つです。
下は webモデラーズの写真を撮る時に使っている簡単背景セットです。投資は200円ぽっきり。こんなもので 充分すぎる撮影ができます。
まず、カレンダーと大きな背景紙を用意します。
カレンダーは上枠を使うだけですが、大きい方がいいでしょう。
背景紙は全紙の大きさのラシャ紙を買ってきます。ラシャ紙でなくても 色のついた反射がなく裏が透けない紙だったら,ミューズコットンでもケント紙でも何でもOKです。最寄の画材店で一枚200円ぐらいです。色は好みで選んでみてください。 私が使っているのは ブルー、水色(萌色)、黒、白、などですが、薄紫なども落ち着いた色です。
そのラシャ紙を、カレンダーの上枠にクリップで留めます。そして、小さい机かイスの上に 上からひもでつったカレンダーならぬラシャ紙を写真のようにたらせば、セットは出来上がりです。ひもをつるす時のフックですが、クローゼットの上の隙間の所に 定規を差し込んで、カレンダーのひもを定規にひっかければ、フック代わりになります。こうすれば、壁にフックの穴を開ける必要もありません。
(使用しない時は、裏返しにしてカレンダーとして壁に飾って利用するか、めだたないようにタンスの裏側あたりの壁ににかけておけばよいでしょう。)
照明は 写真のような どの家にもある蛍光灯スタンドがあれば充分です。
レフ板も使っていません。無くても 全然 大丈夫です。
ラシャ紙をクリップで留める。
照明に使っている蛍光灯スタンド
(カメラ)
今はフィルムカメラでなくデジカメを使うのが一般的でしょう。安いごく一般のコンパクトなデジカメがあれば、プラモデル撮影には充分です。 ちなみにwebmodelersの掲載サイズは横800ドットですが、1メガモードのデジカメでも1280*960ドットで撮影できます。
3メガのデジカメでは 2048*1536 まで撮れます。
ポイントは 3脚を使うので、デジカメの底に「3脚用のネジ穴」がある機種を選んで下さい。
また近接モード(お花マーク)で撮影することが多いので、20cmくらいからでも撮れるデジカメが良いでしょう。
私は10年以上前に買ったソニーのDSC-T1という薄型のサイバーショットで、それを3脚につけて撮っています。最大5MEGAで 2592*1944 まで撮れるようになっていますが、解像度は充分過ぎるほどです。
絞り優先(Av)モードがある高級一眼レフデジカメは、被写界深度を調節でき 手前から奥までピントを合わせやすいので、有利ですが、筐体も大きめで、価格も高めです。余裕があり、もう一つデジカメを買えるという状況ならば検討してもいいでしょう。
3脚だけはぜひ使って下さい。カメラのブレを防げます。1500円程度の安価ので大丈夫です。私のは30年前の年代物ですが、まだまだ使えています。
コンパクトデジタルカメラ
一眼レフデジタルカメラ
三脚
最安値 100均で売っていたデジカメ・スタンドです。
脚が短いですが、台の上において使えば、これでも充分使えます。
3.撮影の方法
まず、カメラを3脚に取り付け、カメラアングルを決めます。
カメラアングルは 上からだけでなく、視線位置でも取ってみましょう。それは実機を見上げる位置になり、1/48 飛行機の場合、170cmの身長とすると、水平面から3cmくらい上の位置です。
デジカメのレンズは近接モード(お花さんのマーク)にしておきます。
ISOはオートでもよいが、できれば100か200にしておくとよいでしょう。ノイズが少なくなります。ホワイトバランスW/Bもオートで充分です。
照明の蛍光灯スタンドを手で持って、AFオートで、タイマーモードにして チッ、チッ、チッ、パチン。
タイマーを使うのはシャッターを押すときにさわらないですむので、カメラがぶれないようにするためです。
もし、絞り優先(Av)モードがある高級デジカメをお持ちの場合は、絞りをできる限り大きな値(f20以上)にして撮影すれば、翼端までピントのあった写真が撮影できます。
撮影時は手持ちのデジカメの最大解像度モードで撮っておくことがコツ。後で、周囲をトリミングするためです。
周囲をトリミングすると決めておけば、構図を気にする必要がなくなり、気楽に撮ることができます。
翼端の歪みやボケのない写真を撮るポイントですが、カメラはレンズの周辺になるほど焦点深度でボケやすく、また歪みがあるので、
中心部2/3程度に収まるように機体を置いて、50cm以上はなれた所から、最大解像度モードで撮影します。
トリミングで上下左右をカットすれば、翼端までシャープな写真を得やすくなります。
上から撮影
視線位置で撮った トリミング前の写真
4.撮影後のトリミング
月刊webモデラーズでは 標準の掲載サイズは
完成写真 横幅 800dot
組立て中説明写真 横幅 400dot
としています。
私の場合は 5MEG(2592*1944)で撮影して、機体の周囲をトリミングし、
その上で所定の横幅にリサイズしています。
トリミングなど 写真加工は、デジカメに付属してくるソフトでも、PCに標準に付属しているソフトでも 充分に使えるので、自分で使い易いものを選びましょう。 明るさ、コントラストも補正できます。
トリミング後の写真
5.もっとプラモデルの撮影を楽しむには
(バックの色)
バックの色で写真の表情が変わってきます。シャープなメカ感を出したければ、バックを黒にするのもいいでしょう。
黒のバック
色がついたバックは やわらかい雰囲気になります。バックの色紙をちょっと変えてみる、こんな簡単なことでも、プラモの写真撮影をもっと楽しむことができます。
ライトブラウンのバック
6.工作途中の写真を撮る
工作途中で撮影しておくと、製作記事を書く時に利用することもできます。
工作途中の写真は工作机の上で手持ちで撮ることが多いので、背景バックは 机の周囲にある手近なものを 積極的に利用しましょう。そうすると、途中写真の記録を残すことが負担でなくなり、楽しくなってきます。
最適なのはコンパクトデジカメで 手持ちで撮影距離が短くても撮影できるので、機動性を発揮します。また、オートモードでも明るく撮影できます。
逆に一眼レフ高級デジカメは撮影距離を最低50cmくらい必要とするので、意外と使いにくいものです。
下の写真のバックは 実はファイルホルダーの青い表紙です。
(背景紙)
A4ファイルフォルダーの内側にブルーの紙を切って貼りつけたものを作っておくと、便利に使えます。いつもは折りたたんでおけます。
使用する時は 開いて、適当なもので後ろを支えると、開いたページの片側がバックになります。こんな具合です。
下の写真は上のようにして撮影しています。
バックに机の上の余分なものが写っておらず、すっきりとします。
7.それでは実際に作品の写真を撮ってみよう
それでは、あなたの素晴らしい作品の写真を 撮ってみましょう!
下例は上のセットで撮影したタミヤ1/20 ホンダレーシングカーとエアフィックス1/72ハリアーです。カメラの最大解像度で50cm以上離して撮影後に周囲をトリミングしてあります。
デジカメが普及した現在では 簡単に こんな風に 誰にでも撮れます。
撮ったら webモデラーズの誌上個展コーナーにも 応募してみましょう。
Happy Modeling !
Home
>プラモデルの写真撮影> 工作のヒント
Vol.169 2022 September. www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず/リンクフリー
「webモデラーズ について」
「広告のご出稿について」
工作のヒント
TOTAL PAGE